【UFC181】世界ライト級戦はペティスの左右のミドル、メレンデスのボクシングとTDの一体化に注目
【写真】9月26日の記者会見でのステアダウン。身長はほぼ同じ、どちらも打たれ強そうな首と鰓の張ったアゴをしている(C)MMAPLANET
6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのマンダレイベイ・イベンツセンターでUFC181「Hendricks vs Lawler II」が開催される。今大会はメインのUFC世界ウェルター級選手権試合ジョニー・ヘンドリックス×ロビー・ローラー以外にも世界戦がもう1試合組まれている。TUFシーズン20コーチ対決でもあるアンソニー・ペティス×ギルバート・メレンデスのUFC世界ライト級選手権試合だ。
王者ペティスにとっては、これが昨年8月に腰に巻いたベルトの初防衛戦となる。負傷欠場、そしてTUF収録と実に1年3カ月も実戦から離れていたこととなる。一方、メレンデスもディエゴ・サンチェスとの殴り合いに競り勝った劇勝から13カ月振りの試合だ。メレンデスはサンチェス戦後の契約更新の際、ズッファとかなり揉め一時はBellatorとの契約が実現しかけた。UFCはこの貴重なライト級のトップファイターを引き留めるために、印籠=TUFコーチ役を使ったというわけだ。
この間、ベンソン・ヘンダーソン、ハファエル・ドスアンジョスらライト級トップファイターの生き残り合戦を高見の見物状態だった両者だけに、どのようなパフォーマンスを見せることができるのか。ブランクは言い訳にはできない。トリッキーな動きも含め、蹴り技を交えたストライカータイプのペティスに対し、長いリーチを生かしたボクシングとテイクダウン&柔術のメレンデス。やはり焦点となるのは、ペティスの蹴りとメレンデスの左ジャブから右ストレートという――やや遠目のディスタンスでの攻防となるか。
前述したトリッキーな蹴り技の印象が強い王者ペティスだが、彼の強味はカポエイラキックやケージを使った攻撃ばかりでなく、左右構えを変え、さらに右でも左でも蹴り技を使いこなし、対戦相手を混乱させる点にある。あのドナルド・セラーニを左ミドルで沈め、王座奪取となったベンヘン戦では、右ミドルを連打し動けなくなったところで腕十字を極めている。
このミドルがメレンデスに有効なのか。また、メレンデスとすればボクシング勝負でなく、かつてのようなクリンチからの削り合いで勝負する可能性もある。ペティスのUFCにおける唯一の敗北=クレイ・グイダ戦では、徹底してケージに押し込まれテイクダウン&スクランブルの攻防で押し切られた。メレンデスならグイダ戦の再現も可能だ。ただし、今のペティスはグイダ戦の時のように簡単にラッシュで掴めることはできないステップワークと、スプロール能力を持つ。
クリンチ勝負か、打撃勝負か――いずれにせよ、メレンデスはまずはスタンドの打撃戦を消化する必要がある。ボクシングとテイクダウンの境目のないファイトで現在の地位を築いたメレンデスに対し、倒せるミドルをペティスがどのようなタイミング、そしてプロセスをもって放つことができるか。挑戦者のジャブと異様に伸びる右ストレート、そしてテイクダウン。王者の間合いと角度を外すスイッチと、左右のミドルキック。この持ち味をいかに出せるのかが、勝負の鍵を握ってくる――複雑なパズルのような世界戦になりそうだ。
■UFC181 対戦カード
<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョニー・ヘンドリックス(米国)
[挑戦者] ロビー・ローラー(米国/1位)
<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] アンソニー・ペティス(米国)
[挑戦者] ギルバート・メレンデス(米国/1位)
<ヘビー級/5分3R>
トラヴィス・ブラウン(米国/3位)
ブレンダン・シャウブ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
トッド・ダフィー(米国)
アンソニー・ハミルトン(米国)
<ライト級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
エイブル・トゥルージロ(米国)
<バンタム級/5分3R>
ユライア・フェイバー(米国/3位)
フランシスコ・リベラ(米国/11位)
<ミドル級/5分3R>
エディ・ゴードン(米国)
ジョシュ・サマン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
コーリー・アンダーソン(米国)
ジャスティン・ジョーンズ(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国/13位)
アシュリー・エヴァンスミス(米国)
<バンタム級/5分3R>
セルジオ・ペティス(米国)
マット・ホバー(米国)
<フェザー級/5分3R>
アレックス・ホワイト(米国)
クレイ・コラード(米国)