【on this day in】12月06日──2007年
【写真】ブラジルのファイトでも、全く動じることなくテイクダウンを軸に自分の試合でTKO勝ちした大塚隆史 (C)MMAPLANET
Fury FC05
@ブラジル・サンパウロ、ジナーシオ・パウロ・ピンヘイロ
「悪気はないのだろうが、言葉使いを知らない──若者だった。ブラジルの知人からグラップリングの大会に『柔術家でない組技選手を探している』と連絡を貰い、ホームページの和訳をするバーターでブラジル行のチケットを用意してもらった。サンパウロではMMAの大会があると聞き、公開計量へ出掛けた。Fury FCのプロモーターは道着メーカー、コラルのヴィトー・コスタ代表で顔見知りだったこともあり、選手と一緒に夕食に招かれた。そこでキャリア7戦目にして、2度目のブラジル遠征を敢行中の敬語を話せない若者に初めて会った。(何も無礼なことはされていない)。しかし、ブッカーの某氏が少しどんくさい(笑)ところもあり──それが2人の人間関係なんだろうけど、某氏に対しては失礼な発言が目立っていた。2年半振りのブラジル訪問に若干の緊張感を持っていた僕とは対照的に、翌日に試合を控えているのにバカバカ食って、何にも動じていない風だった。そしてプロモーターと同門の柔術家ホドリゴ・ルイスから2RTKO勝ちを収めた。まさに怖いモノ知らず──21歳の大塚隆史だった。彼は28歳になった今、恐怖とともに戦っている。怖さを知り、乗り越えようとする者は、怖いモノ知らずの若僧より、ずっと心が強く、腰が低くなっている」
on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。