【ONE27】青木真也戦控える安藤晃司、本計量後の声 「勝たないと意味のない試合」
【写真】十分にバキバキなボディでパブリック計量に臨んだ安藤晃司。ステアダウン後も視線を送るままの青木に一瞥もくれずステージを下りた(C)MMAPLANET
いよいよ明日、22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE27「Warrior’s Quest」。
メインは日本人対決、青木真也の持つONE世界ライト級王座に安藤晃司が挑む一戦だ。ONE特有の本計量とパブリック計量の合間に、大一番を明日に控えた安藤に話を訊いた。
――本計量を終わって2時間ほど経過したばかりで、まだ頬がこけている安藤選手です。インタビューの方はパブリック計量後のアップとなりますが、体調の方はいかがですか。
「70.2キロでクリアしました。青木選手もクリアしています。本計量はメディアや一般に公開していないから、ステアダウンもないですし、メインから体重を量ってくれるので楽といえば楽なんですよ。そのまま水分も補給して、ルールミーティングを待てばよいので」
――その分、夜にパブリック計量があります。
「ハイ。会場でリハーサルがあって、そこからパブリック計量、そしてサイン会という流れです」
――試合前夜に面倒ではないですか。
「もちろん、何もなければそれで良いのですが、そこも含めて仕事ですし、やる必要があればやります。それに去年のゾロ戦でああやってパブリック計量をしたことで、SNSとかでシンガポールのファンから頑張ってというメッセージをもらえるようになりました。ありがたいことです」
――写真を撮る側の立場からすると、やっぱり緊張感は格段に下がります。
「分かります。計量直後のあの気持ちとかは、あの場特有のものでしょうし。ガンガンにリカバリーし、休息を取った選手が電源が入っていない体重計に乗っても、あの空気は出せないです(笑)」
――同時にパブリック計量で体が戻っていないだとか、体調が悪そうな選手は試合でも影響が出てくるなという感じで眺めています。
「僕の場合はもう体を戻しているので、お腹が張っているんです。Tシャツを着たいぐらいですけど、そうもいかないですからね(苦笑)。お腹が出て見えるので、そこは懸命に凹ませて写真を撮られるようにしています(笑)」
――ハハハハ。どれぐらい体重はリカバリーされるのですか。
「だいたい7キロ~8キロですね。今回はもう水抜き分まで日本で落として、昨日の夜の水抜きであと2キロほどになっていたし本当に順調でした」
――頬こそこけていますが、肌艶は良いですしね。これから体重を戻していくような感じですね。
「水分補給をして、食べたいものを食べています。もちろん、脂ものなんかは食べないですけど。基本的には炭水化物を摂ってグリコーゲンをローリングさせ、ビタミンを補給するという風に必要な栄養素の補給をします。でもそれだけだとストレスがたまるのでチョコレートを口にしたり、肉も食べています」
――いよいよ試合は明日になりました。これまでも余り青木選手については言及してこなかったような気がします。
「もちろん、青木選手との試合は大一番です。たどり着いただとか、頂上というわけではないですけど、日本、アジアのトップで世界の上位に入る選手と戦うのは、人生のなかで大きなチャンスです。当然、緊張感もあります。でも、やることはいつもと変わらないです。勝つこと以外に道がないという部分は何も変わらないので。勝てば大きいですが、負けたら何も残らない。それは青木選手でも、他の選手と戦う時も同じです」
――青木選手はテイクダウンからしっかりと試合をコントロールする場合と同時に川尻戦やエディ・アルバレスとの初戦で見せたような試合もできます。
「そこは色々なことを想定するなかで一番に頭に置いてきたことです。捻じ伏せる戦いもできるし、ああいう戦い方を出し惜しみなくできる。躊躇なくそういう部分を出せる選手なので、1Rであれだけ勝ってきたんだと思います。今回は頂柔術の磯野(元)さんに色々と柔術的なことを習いもしましたし、対策も練ってきました。ただ、色んなことを考え、対処をしても、それが試合で出せるわけではない。肌も触れたこともないので、ケージに入ってからの閃き、判断力も一つの鍵になってくると思います。
青木選手の形に入られてから頑張るのは、もうタフマンコンテストでしかないので、そういう覚悟の下で練習をしてきたわけじゃない。そこに入らせないで、自分がどこまでできるか。入られてから頑張っても、勝てる相手ではないです」
――青木選手も同じように色々と考え、安藤選手と同じような境地でいると思います。そんな青木選手と戦うことで、これまでよりプレッシャーが大きいということはありますか。
「直前にならないと分からない部分はありますが、現時点ではプレッシャーと同様に、日本から応援に来てくれる人もいるのでしっかりと良い試合をしたいという気持ちです。
勝てるイメージ、負けるイメージ、どちらも持っていて。勝たないと意味のない試合で強い選手と戦うのだから、プレッシャーも大きいです。その分、頑張ろうと気持ちも昂ぶってもいます」
――ところで、安藤選手のマネージャーのフランク・ストリーグル氏の弟マークがイヴォルブMMAの所属となりました。
「ハハハ。GODSに来ていたこともあるけど、東京本部でやるようなガツガツなプロ練習じゃないですし、マークは僕のことは分かっていないと思います。だから、全く気にしていないです。フランクにしても僕が勝った方がパーセンテージも増えるし、弟の所属先なんて関係ないですよ(笑)」
――なるほど。マネージャーの弟が、対戦相手のチームメイトという状況は余りないと思うので、深く考えすぎてしまいました(笑)。
「もし、マークが青木選手に入れ知恵したとして、そこを青木選手が気にしてくれれば逆にありがたいです(笑)。そんなものじゃないですよ」
――全くもってその通りだと思います。失礼しました。絶対に結果を出さないといけない試合ですが、同様にプロとしてお客さんを満足させないといけないメインイベンターでもあります。
「今回の大会、フィニッシュできる選手ばかりが揃っているんですよね。僕も何気にONEでは2試合連続でフィニッシュしてきたので、何を求められているのかは理解しているつもりです。でも、今回の試合はお客さんにとっては退屈な我慢比べになることも考えられます。5Rですし。今の僕の勝ちに行くスタイルはフィニッシュに近づくものです。でも行程を飛ばしてフィニッシュということではないですから、途中でお客さんが求めない試合展開になることも考えられますけど」
――青木選手を倒せば日本のライト級で最強という称号を手に入れることになります。そこにこだわりはありますか。
「格闘技をやっている限り、こだわるのは当然だと思います。だからといって、僕のことを誰もが認めているわけじゃない。自分の方が強いと思っている選手はいくらでもいるはずです。でも、現段階で実績的にもずば抜けているのが青木選手です。その選手に勝つことは凄く大きいです。日本で実質一番になれるチャンスなので、本当に勝ちたいです」
■ ONE 27 計量結果
<ONE世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] 青木真也:70.1キロ
[挑戦者] 安藤晃司:70.2キロ
<ONE世界ストロー級王座決定戦/5分5R>
ロイ・ドリゲス:51.6キロ
デェダムロン・ソー・アミュアイシルチョーク:51.8キロ
<フェザー級/5分3R>
マラット・ガフロフ:65.8キロ
イブ・タン:65.8キロ
<ライト級/5分3R>
ローウェン・タイナネス:69.7キロ
クアット・ハミトフ:70.3キロ
<ライト級/5分3R>
エディ・アング:70.3キロ
アリエル・セクストン:70.2キロ
<フェザー級/5分3R>
シャノン・ウィラチャイ:65.8キロ
アミール・カーン:65.5キロ
<バンタム級/5分3R>
スティーブン・ランダン:61.2キロ
アナテン・ヘイリ:61.2キロ
<フェザー級/5分3R>
ベネディクト・アン:65.3キロ
ワカー・アマール:65.6キロ
<女子ストロー級/5分3R>
アンジェラ・リー:51.8キロ
アヤ・サイード・サバー:51.7キロ
<フライ級/5分3R>
ヤン・ジェンビン:56.7キロ
アリ・ヤコブ:55.3キロ