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【UFN59】マクレガー、タイトル挑戦への最後の壁=デニス・シヴァー戦へ

McGregor【写真】佇まいから人を惹きつけるモノがあるコナー・マクレガー(C)MMAPLANET

18日(日・現地時間)、マサチューセッツ州ボストンのTDガーデンでUFC Fight Night 59「McGregor vs Siver」が開催される。メインは大会名にある通り、フェザー級の5回戦=コナー・マクレガー×デニス・シヴァー戦が組まれている。

ダナ・ホワイトのマクレガーが勝利すれば、ジョゼ・アルドの持つ世界王座への挑戦権を与えることを認めるという発言もあった、この試合。フランキー・エドガーやチャド・メンデスが活躍する階級で、彼ら2人に勝利していないのにも関わらず、マクレガーには熱い視線が送られ、その熱は高まる一方だ。MMAデビューは2008年3月、つまりまだキャリア5年にも満たないマクレガーは、2013年4月に12勝2敗という戦績でUFC初戦を迎えた。

以来、マーカス・ブリメージ、マックス・ホロウェイ、ディエゴ・ブランダォン、そしてダスティン・ポイエーを破り4連勝。ホロウェイ戦以外は、KO・TKO勝ちを挙げている。その勝ち方も、とにかくインパクトが大きい。オクタゴン初陣では左アッパーを叩き込み、プリメージからTKO勝ち。ホロウェイ戦こそ判定にもつれ込んだが、TUF14ウィナーのブランダォンには左ストレートから右のパウンド、そしてポイエーには左フックからパウンドの連打と対戦相手のランクが上がるのと同様に、より印象的な勝ち方をしてきた。

ポイエー戦後の記者会見ではデメトリウス・ジョンソン、ドナルド・セラーニ、ドミニク・クルーズ、キャット・ジンガーノら錚々たる出席者を脇役にし、記者の質疑応答はマクレガーに集中していた。まるで舞台役者のような独特の言い回しと優れた話術でメディアを巻き込むことにも長けている。7月のブランダォン戦で母国アイルランドのファンを熱狂の渦に巻き込み、9月のポイエー戦では2000人とも3000人ともいえるアイリッシュ応援団をラスベガスまで引き連れていた。

大袈裟でなく、UFC史上最大の国民的ヒーローになりつつあるマクレガーの戦い方は、ボクシングがベースだ。と同時にキック、空手、テコンドー、そしてカポエイラと様々な蹴りを習得し、左右から上中下に多彩な蹴りを入れ、回転系のキックも得意としている。一見、ガードが低く、空手ベースのような打撃にも見えるが、これが彼にとってはMMAスタンダード。右腕を伸ばして距離を測ると、遠い距離から思い切り踏み込んで、左のKOパンチを繰り出すことができる。

加えていうなら、アイルランドの柔術&MMAのパイオニアであるジョン・カバナグから指導を受けた柔術の力も確かで、ホロウェイ戦では浴びせ蹴りから前転し、そのままダブルレッグという奇抜な動きだけでなく、打撃の攻防のなかで見事なテイクダウンを幾度となく決めている。そんな注目度ナンバーワンファイターと対戦するデニス・シヴァーはロシア系のドイツ人。長身&リーチの長いマクレガーとは対照的に、体の厚みはフェザー級でも指折り、どっしりとした体格の持ち主だ。サンボと柔道から格闘技を始め、ドイツ移住後にテコンドーとキックに没頭、ドイツのアマキック王者になっている。

UFCでは07年の4月より戦っており、在籍7年8カ月を数える。オクタゴン戦績は11勝6敗1NC。フェザー級転向後は3勝1敗1NCという結果を残している。マクレガーと戦うには、やはりシヴァーとしては、自分の距離を維持することが何よりも大切になってくる。それはズバリ中間距離から至近距離の間。加えていえば、遠距離から飛び込んでくるマクレガーの左ストレート、中間距離での左アッパーを受けないこと。この動きを察知すれば、下がったり回ると、余計にマクレガーの追い足が勢いづくため、逆に踏み込んで距離を詰めたい。

相当に勇気のいる動きになるが、シヴァーは至近距離のハイキックや、やや遠目の回転系の蹴りも切れる。そして、テイクダウンディフェンスにも長けているので、マクレガーにとって近い距離で戦われると、簡単な相手ではないはずだ。初弾を潰し、距離を潰す。そこからシヴァーの勝機が広がる。

大西洋を挟んで小さなアイルランドと大きな米国のMMAファンを熱狂させているマクレガー、世界に向けた前哨戦。さらにはWEC時代の激闘が三度蘇るベンソン・ヘンダーソン×ドナルド・セラーニ戦など、好勝負必至の対戦が見ものの同大会の模様は、19日(月)正午よりFOXスポーツ&エンターテイメントで生中継される。

■UFN59 対戦カード

<フェザー級/5分5R>
コナー・マクレガー(アイルランド/5位)
デニス・シヴァー(ドイツ/10位)

<ライト級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国/3位)
ベンソン・ヘンダーソン(米国/5位)

<ミドル級/5分3R>
ユライア・ホール(米国)
TBA

<ライト級/5分3R>
ノーマン・パーク(英国)
グレイゾン・チバウ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
カホル・ペンドレッド(アイルランド)
ショーン・スペンサー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・ハワード(米国)
ロレンツ・ラーキン(米国)

<ライト級/5分3R>
ジャン・リーポン(中国)
クリス・ウェード(米国)

<フライ級/5分3R>
パトリック・ホロハン(アイルランド)
シェーン・ハウエル(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョニー・ケース(米国)
フランキー・ペレス(米国)

<フェザー級/5分3R>
チャールズ・ロサ(米国)
ショーン・ソリアーノ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マット・ヴァン・ビヨレン(米国)
ショーン・オコネル(米国)

<フライ級/5分3R>
松田干城(日本)
ジョビー・サンチェス(米国)

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