【URCC22】凱旋マッチのケリー、体格差に苦しみ抜くも一本勝ち
<フェザー級(150ポンド)/10分2R>
エリック・ケリー(フィリピン)
Def.3R2分10秒 by 腕十字
ブラッド・テリー(米国)
URCCフェザー級王座を返上しノンタイトル戦で、アマMMAとムエタイのキャリアしかないテリーと戦うこととなったケリー。果敢に前に出るテリーは、ケリーより一回り以上大きい。サイドキックを顔面に入れたケリーは、引き続き蹴りを見せ、右ローを蹴り込む。鋭い左ローを見せるケリーは、左のフロント・サイドキックでダウンを奪うがテリーがすぐに立ち上がって組みついてくる。
外掛けでテイクダウンを奪ったテリーだが、背中をつけると同時にケリーがブリッジでトップを取る。クローズドガードのテリー、リング中央で試合が再開されるとケリーが左のパウンドを落とす。テリーはクローズドガードを取って、頭を引き寄せる。動きが少なくなりレフェリーがブレイクを命じる。
右ストレートをヒットしたケリーは、テリーのワンツーから右ハイをブロックするも、体格差がやはり大きいか下がり気味のファイトとなる。と、前蹴りを顔面に蹴り込んだケリーに、テリーの左ローが急所を直撃する。再開後、左を伸ばしたケリーは左ローから左フック、スピニングバックフィストを打ち込む。それでも前に出てくるテリーは、前蹴りから左ジャブを伸ばす。左フックから右ローを見せるテリー。ケリーは左に回りながら左フックを狙う。
ここでテリーの右ストレートがケリーの顔面を捉える。組みついたケリーだが、逆にテリーにロープに押し込まれ、気が付けば右目の上を大きく腫らしている。体格差に苦しむケリーは、右エルボーを放つ。ブレイク後、距離が出来るとテリーの左ハイに右を合せる。右ストレートから左フックと前に出てくるテリー、その右ハイがケリーの頭部をかすめる。
負けじと左ハイをヒットしたケリーは、右ストレートも顔面に打ちこむ。右目が大きく腫れあがったケリーは、眼窩底骨折が心配だ。テリーが体力に任せて前に出るところで初回が終了した。ドクターチェックを受けたケリーが2Rに挑む。
左ジャブから右アッパーで前に出るテリー、ケリーは組みついて左ワキを差し上げてテイクダウンを奪う。しっかりとクローズドガードで固めるテリー、ここもリング中央で再開となる。ケリーは左エルボーを落とし、足がオープンとなるとハーフへ。絞めからバックを伺ったケリーだが、ここも体格差がモノをいい、テリーがバックへ。
前方に落ちながら腕をオーバーフックで極めたテリーに対し、ケリーは腕を引抜いてリング中央で再開すると、ハーフからエルボーを連続で落とす。テリーに潜らせなかったケリーは、首を絞めに掛かるが、ここでも態勢を入れ替えられそうになる。同体で立ち上がった両者、テリーの前蹴りに対し奥足にシングルレッグを決める。とんでもない大きさに腫れあがった右目、ドクターチェックが入らないのが不思議だ。
ケリーは三角絞めを逃れると、再び細かいエルボーをハーフから落としていく。マウントを取った直後に態勢を返され、逆にマウントを奪われたケリーはバックマウントからパンチを受ける。背中が伸びたケリー、絞めこそ許さないが厳しい状態が続く。ここでテリーを前方に振り落としたケリーは、観客の大きな声援を受けてハーフからエルボーを落し続ける。
フリーズ後、リング中央でハーフから試合が再開されると、ケリーは引き続きエルボーを落とす。残り10秒となり鉄槌を落とし続けたケリーは、ゴング後、疲労困憊となった表情を浮かべたが、試合は5分間の延長戦へ。館内はケリー・コールで、エリック・ケリーを後押しする。そのケリーはシングルレッグを仕掛けるも切られ、亀の態勢に。後方にエルボーを入れるも引き込んでパスを許す。足を戻すだけでなく、リバーサルからトップを奪取し、マウントからパンチを連打で落としたケリーは、余力を振り絞り腕十字へ。
右腕が完全に伸びたテリーがタップ。想いもしないタフな試合で辛くも一本勝ちを収めたケリーだが、体格差の怖さを改めて思い知らされた一戦となった。