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【UFC158】ジョニ・ヘン×コンディットは前後×左右の勝負か?!

2013.03.15

Hendricks vs Condit

【写真】レスリング&ボクシングのヘンドリックス。ムエタイ&柔術のコンディット。水と油が融合すれば、とんでもないファイトになるやもしれない(C)GONGKAKUTOGI

モントリオールのベルセンターで16日(土・現地時間)、UFC158「St-Pierre vs Diaz」が行われる。メインイベントでUFC世界ウェルター級選手権試合GSP×ニック・ディアスがマッチアップされている今大会、セミでは同じウェルター級のカーロス・コンディットとジョニー・ヘンドリックスが対戦する。

当初はコンディット×ローリー・マクドナルド、ヘンドリックス×ジェイク・エレンバーガーが発表されていたが、マクドナルドの負傷欠場により、コンディット×ヘンドリックスに変更された。コンディットは昨年11月に、GSPとの王座統一戦に敗れて以来の試合。同じ11月大会でマーチン・カンプマンを秒殺KOし、GSPへの挑戦を宣言したヘンドリックスにとって、元暫定王者コンディットとの一戦はこれ以上ないアピールの場となる。

ファイトスタイルの相性で言えば、ずばりヘンドリックス有利の一戦だ。27勝のうち26勝がKOもしくは一本という驚異のフィニッシュ率を誇るコンディットだが、打撃とサブミッションに強みを発揮する反面、過去の試合ではレスリングで先手を取られる、打撃でリーチを活かせない場合、劣勢を強いられることが多かった。

GSPとの統一戦でも左ハイキックであわやという場面をつくって見せたものの、試合全般を通し間合いのコントロールに屈し、その打撃は不発に終わった。またテイクダウンを許すと、懸命に足を利かせていったが、GSPのトップキープにサブミッションの形に入ることもできなかった。

ヘンドリックスはレスリングがバックボーンで、サウスポーから繰り出す伸びのある左ストレートでKO勝利を重ねてきた。GSPとは違い、前後の動きが多いが、半歩外に立ち相手を懐に入らせず、同時に自らが打ち込むと相手は射程距離に収めているという絶妙な距離感を持つ。そこにKO必至の左の強打だ。その左が当たらずとも、組みついてケージに相手を押し込めると、得意のクリンチワーク&ケージレスリングに持ち込むことができる。

ヘンドリックスが左ストレートのプレッシャーをかけながら、そこにテイクダウンを織り交ぜていけば、自ずとヘンドリックスペースで試合が進むことになるだろう。コンディットとしてはオーソドックス×サウスポーの利点を生かしたい。GSP戦では左ハイを決めたコンディットだが、本来はキム・ドンヒョンをKOした飛びヒザ蹴りをはじめ、ハイキックや顔面への前蹴りなど、右の蹴り技を得意としている。ヘンドリックスとの試合では、×サウスポーとなることで、右からの攻撃で崩すというセオリー通りの攻め方ができそうだ。

テイクダウンを織り交ぜた打撃に長けているヘンドリックスだが、純粋な打撃スキルでいえばコンディットの方が上。ヘンドリックスが正面から左ストレートを打ち、不用意に組みつくようなことがあれば、それはコンディットの右の餌食となりかねない。距離を探り合う序盤、もしくは集中力が散漫になる後半の打撃戦で、コンディットの右がどれだけヒットするか。ヘンドリックスの前後の動きに、コンディットが左右の動きを織り交ぜて、いかに間合いをコントロールし足技につなげることができるのか。そこが勝負のキーポイントになるだろう。

■UFC 158「St-Pierre vs. Diaz」

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョルジュ・サンピエール(カナダ)
[挑戦者]ニック・ディアス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
カーロス・コンディット(米国)
ジョニー・ヘンドリックス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・エレンバーガー(米国)
ネイト・マーコート(米国)

<ミドル級/5分3R>
ニック・リング(カナダ)
クリス・カモージ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイク・リッチ(カナダ)
コリン・フレッチャー(英国)

<ウェルター級/5分3R>
パトリック・コーテ(カナダ)
ボビー・ヴォルカー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
アントニオ・カルバーリョ(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
ダン・ミラー(米国)
ジョーダン・メイン(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ダロン・クルックシャンク(米国)
ジョン・マクデッシ(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
リック・ストーリー(米国)
クィン・モルハーン(米国)

<バンタム級/5分3R>
TJ・ディラショー(米国)
田村一聖(日本)

<バンタム級/5分3R>
ジョージ・ループ(米国)
ルーベン・デュラン(米国)

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