【Interview】PXC勝利、田中路教(02)「勝たないと意味がなかった」
【写真】試合直前、田中路教のこの表情に場内はおおいに沸いた (C) MMAPLANET
17日(土・現地時間)にマニラスマート・アラネタ・コロシアムで開催されたPXC34でラッセル・ドゥワンを破った田中路教。
関係者も絶賛する勝利にも、彼自身は満足をしていなかった。今後の課題が見えた試合、バックステージのドタバタを交え、これからを語ってもらった。
<田中路教インタビュー、前編はコチラ>
――それだけ強心臓の人に尋ねるのも、どうかと思うのですが……。ステージから花道、そしてケージといつもと全く違う光景だったと思うのですが、地に足が着かないようなことはなかったですか。
「特になかったです。会場の広さも気にならなかったですし。観客の声がよく聞こえるなと思って戦いました」
――試合内容としては思った通り? それともソレ以下、ソレ以上だったのか。
「う~ん、試合前は負けることも想定しているので、勝ち負けはいつも五分五分だと思っています。だから、結果が全てなので試合前の予想と違うということはなかったです。ただ、普段通りの動きはできなかったです。
試合間隔、ブランクがあったのが影響したと思います。悔しい気持ちが残る試合です。ダウンもしたし、打撃にビビッてちゃんと動けなかったし。動きのある試合ができなかったことが悔しかったです」
――PXC関係者は絶賛の試合でしたが、何か声はかけて貰えましたか。
「色んな人が話しかけてくれて、また来てよっていうことは言ってもらいました。3試合の複数契約なので、金網と外国人選手と戦っていきたいのでPXCで経験を積んでいきたいです。
ただ、PXC優先なんですが他で試合をすることに関しての縛りはきつくないです。UFCとストライクフォースと契約できれば、こっちの契約は破棄してくれるそうで……。次の試合に関しては、2月か3月にできれば。仕事もしているので、短期間でやって仕事に穴を空け続けることもできないので」
――今回、戦ってみて新たに感じた課題のようなモノはありますか。
「シューティングジム八景の渡辺喜彦会長に今回の試合に、『ストレートに気を付けないといけない。日本人選手は外国人選手のストレートが見えないことが多い。初めて海外で戦う選手は、ストレートを貰ってしまうことが多いから気を付けて』と言われていたんです。
『ストレートを見えるようになる練習をしないとダメだ』って散々聞かされていたのに、自分も貰ってしまったんで。会長も今回の試合が終ったら、八景ジムでしっかりと打撃を練習しなさい、世界で通用する打撃に仕上げてあげるから――と言って下さっているので、ストレートを打てる人と練習をしないといけないと思っています」
――打撃で打ち勝つ必要はなくても、そこの能力が上がることでテイクダウンがタイミングで入れるようになりますしね。
「今日の試合はほぼ力で倒していたので……。以前はタイミングで倒せていたのに、いつの間にか力で倒すようになってしまって」
――ともあれ6戦目にして海外の金網、ヒジ有りで勝つという日本人のキャリアアップ方法として、先鞭をつけることができました。
「勝たないと何も意味がない試合だったので、本当に良かったです。勝負事なので、この先に負ける日が来ることは分かっているんですけど、それが今回でなくて良かったです。今回の試合で負けると、色々と言われてしまうところでしたし。他の試合はあまり見られなかったですけど、ガイ・デルモの相手のような選手とか、そういう選手が出ているイベントなので、しっかりと戦っていきたいです」
【写真】左のPXCバンタム級王者のクリスサント・ピットピットンゲはキャリア4勝1敗だが、強烈なパンチャー。右はフェザー級チャンピオンだがバンタム級転向を示唆しているグアムのジョー・タイマングロ。彼もまた相当なパンチ力を持っており、怖い選手だ(C)PXC
――バンタム級にも荒々しいフィリピン人が出てきたりすることが楽しみですね。
「メインの試合は、MMAにはなっていなかったですけどね(笑)。ちゃんと練習しろって言いたいです。PXCはグアムでも大会を開いているので、フィリピンかグアムで戦っていくことになると思います」