この星の格闘技を追いかける

【on this day in】12月17日──2005年

12 17 05【写真】美貌の女子ムエタイ戦士ミリアン・ナカモト、今ではちょっとおばさんっぽくなってInvicta FCやカリフォルニアで密かに開催されているムエタイの大会に出場し続けている (C)Isamu Horiuchi

World Championship Muay Thai
@カリフォルニア州イングルウッド、ハリウッドパーク・カジノ
「米国とムエタイはシンクロしない。そんな風にずっと思ってきた。なぜか? 僕のようなオヤジは日本にマーシャルアーツ・ブームを巻き起こした(と勝手に思っている)ベニー・ユキーデが、全くタイ人に敵わなかったという気持ちが強いからだ。映像も見たことない、そして口伝でもない。きっと格闘技雑誌で読んだ活字が、キック史として頭にインプットされているのだろう。2005年、まだMMAがカリフォルニア州でサンクションを受ける前年、柔術の取材でLAを訪れる機会が何度かあったが、その際にタイ人街やアルメニア人街がこの街にあることを知った。そして、エクササイズとしてキックが結構盛んなことも。米国人に全く馴染のないはずのムエタイやキックのプロ興行があると、それが米国という国のパワーなのか、なぜか世界のトップファイターがやってくる。WCMTのメインはスーパーリーグで活躍するタイ人、マライペット・サシプラハーと当時、オランダキック四強の一人と呼ばれていたフィクリ・ティアルティの一戦が組まれた。佐藤嘉洋に勝ったこともあるフィクリを相手に、後にMMAに挑戦するマライペットが完勝している。そして、唯一の女子戦でアミー・ヒシアオからTKO勝ちを収めたミリアン・ナカモトも今はMMAをフィールドとしている。この日の試合会場となったカジノと同じ敷地内といっても良いロケーションにあるLAフォーラムでは、この8年後にK-1の後釜に収まるかと思われたGloryが組織の屋台骨が崩れ落ちそうになる大失敗PPVショーを開催した。今も米国におけるキックやムエタイは、観賞用スポーツとして定着していない」

on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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