【UFC154】イヴォルブでムエタイを磨くドスアンジョスにインタビュー
【写真】ハファエル・ドスアンジョスは1984年10月26日生まれ、28歳になったばかり。MMA戦績は17勝6敗、UFCでは連敗スタートも6勝4敗まで星を戻している (C) MMAPLANET
17日(土・現地時間)、カナダはモントリオールのベルセンターで開催されるUFC154「GSP vs Condit」。ウェルター級王座統一戦、そしてGSPの1年7カ月振りの実戦で注目を集める同大会に、ハファエル・ドスアンジョスが出場する。
ブラジリアン柔術黒帯ながら、打撃でも強さを見せつけるドスアンジョスは、シンガポールのイヴォルブMMAでマーク・ボセック戦を睨み、ムエタイの習得に励んでいた。かつてMMA反対派だったグレイシー・バッハから生まれたUFCファイターの軌跡と、次戦について語ってもらった。
――どれくらいの間隔で、シンガポールのイヴォルブMMAでトレーニングしているのですか。
「最初に来たのは2010年、それから試合前になるとこっちに来て練習しているよ。イヴォルブにはグレイシー・フュージョン時代からの友人が数多く在籍しているからね。
ソロバベル・ゾロ・モレイラは、一緒に成長したようなものなんだ。僕らはブラジルで子供の頃から一緒に練習してきた仲なんだよ。イヴォルブMMAには、素晴らしいムエタイのインストラクターがいるし、彼らの指導を受けるために、可能な限りシンガポールにやってくるようにしている」
――ホベルト・ゴルド・コヘイアという素晴らしい柔術の指導者が、どのようにMMAファイターを育てあげるか。グレイシーバッハ・コンバットチームやグレイシー・フュージョン時代から注目していたのですが、そのなかでハファエル・ドスアンジョス選手がフューリーFCから台頭し、UFCに活躍の場を移しました。
「まず、僕らのなかでMMAの活動はグレイシーバッハ・コンバットチームという形でスタートを切った。そしてゴルドがグレイシーバッハと別れ、GBCTは解散してしまった。
そこで僕らはハイアン・グレイシーとハウフ・グレイシーと協力し、グレイシー・フュージョンを立ち上げた。でも、フュージョンもハイアンが亡くなったことで活動を停止することになった。
そこでゴルドと弟のハファエル・ゴルジーニョ・コヘイアがチャトリ・シットヨートンのイヴォルブMMAに協力することになった。それから僕らの成長は留まることを知らないよ」
――基本的にドスアンジョス選手はブラジル、米国、シンガポール、どこに拠点を置いているのですか。
「今はカリフォルニアだよ。今のMMAではレスリングを強化する必要がある。だから、2月に米国に移り住んでレスリングを学んでいるんだ。地元ハイスクール・レスリングのチームでも練習している。そしてMMAはハファエル・コルデイロのキングスMMA、打撃は同じくハファエルにブラックハウスで指導を受けている。
ブラジリアン柔術の技術に関しては、12年もブラジルで稽古を続けて黒帯を取得しているから、その技術に関しては問題ないと思っているよ。だからこそ、MMAファイターとしてレスリングの強化が必要だと感じたんだ。
そして、今回のようにゾロやレアンドロ・イッサがONE FCのタイトル戦があるから応援に駆け付けて、11月17日の試合に向けて自分の調整もイヴォルブでしているんだ。マーク・ボセック戦では、ムエタイがとても重要な戦術の一部になってくるからね」
――ボセックはそれこそレスリングと柔術に秀でたファイターですね。
「彼の母国で戦うことになるし、タフな相手だよ。寝技はとても強い。だからこそ、ムエタイが僕にとって大きな武器になる。かつていないくらい、ハードなトレーニングを積んでいるから、絶対にこの試合は落とさない。
イヴォルブMMAではナムサックノーイを初めとする素晴らしいインストラクターに囲まれているからね。イヴォルブは僕にとって、ホームのようなモノなんだ」
――やはり、イヴォルブで指導を受けるムエタイは他のジムでは経験できないものなのでしょうか。
「違うね。ブラジリアン柔術をブラジルで学ぶのが、他の国で学ぶのとは違うように、イヴォルブMMAでは本当のムエタイを学ぶことができる。エルボーなんて、これまで僕が持っていた知識とは比較ならないほど奥深い。UFCでも、ここで習ったエルボーを使って戦えるはずだ。ヒザもそうだね。彼らの持つ膨大な知識のなから、僕にあったヒザ蹴りを指導してくれる」
――ところでイヴォルブでは日本の青木真也選手とトレーニングをしていたのですか。
「僕がこっちに入るのと、シンヤがクールダウンに入ったのが同じ時期だったから、今回は一緒にトレーニングはできていない。ただ、前にやっているよ。シンヤは才能に溢れている。今回はサトル・キタオカと練習した。フューリーで戦っていた頃、彼の試合を見るのが大好きだったんだ」
【写真】柔術クラスでは道着を着た形で、北岡悟とも手を合わせている (C) MMAPLANET
――ところで親友ゾロは、今やドスアンジョス選手と同じ階級で将来的にはUFCで戦いたいと言っていました。
「絶対にゾロと僕が戦うことはない。もし、仮にマッチマイクされたら、二人でお金を分けて、僕が負けるよ」
――それってブラジリアン柔術のフレンドリーファイトと同じ理屈じゃないですか。
「そう、だから絶対にゾロと僕が戦うことはないよ。ゾロの最初の柔術の先生と、僕の最初の柔術の先生が兄弟だったんだ。だから、ゾロとは子供のころからの付き合いなんだ。ゾロはムエタイも凄く強くなっているし、もちろん柔術は強い。アジアで戦っているけど、UFCでも通用するよ。その前に僕はイヴォルブで培ったエルボーを武器に、UFCで戦い続けるよ」
■UFC154「St-Pierre vs Condit」全対戦カード
<UFC世界ウェルター級王座統一戦/5分5R>
[王者]ジョルジュ・サンピエール(カナダ)
[暫定王者]カーロス・コンディット(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ジョニー・ヘンドリッグス(米国)
マーティン・カンプマン(デンマーク)
<ミドル級/5分3R>
トム・ローラー(米国)
フランシス・カルモン(フランス)
<ミドル級/5分3R>
ニック・リング(米国)
コンスタチノス・フィリッポウ(キプロス)
<フェザー級/5分3R>
マーク・ホーミニック(カナダ)
パブロ・ガーザ(米国)
<ミドル級/5分3R>
アレッシオ・サカラ(イタリア)
パトリック・コーテ(カナダ)
<ライトヘビー級/5分3R>
シリル・ディアバテ(フランス)
チャド・リッグス(米国)
<ライト級/5分3R>
マーク・ボセック(カナダ)
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
サム・スタウト(カナダ)
ジョン・マクデッシ(カナダ)
<フェザー級/5分3R>
ホドリゴ・ダム(ブラジル)
アントニオ・カルバーリョ(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
マチュー・リデル(米国)
ジョン・マグワイア(英国)
<バンタム級/5分3R>
イヴァン・メンジバー(カナダ)
アザマット・ガシモフ(米国)
<フェザー級/5分3R>
スティーブン・シラー(米国)
ダレン・エルキンス(米国)