【UFC MACAO】前に出続けた五味、今後に光明差す勝利を勝ち取る
<第6試合 ライト級/5分3R>
五味隆典(日本)
Def.2-1:28-29、29-28、29-28
マック・ダンジグ(米国)
左右にステップを踏むダンジグに、五味は右を伸ばす。距離を詰めつつある五味に対し、ダンジグは右ローを受けて、右へ移動する。距離が近づき、離れ際にパンチを狙った五味は、左から右ボディフックを放っていく。左から右ボディを再び見せた五味だが、まだ距離は詰め切れていない。
「時間言って」と大声で叫んだ五味は、左右のフックを受けたところでボディロックからテイクダウンを奪う。頭を引き寄せられた五味、ダンジグは腰をずらして立ち上がる。右ジャブを連続し、ローを見せた五味は動きが柔らかい。さらに右ローを続け、ダンジグのパンチはステップバックでかわしていく。
ダンジグは左を伸ばすも、五味は慌てずローを蹴り込んでいく。残り40秒、左を受けてなお左右のフックを返す五味だが、残り15秒でテイクダウンを奪われ、パウンドを受ける。珍しくヒールを見せた五味だが、最後にテイクダウンを取られたことで微妙なラウンドになってしまった。
2R、左から右をフェイントで見せた五味、ダンジグも短距離で戦うため、パンチを打ちやすそうだ。オーソから左ボディフックを見せ、組み合いの中でボディを打ち込んだ五味は離れても左を続けて伸ばしていく。すると、五味は距離を詰めてボディフックを放つ。五味はプレッシャーを与え、左ボディから右をヒットさせる。ダンジグのテイクダウン狙いも潰した五味は、右から左を受けても下がらない。
PRIDE武士道時代の五味が戻ってきたような試合展開だが、ダンジグも下がらずワンツーからテイクダウンを決める。ここで背中を見せそうになた五味をハーフから抑え、起き上がり際にギロチンの態勢に入ったダンジグがトップを奪う。起き上がろうした五味は、ややタイトになりかけたギロチンの態勢のまま2R終了を迎えた。
最終回、ダンジグのヒザ蹴りにパンチを合わせた五味が、ガードを取ったダンジグからトップを奪取。ダンジグはフックガードを潰され、背中をキャンバスにつける。ハーフからリバーサルを仕掛けたダンジグに、五味はバランスをキープし細かいパウンドを落とす。潜りから足関節を仕掛けたダンジグ、五味もアンクルに取るが、これを振りほどいてパウンドを落とす。
フルガードに戻したダンジグが立ち上がると、五味はケージに押し込んでヒザをボディに突き上げる。差し返したダンジグに、五味はテイクダウンを狙ったが潰され、バックを許しそうになる。ここで五味は粘りを見せ、胸を合せてケージにダンジグを押し込む。
距離を取った両者、残り1分となり五味はオーソから左を伸ばすが、ダンジグもパンチ打ち込む。テイクダウンを警戒していた五味は、仁王立ちで組まれても倒れず、フックを振り回す。
残り10秒、パンチを受けながら前に出続ける気迫を見せた五味。両者セコンドに肩車され、健闘を称えあう。
結果、ジャッジの裁定はスプリットに分かれたが、五味が判定勝ち。「マカオの観客に感謝しています」と語ったが、観客はブーイングを送った。厳しい展開にも、前に出続けた五味。今後に光明が差す勝利となったはずだ。