【WSOF18】強烈無比な右ロー、そして右ストレートを武器にマルロン・モラエスが初防衛戦に臨む
【写真】非UFCファイターのなかでは最強といっても過言でないマルロン・モラエス。強烈無比なローをダナに否定されたジョシュ・ヒルは以下に攻略してくるか(C)MMAPLANET
12日(木・現地時間)、カナダ・アルバータ州エドモントンのエドモントン・エキスポセンターでWSOF18「Moraes vs Hill」が開催される。
UFCに勢力の集中が目立つMMAにあって、WSOFのチャンピオンクラスには──UFCで戦うとどうなるのかという期待のファイターが残っている。その代表格がメインでWSOF世界バンタム級王座の防衛戦を行うマルロン・モラエスである。キャリアは13勝4敗ながら、現在8連勝中。昨年3月にジョシュ・レッティングハウスを破り、同王座を獲得すると、9月には今回の挑戦者ジョシュ・ヒルを相手に初防衛戦を行う予定だった。
このときはヒルの負傷で、代役出場となった体重超過のコディ・ボーリンガーをRNCで下し、いよいよヒルと仕切り直しの初防衛戦を戦うこととなった。ヒルはこれまでキャリア10連勝、WSOFでは昨年7月にマイク・アダムスを4分20秒KOで下している。そんなヒルが最も注目を集めたのは、TUFシーズン18であることは間違いない。クリス・ホールズワースが優勝したバンタム級と、女子バンタム級とTUF史上唯一の男女混合シーズンに出演しているヒルは、ハウス入りこそなったが初戦でマイケル・ウッテンに延長ラウンドにもつれ込む一戦で判定負けを喫している。
エピソード的に特筆すべき印象を残したわけではないヒルだが、そのレスリング能力の高さでハウス入りを果たしたにも関わらず、ウッテン戦の前からダナ・ホワイトから「アルティメット・レスリング・チャンピオンシップじゃないんだ。アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップだ」と、案にスタイル批判をされている。そして、ウッテンにテイクダウンを切られ、ヒザ蹴りから逆に組んで倒されるとエルボーやパウンドを受けて敗れた直後にも「ワンディメンショナルなファイターは嫌いなんだ」と明言していたダナは、ウッテンの勝利に拍手を送っていた。このように業界トップから戦い方を否定された過去があるヒル。とはいっても、戦績が示す通り実力は本物だ。TUFの苦い経験を生かしてか、右のオーバーハンドに磨きを掛けWSOFデビュー戦では迫力のKO勝ちを見せている。
とはいっても──モラエスは非UFCファイターのなかでは別格のファイター。マーク・ヘンリーに鍛え上げられたステップワークから、ロー&右ストレートの威力は同プロモーションのバンタム級では他の追随を許さない。左足前、右足が後ろ。そして、後ろ足がかなり前足と縦軸にあるスタンスから、直線的にローを蹴り込む。横からの蹴りと違いキャッチしづらいだけに、レスラーのヒルとしてはこの右ローだけでもかなり苦しめられるだろう。さらに前足の爪先の向いた方向が内側か外側という違いだけのほぼ同じフォームから、繰り出される強烈な右ストレートは鉄壁の強さといっても過言でない。
加えてパンチと同じスタンスで繰り出される後ろ回し蹴り、さらにはテイクダウンとモラエスの良さを挙げると切りがない。ヒルとすれば、ダナに否定されたワンディメンショナルなレスリング一本槍、距離を詰めてテイクダウン狙いで徹底的に削るのが良策だが……、それにしても前足を削られる可能性は決して低くない。WSOFに置いては強すぎるチャンピオンに対し、ヒルがどのような攻略法を持ち、いかにローに耐えられるかが鍵となる──モラエスが圧倒的な有利な世界戦といえるだろう。
■ WSOF18対戦カード
<WSOF世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] マルロン・モラエス(ブラジル)
[挑戦者] ジョシュ・ヒル(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
アンドリュー・マッキンズ(カナダ)
コーディ・マッケンジー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
マーク・ドラモンド(カナダ)
スペンサー・ジェブ(カナダ)
<ライト級/5分3R>
ギャレット・ナイバケン(カナダ)
ダン・ラリビエール(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
シェーン・キャンベル(カナダ)
デレック・ボイル(カナダ)
<ライト級/5分3R>
ムカイ・マロモ(ジンバブエ)
ホゼ・ロドリゲス(カナダ)
<フェザー級/5分3R>
ハキーム・ドワード(カナダ)
トリスタン・ジョンソン(カナダ)
<ミドル級/5分3R>
マット・ベイカー(カナダ)
アリ・モクダッド(レバノン)
<ミドル級/5分3R>
グラハム・パーク(カナダ)
マーカス・ヒックス(カナダ)