【UFC FOX05】ネイトの右ジャブに対しベン・ヘンの対抗手段は?
【写真】ライト級最高峰の戦いは、近距離での打ち合い、寝技の削り合い同様に、序盤の距離の取りかたが非常に楽しみな一戦だ (C) GONGKAKUTOGI
8日(土・現地時間)にワシントン州シアトルのキー・アリーナで開催されるUFC on FOX05「Henderson vs Diaz」。メインイベントは大会タイトルにあるように、UFC世界ライト級選手権試合=王者ベン・ヘンダーソンにネイト・ディアズが挑む一戦が用意されている。
この3年間、フランク・エドガーを軸にBJ・ペンとグレイ・メイナード、そしてベン・ヘンの4人しか絡んでいなかったライト級最高峰の戦いで、久しぶりに見られるフレッシュな顔合わせといえる。
サウスポー同士の一戦、オールラウンダーが当然となりつつあるMMAにあってネイトはボクシング+柔術というイメージが強いファイターだ。その柔術はガードから仕掛けに絶対の強さを見せている一方で、ケージ際での払い腰のような柔道流のテイクダウンもピカイチのモノを持っており、テイクダウンやバックを許した攻防ではポジティブな要素は少ない。
一方、レスリング・ベースで今も道着を着たブラジリアン柔術のトーナメントへ定期的に出場しているベン・ヘンは、蹴りという要素を加えても、よりオールラウンダー化が進んでいる。寝技になっても、ネイトの仕掛けを十分に防御する力を持っており、パウンドとポジショニングの連係から、ギロチンという一発も持っている。さらにいえば、ケージレスリングでもネイトを上回っているだろう。
ただし、その密着した状態になるまでのネイトは難攻不落だ。長いリーチを生かした右ジャブから左ストレートとボディフックは強力そのもの。最近ではその接近戦に持ち込んでヒザ蹴りで相手を消耗させるという武器も手にしている。とにかく、あの五味隆典に対し距離を取ることなく打ち勝ったボクシングの強さは絶対だ。
兄ニックよりも、セオリーに近く中間距離でも強さを発揮するネイトに対し、ローやミドルの精度が上がってきた王者ベン・ヘンがどのような初弾を見せるか。エドガー戦で有効だった左ミドルは、サウスポー同士の対戦では主武器にならない。そして、ネイトもまたギロチン系のチョークに絶対の自信を持っているので、うかつにテイクダウンを仕掛けることもままならない。ベン・ヘンのネイトの右ジャブへの対抗手段が何になるのか。打ち合い上等の両者だが、王者が右ローの精度を高め、威力が増していれば、非常に面白い間合い勝負も見られるだろう。
■UFC on FOX05「Henderson vs Diaz」全対戦カード
<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]ベンソン・ヘンダーソン(米国)
[挑戦者]ネイト・ディアズ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
マウリシオ・ショーグン(ブラジル)
アレキサンダー・グスタフソン(スウェーデン)
<ウェルター級/5分3R>
BJ・ペン(米国)
ローリー・マクドナルド(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
マイク・スウィック(米国)
マット・ブラウン(米国)
<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
マイク・イーストン(米国)
<フェザー級/5分3R>
デニス・シバー(ドイツ)
ナム・ファン(米国)
<ライト級/5分3R>
ラムジー・ニエム(米国)
ジョー・プロクター(米国)
<ライト級/5分3R>
イーブス・エドワーズ(米国)
ジェレミー・スティーブンス(米国)
<ライト級/5分3R>
ダーロン・クルイックシャンク(米国)
ヘンリー・マルチネス(米国)
<バンタム級/5分3R>
スコット・ヨルゲンセン(米国)
ジョン・アルバート(米国)
<ライト級/5分3R>
ティム・ミーンズ(米国)
アベル・トゥルジーロ(米国)