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【PRO FC10】台湾で再起戦勝利、佐藤豪則 「辞めるという選択肢はなかったです」

Takenori Sato【写真】台湾のMMAプロモーションで王座獲得した佐藤豪則、UFCリリース後は新たな環境で再スタートを切っていた(C)PRO FC

9日(土・現地時間)台湾・台北の台北体育館で開催されたPRO FC10「Invincible」。メインイベントのウェルター級王座決定戦で佐藤豪則がチャド・レイナーに一本勝ちし、同王座を手にした。

昨年9月のUFC日本大会で敗れてUFCをリリース、年始には所属していたTRIBE TOKYO M.M.Aも離れてフリーとなった佐藤。約8カ月の沈黙を破り、海を渡って復帰戦に勝利&王者になった佐藤の声をお届けしたい。

――今月9日に台湾の『PRO FC10』でチャド・レイナーに一本勝ちして同団体のウェルター級王者になった佐藤選手です。試合のことはもちろん現在の佐藤選手の状況について色々とお伺いしたいのですが、まず昨年9月のUFC日本大会後、所属していたTRIBE TOKYO M.M.Aを離れてフリーになったそうですね。

「はい。年明けからフリーとして活動していくことになりました。今は特定のジムに所属せず、その時々で練習できる場所に参加させてもらっている状況です。最初は所属ジムがなくて練習場所に困っていたのですが、今はいい練習環境が整ってきたので、今回も試合の準備時期間は短かったですが、ちゃんと試合用の練習をやって戦うことが出来ました」

――順を追って話を聞かせてもらうと昨年9月の敗戦でUFCからリリースされる形になり、まずそれが一つの転機になったわけですよね。

「はい。そこで辞めるという選択肢はなかったですが、モチベーションが落ちて試合をする気にならなかったのは事実です。あの時点でUFCで戦うことを最終目標にしていたところもあったので、また一からUFCを目指してやるというのは……。その気持ちをリセットして新しい目標を設定する上で自分に時間が必要だったのかもしれないです。

ただUFCでやった2試合はどちらもすぐ終わっちゃったので、自分のやりたいこともぶつけられなかったし『UFCで試合をした!』という感じでもないんですよね(苦笑)」

――その中でなぜジムを離れることになったのですか。

「自分が考えていることと長南(亮)さんが考えていることで少し違う部分があったというか、それで所属選手のままでいるのはジムにも迷惑がかかると思って。現役生活も限られているので、だったらフリーとして活動していきたいと思いました。長南さんには自分の考えと想いを伝えて、最後は『頑張れよ』と送り出していただきました」

――年明けにフリーになってからはどのように過ごされていたのですか。

「本当に無計画です。またやる気が出るまでは軽く身体を動かす程度で、試合のことは考えてなかったです。そういう時期を過ごしていたら、試合の約1カ月ぐらい前にPRO FCのオファーがあって、それから本格的な練習を始めました。だからタイミング的にこのオファーでやる気が出た部分もありますね」

――とはいえ本格的な練習もしていない状況でオファーを受けるのには抵抗がなかったですか。

「その時はもう何とかなるだろうなって思ってましたね。対戦相手が元UFCファイターと聞いた時はマジかよと思いましたけど(苦笑)」

――最初からタイトルマッチとしてのオファーだったんですか。

「はい。だからちょうど前回の試合から半年以上経って、そこで試合のオファーがあったというのは、自分の気持ちを整理させて、また頑張ろうと思うにはちょうどいい期間だったかもしれないです」

――試合が決まってからはどこで練習して調整したのですか。

「ロータス、HEARTS、GRABAKA…ですね。あとは直前に岡見(勇信)さんや福田(力)さんたちの練習にも参加させていただきました」

――セコンドには北岡悟選手がついていましたが、どういった経緯で北岡選手がつくことになったのですか。

「もともと北岡さんにはずっとよくしてもらっていて、自分がDEEPジムの練習に行かせてもらうようになったのも北岡さん経由だったんです。僕も北岡さんもいわゆるグラップラーで話していても共感できることがたくさんあるんですよね。以前からずっと北岡さんにセコンドをやってもらいたいと思っていて、このタイミングでお願いさせてもらいました」

――対戦相手のレイナーは2007年にUFC参戦経験があり、50戦近い戦績を誇る選手でした。どのような作戦を立てて戦ったのですか。

「試合映像を見る限り、あまり打撃は上手くなかったので、組んだらいけるだろうと思いました。いつもそうなんですけど自分は組んで倒すところまでしか見ないんで。これは感覚的に一本取れるなと思いました」

<この項、続く>

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