【PRO FC10】PRO FCウェルター級王者 佐藤豪則「UFCという場所にやり返したい気持ちはある」
【写真】UFCを目指すうえで階級変更も視野に入れているという佐藤(C)PRO FC
9日(土・現地時間)台湾・台北の台北体育館で開催されたPRO FC10「Invincible」でチャド・レイナーに一本勝ちし、同王座を手にした佐藤豪則インタビュー後編。
なかなかその試合の全容が日本に入ってこなかったが、佐藤自らに試合内容を振り返ってもらい、PRO FCとはどのようなイベントだったのか、そして今後について語ってもらった。
<佐藤豪則インタビューPart.01はコチラから>
――試合は1R、腕十字による一本勝ち。試合結果は伝わっているのですが、どういった試合展開だったか、情報が少ないです。佐藤選手が記憶している範囲で試合展開を教えていただけますか。
「ちょっと最初は見合う展開があって、それで僕が左ミドルを蹴ったら、明らかに嫌がったんですよ。それで打撃でもいけるなと思って、右アウトローから左ストレートを打ったら、それがまともに入りました。そのまま四つ組になった時も力が入ってなかったのでテイクダウンしてパス。
相手がブリッジで逃げようとしたので顔の上に乗るような形で腕をアームロックに取って。それで鉄槌を入れながら腕十字、という感じですね。ワセリンですべったんですけど、最後はバキッて鳴っちゃいました」
――なるほど。打撃を効かせての一本勝ちだったんですね。
「効いていたかどうかは微妙ですけど…嫌がってはいましたね」
――復帰戦、フリーとして最初の試合、しかも海外での試合。そこで一本勝ち出来てどんな心境でしたか。
「復活も出来て、チャンピオンにもなって、ちょっと台湾でも人気者になって(笑)、結果的に本当に良かったと思います。ちょうどPRO FCにとっても10大会目の大会だったらしく、セミファイナルでは戦極に出ていたモイス・リンボンがパンクラスに出ていたキム・フンが戦って、ウィル・チョープも出ていたんですよ。だから日本でも試合をしていた選手たちが多くて、決して地元の選手たちだけの大会ではなかったです」
――PRO FCのことは私達もほとんど情報がないのですが、大会の規模などを含めて、どのようなイベントでしたか。
「大田区体育館くらいの会場で、ケージの造りもしっかりしていて、すごくちゃんとした大会だなと思いました」
――会場の雰囲気やお客さんの反応は?
「ものすごく盛り上がっていましたね。僕の相手がアメリカ人だったからかもしれませんが、ブーイングされることもなく、むしろ歓声が上がって驚きました。現地のスタッフからもいい評価をしてもらって、正式なオファーではなかったですが『8月の試合はどうだ?』ということは言ってもらいました」
――これからはPRO FCが主戦場になっていきそうですか。
「そうですね。やっぱりタイトルも獲ったので、それは大事にしたいですよね。防衛戦も組まれるだろうし、それとは別路線で外国人選手と戦う機会があればやっていきたいです。PRO FCは大会自体これから大きくなっていくものだと思うし、その団体のチャンピオンとして自分も試合をしていければいいなと思います。だからこれも何かの縁ですよ。自分が試合を休んでいる時にタイトルマッチのオファーがあってチャンピオンになったというのは」
――今後の選手としての目標として、UFCにもう一度チャレンジしたいという気持ちはありますか。
「もちろん。前回が前回だったので、UFCという場所にやり返したい気持ちはあるし、もしUFCを目指すのであれば階級転向も視野に入れてやっていこうと思います」
――ではUFCをリリースされたあともUFCへの想いは変わっていないわけですね。
「はい。ただ僕がUFCで試合をしたいというのは、UFCが世界で一番大きな団体で稼げる場所だからです。僕は日本の格闘技が好きだし、リングや長い花道が好きなんです。今は日本にUFCのような舞台がないだけで、もし日本にそういうイベントがあれば日本でやりたいです」
――試合とは関係ない話ですが、UFC参戦前に倒れたお母様の症状はどういう状態なのでしょうか。
「安定はしているんですけど、植物状態が続いているという状況です。お医者さんからは『生きていることは出来るけど、ここから状態が良くなることは難しい』と言われています。このインタビューの翌日からしばらく実家に戻るし、ある程度は家のことも落ち着いてきたので、また格闘家としても頑張っていきます」
――このインタビューを通して佐藤選手の現在を知ることが出来たファンの方たちも多いと思います。最後に一言メッセージをいただけますか。
「僕が何も情報を発信していなかったので、一度引退して復帰したみたいなことを言われることもあるんですが(苦笑)、僕は引退していないし、環境が変わって、たまたま試合間隔が空いただけです。今もトップを目指して元気にやっているので、ちょっとは目にかけておいてください」