【REAL&ZONE02】欧米人初のラジャ王者ジョイシー・イングラムジム 「タイ人の動きを見て恋に落ちた」
【写真】ジョイシー・イングラムジム。本名はジョス・ホドリゲス・メンドーサ。1986年10月7日生まれの28歳で戦績は71戦52勝17敗2分だ(C)ZONE
5月2日(土)、神奈川県横浜市横浜文化体育館で行われるキックボクシング「ZONE」第2回大会。今回は同じく昨年旗揚げした「REAL」とのジャンルをまたいだ2部興行で行われ、欧米人として初めてラジャダムナンを制したジョイシー・イングラムジムが3度目の来日を果たし、メリケン雄人と対戦することが決まっている。
パワーとテクニックの融合を果たし、ムエタイの頂点に立ったジョイシー・イングラム、そのムエタイに賭ける想いを訊いた。
──ジョイシーがムエタイを始めたきっかけを教えていただけますか。
「トレーナーのルシアーノ・ノゲイラがタイから戻ってきた時、ちょうどブアカーオがK-1 MAXで成功を収めていたからなんだ」
──出身地ブラジルのベレンといえば、日本の格闘技界ではバーリトゥード、つまりMMAで有名な土地です。
「間違っていないよ。僕がブラジルでムエタイのトレーニングを行っていた時はブラジリアン柔術、レスリング、ボクシング、そしてMMAのクラスにも顔をだしていたよ」
──そんななか、ブラジルではムエタイ人気はどの程度のモノなのでしょうか。
「今はMMA人気に引っ張られるようにムエタイの認知度も上がっている。MMAとムエタイはまるで歩調を合わせているかのようだよ」
──ブラジルのムエタイといえば、我々はパラナ州クリチーバのシュートボクセ、そしてリオデジャネイロのアカデミア・ボクセタイを連想します。
「僕のトレーナーは、そのボクセタイ出身なんだ。だから、僕もボクセタイ出身だと言っているよ」
──そのコーチというのが、先ほど言われたタイ帰りのルシアーノ・ノゲイラさんですか。
「それとファービオ・ヘンリー、ファブリシオ・ヌネスの3人だね。僕らは家族のような関係だった。今、僕はタイにいるから本当に彼らのことが恋しいよ」
──率直に申しまして、タイ以外の国々でムエタイを名乗っても、それは純粋なムエタイ、あるいはタイで見られるムエタイではないことも少なくないです。それはブラジルも含めて、そのような状況だと思われるのですが……。
「確かに皆、ムエタイと言っていても、タイで見られるようなムエタイをこの惑星のタイ以外の国で見ることは困難だよ。タイでは首相撲、ヒザ蹴り、ヒジ打ち、それにパンチとキックが見られて初めてムエタイと見なされる。そして、ジャッジのスコアのつけ方も、これらを踏まえてパワーとテクニックの両面に比重を置いている。ブラジルではパワーばかりが重視されるような裁定基準だった。僕はブラジルで35試合戦ったけどルールもヒジ打ちはおろか、首相撲も禁止、ほとんどK-1ルールのようだったよ」
──ブラジルで何かタイトルは獲得されましたか。
「ノー。ベルトとは無縁だった。ただ、ひたすら試合を繰り返していただけで、ブラジルのタイトルに興味もなかったよ。ブラジルでは今もムエタイといっても、K-1ルールだったりするから、純粋なムエタイが普及するのは難しい環境にある。ただ、サンパウロ州のサントスだけはファイト専用の競技場があって、そこでは完全にタイ式のムエタイが行われているんだ」
──まるでラジャダムナンやルンピニーがサントスにはあるということですね。
「その通り(笑)」
──ところでジョイシーがタイへ移り住んだきっかけは何だったのでしょうか。
「ルシアーノがタイで練習することを薦めてくれたからだよ。タイで初めてトレーニングをした時、『僕は何もムエタイのことなんて分かっていなかった』と感じたんだ。タイ人たちの美しい動きを見て、僕も彼らの一員になりたいと心の底から思った。まるで恋に落ちてしまったかのようにね(笑)。僕としては大きな舞台で戦いたいから、K-1で戦えたらK-1でも戦うよ。でも、プライオリティはムエタイに置いている」
■ ZONE02 対戦カード
<54キロ契約/3分5R>
藤原あらし(日本)
カルロ・パウパッダ(イタリア)
<68キロ契約/3分5R>
ジョイシー・イングラムジム(ブラジル)
メリケン雄人(日本)
<59キロ契約/3分5R>
森井洋介(日本)
マキ・ピンサヤーム(タイ)
<52.2キロ契約/3分5R>
貴・センチャイ(日本)
薩摩サザ波(日本)
<フェザー級/3分5R>
邦博(日本)
TARO(日本)
<68.5キロ契約/3分5R>
虎(日本)
森本一陽(日本)
<63.5キロ契約/3分3R>
吉田敢(日本)
夢・センチャイジム(日本)
<63.5キロ契約/3分3R>
錦和道(日本)
加藤純平(日本)
■ REAL02 対戦カード
<ライト級/5分2R>
ホドリゴ・カポラル(ブラジル)
國奥麒樹真(日本)
<フェザー級/5分2R>
マラッド・エナセリ(フランス)
芦田宗宏(日本)
<ミドル級/5分2R>
ノシュワン・カンザダ(パキスタン)
坂下裕介(日本)
<フェザー級/5分2R>
ライカ(日本)
沙弥子(日本)
<へビー級/5分2R>
カルロス・トヨタ(ブラジル)
矢野啓太(日本)
<ウェルター級/5分2R>
草・MAX(日本)
エリック・マイケル・フォート(米国)
<ライト級/5分2R>
間宮晃仁(日本)
ルイス・オカモト(ブラジル)