【Pan BJJ】ヘビー級はルーカス・レイチ。キーナン&ロ、無差別級では頂点届かず、ファリアが優勝
【写真】かつてはライト級で戦っていたレイチがヘビー級を制覇 (C)IBJJF
11~15日(水~日・現地時間)からカリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターにてIBJJF主催のブラジリアン柔術パン選手権が開催された。世界最高峰の選手達がズラリと顔を揃え、5月の世界選手権の前哨戦というべきこの大会、レポート最終回はアダルト黒帯の重量級と無差別級の模様をお伝えしたい。
<ヘビー級決勝/10分1R>
ルーカス・レイチ(ブラジル)
Def. 20-2
ルーカス・ホシャ(ブラジル)
優勝候補のレイチに対峙したのは、新鋭ホシャ。レイチは開始早々引き込んで得意の脇差しハーフガードに。足を絡めてタックルに移行するような形のスイープであっさり先制した。その後も上から攻めるレイチは、上から飛び込むようにしてバック狙い。これを逃れて上になったホシャが2点獲得して同点。
しかし、ホシャの健闘はここまで。以後ハーフガードを作り直したレイチが十八番のスイープを決めると、その後も大量得点を追加して20-2で完勝した。
<スーパー級決勝/10分1R>
ベウナウド・ファリア(アリアンシ)
Def. 試合せず
レオ・ノゲイラ(アリアンシ)
前日のオープンクラスでも活躍した両者によるクローズアウト。ファリアはこの後、レアンドロ・ロとの再戦が控えている。
<ウルトラヘビー級決勝/10分1R>
アレクサンダー・トランス(UAE)
Def. ヒザ十字
ジェームズ・プロポロ(ブラジル)
トランスは準決勝で、極め業師のルイス・パンザと注目の顔合わせ。パンザの破壊的な足関節攻撃をかいくぐって背後につくなど、ポジションを制して決勝に進出した。決勝では、ヒベイロ兄弟の弟子のジェームズ・プロポロ相手に開始早々引き込むと、そのまま回転してヒザ十字へ。これが一瞬で極まってプオポロはタップ! トランスが僅か十数秒で、プオポロ得意のヒザ十字を逆に極めてみせた。
【無差別級準決勝】注目のキーナン・コーネリアス(アトス)は、準々決勝でレオ・ノゲイラ(アリアンシ)と対戦。優勢に試合を進めたものの、上から腕を取りにいき逃げて上に付かれたノゲイラの動きを──スイープを解釈されてしまう不運もあって敗退。そのノゲイラは、中量級世界最強の男、レアンドロ・ロ(シセロ・コスタ)と対戦。ロがオープンガードからのスイープを決めて見事決勝に進出した。
もう一つの準決勝では、ベウナウド・ファリア(アリアンシ)が最重量級の難敵、アレクサンダー・トランス(UAE柔術)と対戦。必殺のハーフガードからタックルに移行。なんとそこから数分かけて上になり、さらに得意のオーバーアンダーパスを仕掛けて背中に付くことに成功。十八番技を成功させて勝利を得た。かくして決勝はロvsファリアの組み合わせとなった。
<無差別級決勝/10分1R>
ベウナウド・ファリア(アリアンシ)
Def.
レアンドロ・ロ(シセロ・コスタ)
開始早々引き込んだロは、すぐに立ち上がって2点を先制。しかし、ファリアもすぐに必殺のハーフガードで足を絡め、ロの裾を取って低く密着すると、そのままロをリフトするように立ち上がってスイープ、同点に。そのまま低くロの足を押さえつけるようにしてプレッシャーをかけてゆくファリアと、防戦するロの攻防が続く。
やがてロはファリアの右足を掴んで引き寄せることに成功し、そのまま立ち上がってスイープを決める。ならばと、ファリアはまたもやハーフガードを作ると、さらに低く潜ってディープハーフの体勢から返して同点に。そのままロの左腿を抱えこみ、低く片足担ぎ(オーバーアンダー)で抑えたファリアは、ロの左側にステップオーバーしてパスを完成させる。タイトに抑え込んだファリアは、自らの裾を引き出してロの首に廻し、サイドから上四方に移行してのチョーク。これが決まってロがタップ。この2年程超人的な強さを見せつけ、さらに進化を続ける怪物ロを、ファリアが制してスーパーヘビー級と合わせて二冠達成をしてみせた。
昨年は天敵ホドウフォ・ヴィエイラにどうしても勝てず、無念の涙を流したファリアによる偉業達成。モダン柔術全盛の現在だからこそ、長年磨き続けたハーフガードスイープとオーバーアンダーパスによる勝利が輝いていた。5月の世界柔術におけるヴィエイラとの再戦が、ますます楽しみとなって来た。
■Pan BJJ2015アダルト男子黒帯の部リザルト
【ルースター級】
優勝 ブルーノ・マルファシーニ(アリアンシ)
準優勝 カイオ・テハ(ブラザCTA)
3位 芝本幸司(トライフォース)
3位 ファビオ・パッソス(アリアンシ)
【ライトフェザー級】
優勝 パウロ・ミヤオ(シセロ・コスタ)
準優勝 ジョアオ・ミヤオ(シセロ・コスタ)
3位 ジョアオ・オリヴェイラ(チェッキマット)
3位 ハファエル・フレイタス(グレイシー・バッハ)
【フェザー級】
優勝 ジャンニ・グリッポ(アリアンシ)
準優勝 オズワウド・モイジーニョ(グレイシー・ファイター)
3位 レアンドロ・サッジオーロ(BTT)
3位 ヴィクトー・ジェノベーゼ(アリアンシ)
【ライト級】
優勝 JTトレス(アトス)
準優勝 AJアガザーム(グレイシー・バッハ)
3位 ガブリエル・ロウロ(チェッキマット)
3位 アンドレス・ブルノフスキ(アトス)
【ミドル級】
優勝 レアンドロ・ロ(シセロ・コスタ)
準優勝 オターヴィオ・ソウザ(グレイシー・バッハ)
3位 ヴィクトー・エスティマ(グレイシー・バッハ)
3位 ヴィトー・オリヴェイラ(GFチーム)
【ミディアムヘビー級】
優勝 キーナン・コーネリアス(アトス)
準優勝 グットー・カンポス(アトス)
3位 ムリーロ・サンタナ(バルボーザ)
3位 ベドロ・メロ(アトスUSA)
【ヘビー級】
優勝 ルーカス・レイチ(チェッキマット)
準優勝 ルーカス・ホシャ(グレイシー・バッハ)
3位 ティム・スプリッグス(ロイド・アーヴィン)
3位 ホドリゴ・ヒベイロ(G13 BJJ)
【スーパーヘビー級】
優勝 ベウナウド・ファリア(アリアンシ)
準優勝 レオ・ノゲイラ(アリアンシ)
3位 アーバース・サントス(グイゴJJ)
3位 ディオゴ・シウバ(ハイアン・グレイシー)
【ウルトラヘビー級】
優勝 アレクサンダー・トランス(UAE JJ)
準優勝 ジェームズ・プオポロ(ヒベイロ)
3位 エヴァンドロ・ヌネス(サンパBJJ)
3位 ルイス・パンザ(チェッキマット)
【無差別級】
優勝 ベウナウド・ファリア(アリアンシ)
準優勝 レアンドロ・ロ(シセロ・コスタ)
3位 アレクサンダー・トランス(UAE JJ)
3位 レオ・ノゲイラ(アリアンシ)