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【REAL&ZONE02】藤原あらし×小林聡<02>「外国人は1発があるし、もらったらそこで終わり」(藤原)

Fujiwara Arashi【写真】ZONEとREAL、合同イベントは互いの競争でもあるという小林代表の声に対し、メインイベンターの藤原あらしはどのように応えるか(C)RYO HASEGAWA

5月2日(土)、神奈川県横浜市横浜文化体育館で行われるキックボクシング「ZONE」第2回大会は同じく昨年旗揚げした「REAL」とのジャンルをまたいだ2部興行で行われる。

「ZONE」のメインを務めるのは長く日本軽量級のトップを走り、36歳となった今もムエタイ王座への挑戦を続ける藤原あらし。今大会ではカルロ・パウパッダと対戦するあらしと「ZONE」小林聡代表の対談、後編をお届けしたい。
<藤原あらし×小林聡対談Part.01はコチラから>

――では、今回の対戦相手となるイタリアのカルロ・パウパッダについて、どのような印象を持っていますか。

あらし ちょっとまだ情報がなくて、右か左かも分かっていない状態なんです。

小林 俺も話を聞いただけで全然分からない(苦笑)。

【写真】未知の部分が多いイタリアン・ナックモエ、カルロ・パウパッダ(C)ZONE

【写真】未知の部分が多いイタリアン・ナックモエ、カルロ・パウパッダ(C)ZONE

――動画を見るとサウスポーの選手で、その試合ではローで優勢に攻め、相手が足を痛めるアクシデントもありTKO勝ちでした。1986年9月26日生まれの28歳で戦績は44戦29勝(7KO)14敗1分、オールラウンダーでパンチも結構放ってくる、バンタム級からスーパーバンタム級を主戦場にするイタリアの2冠王と聞いています。

あらし サウスポーなら得意です。

――タイ人との対戦は多いあらし選手ですが、これまで欧米人との対戦は?

あらし 1回だけイギリスでやっています。もう10年ぐらい前ですね(04年4月24日、デメイン・トライナーと対戦し5R判定ドロー)。パンチとヒジをガッツリみたいな感じで、首相撲はそんなにできませんでした。

――パウパッダは首相撲での攻防はその試合では見せず、腰に組みつきサバ折りのようにして倒す場面が2回ほどありました。

あらし そういう相手は大得意なので、どんどん来てほしいですね(笑)。

――イタリアというと小林代表も現役時代に遠征して試合を行ったり、イタリアの選手とも対戦経験がありますね。

小林 “ヘタクソなムエタイスタイル”みたいな感じじゃない?

――……。

あらし でも外国人はやっぱり1発があるし、その1発をもらったらそこで終わりだと思っています。

小林 動きは見てないけど、荒々しい部分はあるんじゃないの。まぁ、どんな相手であってもあらしは自分のスタイルで“魅せるキックボクシング”をやってくれると思うので、あまりそこの心配はしていないです。今回は大きい会場なので本当に信頼できる、ハズレはないなと思って彼にメインを頼みました。あとはやっぱり、キックにこだわってきた男に夢を見せたいっていうのがあったから。その気持ちは一番強いですね。頑張ってきた男に夢を見せたいっていうのは。

あらし いやぁ、もうありがたい限りです。

――あらし選手からも、ヒジ・ヒザありのキックへのこだわりについてお願いします。

あらし 僕にこだわりがあるとすれば、自分より強い奴がいて、“それをぶっ倒すにはどうすればいいか?”っていうことしか考えてきませんでした。それに関してはもう本当に、そういう舞台を作ってくれるのであればありがたい、この上ない喜びです。

――では、先ほども話の中で出ましたが、こだわってきたのは“最強”という部分であると。

あらし はい、やっぱり男として生まれた限りは一番上を見て、一番上と戦わないとダメなんじゃないかって自分では思っています。そこはブレたくないし、ブレて次の人生に移ったとしても、絶対そのブレが自分の第2の人生に出て来るんです。“いいや”って思っちゃったらお終いだし、例え「頑固だ」って言われても、そこだけは貫かないとダメだと思います。

――そこを達成することなしに次の道へは進めないと。

あらし 嫁さん、父ちゃん、母ちゃん、色んな人に世話になっているので行けないです。そこを「あ、辞めたよ」なんて言ったら、向こうも“なんだよ”ってなっちゃうでしょうし。それに僕のことを見てやり始めた人もいると思うので、そういう人に“なんやねん”って思われて、“やっぱりこういう奴らばっかりだったのか”って思われたらキックボクシング自体も下がるだろうし、良くないと思います。自分でも納得できないでしょうし。

――それでは現在36歳で、あらし選手が最近よく言われることですが、年齢は関係ないと。

あらし ほんと関係ないと思います。小林さんにZONEの話をもらった時にも、タイの試合を組んでもらえますか? 40歳を超えても試合に出してもらえますか?っていう2つを聞いて、「もちろんだよ」って言ってもらったんです。だから自分が納得できなければずっと続けます。

――では、自分が納得できた地点がゴールと。

あらし 実際20代の時の自分より今の自分の方が強いと思います。

小林 ほんとスルメのような長く味のある選手として頑張ってほしいよね。アーネスト・ホーストじゃないけど、玄人でも素人でも魅せれるキックボクシングを体現できる男だと思うので、それを自分もずっと見ていきたいなっていうのがあって、別に40歳になったらどうとかっていうことは、俺は関係ないです。だからそれを誰にもできないようなプロデュースができればなっていうのはあります。

――当日はZONEの後にREALが行われる2部興行となりますが、何か代表からMMAファンへのメッセージはありますか。

小林 もちろんREALも成功してほしいと思っているから、総合も盛り上がってほしいです。2つが相乗効果で盛り上がればいいと思います。でも、そういった中でこっちの方が面白いって思わせたいっていうのは当然あります。それがないとダメだと思うし、繰り返しになるけどPRIDEのように皆が上がりたくなる、観に行きたくなるリングを目指します。

僕はマッチメイカー的には赤ん坊かもしれないけど、この人がベストだと思っていた人の横で仕事を見てきたし、その人の横で選手としてもGMとしてもやってきました。だから、そういう勘というかは他の元キックボクサーよりあると思うし、それを信じてマッチメイクも興行もやっていきます。やっていくのは観てる人が飽きない、“大会”ではなく“興行”です。

――あらし選手からも改めて最後にメインイベンターとしての意気込みをお願いします。

あらし もう本当に「ZONE来てよかったな」「やっぱりキックボクシングはこうだよね」っていう試合をしたいと思います。そういう試合をしたいし、自分もしなきゃいけないと思っています。

■ ZONE02 対戦カード

<54キロ契約/3分5R>
藤原あらし(日本)
カルロ・パウパッダ(イタリア)

<68キロ契約/3分5R>
ジョイシー・イングラムジム(ブラジル)
メリケン雄人(日本)

<59キロ契約/3分5R>
森井洋介(日本)
マキ・ピンサヤーム(タイ)

<52.2キロ契約/3分5R>
貴・センチャイ(日本)
薩摩サザ波(日本)

<フェザー級/3分5R>
邦博(日本)
TARO(日本)

<68.5キロ契約/3分5R>
虎(日本)
森本一陽(日本)

<63.5キロ契約/3分3R>
吉田敢(日本)
夢・センチャイジム(日本)

<63.5キロ契約/3分3R>
錦和道(日本)
加藤純平(日本)

■ REAL02 対戦カード

<ライト級/5分2R>
ホドリゴ・カポラル(ブラジル)
國奥麒樹真(日本)

<フェザー級/5分2R>
マラッド・エナセリ(フランス)
芦田宗宏(日本)

<ミドル級/5分2R>
ノシュワン・カンザダ(パキスタン)
坂下裕介(日本)

<フェザー級/5分2R>
ライカ(日本)
沙弥子(日本)

<へビー級/5分2R>
カルロス・トヨタ(ブラジル)
矢野啓太(日本)

<ウェルター級/5分2R>
草・MAX(日本)
エリック・マイケル・フォート(米国)

<ライト級/5分2R>
間宮晃仁(日本)
ルイス・オカモト(ブラジル)

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