【Rickson Gracie cup】黒帯はメンデス兄弟の祭典。ハファとギィが2階級で優勝シェア
【写真】無差別級準決勝でハファが見せた脅威のライディング (C)MMAPLANET
24日(月)、東京渋谷区の東京体育館でヒクソン・グレイシー杯国際柔術大会2014が行われ、ギィ&ハファのメンデス兄弟が大活躍。両揃ってフェザー級と無差別級に出場し、フェザー級はシェアでハファが、無差別もシェアでギィが優勝を飾った。
桁外れの強さとは、この日の2人のことを指す言葉なのだろう。まずフェザー級トーナメントに先陣を切って出場したハファは平尾悠人を相手に6分48秒でブラボー・チョークを極め、完勝。そこまでに積み上げたポイントは実に23点だった。続いてギィは韓国から出場したイ・ヘテと対戦し、7分34秒でハファ同様にブラボーチョークを極めるまでに何と37Pも獲得していた。両者揃って、日韓の黒帯を相手にまるでダミー人形に打ち込みをしていたかのような初戦突破となった。
準決勝、ヤギ・ヒカルド・ビセンチを相手にハファはここでも6分34秒に三角絞めを極めるまでに15ポイントを獲得、しかもフィニッシュは飛びつき三角という余裕の一本だった。ギィは日本フェザー級のトップ=塚田市太郎との準決勝では、やや力の入れ方が違ったファイトを展開。塚田も懸命にギィのモダン柔術&ダンスのような腰切りパス狙いに抵抗していたが、最後はラペラを取られ4分37秒、絞めで一本負け。塚田の失ったポイントは12点だった。決勝の兄弟対決は行われず、ハファが1位をギィから譲り受けて優勝が決まった。初戦では2人が示し合わせたように、ポイントを取り続け、残り4分を切ってから一本を狙うというウォーミングアップのような試合運びに、他の階級に出場していた日本人選手、マットサイドの指導者も苦笑いを浮かべるしかなかった。
その他の階級ではライトフェザー級で、先のアジア柔術で吉岡大越えを果たし、世界柔術行きのチケットを手にした加古拓渡が貫禄の優勝。そのアジアで茶帯ライト級を制し、ついに黒帯を巻いたクレベル・コイケもアサダ・トシオ、ヨースキ・ストーという日系ブラジリアンの先輩を倒し、黒帯初陣で初戴冠。特にヨースキ・ストーから、しっかりとテイクダウン、リバーサルを決めるなど、序盤の点の取り合いから後半はポイントを重ねて勝利したことで白木大輔、細川らとの対戦が楽しみになって来た。
迎えた無差別級。ここでもまずハファが最初に登場し、岡本裕士を5分18秒、17-0から腕十字で切って落とし、2回戦へ。ギィはミッドヘビー級やヘビー級で活躍する中村勇太を相手に、体格差こそあれ攻める姿勢を取り続ける。大きな中村がギィの攻撃を懸命に防ぐという流れのなかで20点を積み重ね、最後は7分36秒送り襟絞めでしっかりとタップを奪った。
ハファの2回戦の相手は塚田市太郎。ギィ戦同様、粘りを見せた塚田の周囲を縦横無尽に動き続ける。塚田も懸命に足を効かせ、背中を預けないように戦ったが、ハファはバックマウントから腕狙いへ。頭を跨いで固定し、8分24秒にモンジバカを極め試合は決した。ハファのブロックではATOS柔術の新黒帯マイケル・リエラがスイスのブル・イルキを相手に送り襟絞めで倒すと、ギィのブロックでも、クレベルが平尾悠人の本来持つ回転ムーブを封じ込め、同じく送り襟締めで勝ち準決勝進出を決めた。
そしてリエラはハファに、クレベルはギィに勝利を譲り、ファイナルもギィがハファから勝利を譲られ、準決勝と決勝が見られない無差別級となった。それでも階級から合わせて、ハファは4試合で66点を獲得、ギィは1試合少ない3試合で69点の荒稼ぎ。これだけの強さを見せつけられると、セミファイナルの以降のシェアにも満腹、お腹いっぱいのメンデス兄弟の祭典であった。