【Sambo】世界大会最終日 UFC初陣控えるアリエフがコンバット90キロ制す。日本女子は国別2位の快挙
【写真】女子国別に2位に輝いた日本チーム。松本秀彦監督とともに快挙を喜ぶ(C)MMAPLANET
21日(金)、23日(日)まで3日間に渡り千葉県成田市の中台運動公園体育館の行われた2014 World SAMBO Championship Japan(世界サンボ選手権大会)。最終日、日本代表は金メダルの獲得こそ逃したが、女子80キロ超級で村瀬春香が準優勝、68キロ級で榎谷有里が3位入賞を果たし、女子国別でロシアに次ぐ2位という歴史的快挙を成し遂げた。
連盟が新体制になり、柔道やレスリングと多く交流する路線を敷いたことに賛否両論も見られたサンボ界。しかし、松本秀彦監督は「嬉しいです。選手がどうすれば、心地良く試合に臨めるか。それだけを考えていました。強くなることを考えると、今のやり方になったんです。ピュアサンボも理解できます。ただし、競技なので勝つことも大切。柔道をやっているポテンシャルの高い選手に、技術講習会を重ねた結果だと思います」と安堵の表情を見せた。
ただし、男子については「男子のサンボは柔道のトップクラスを導入しても勝てるなんてことはない──高い壁です。これからです」と、自らが銅メダルを獲得した2008年以来、銅メダルを一つ獲得した今大会を振り返った。
また18年前に東京で行われた世界大会のときには種目自体が存在しなかったコンバットサンボの部にはMMAでも活躍できそうなロシア、中央アジアのコンバットサンビストが多数見られた。コンバットサンボは総合格闘技だが、あくまでもサンボの理念、得点計算に打撃が加わっている。よって蹴りは掴まれて相手が立っている状態で背中から落とされると即一本につながる恐れがあるため、あまり使われないなか──この日、68キロ級を制したカザフスタンのアルマン・オスパノフは果敢に後ろ回し蹴りを見せ、組み付かれてもスプロールするという現代MMAに酷似した動きを見せていた。決勝ではキルギスタンのミルベック・アブジカジロフを後ろ三角で切って落としたオスパノフ。フィニッシュ前には右ストレートでダウンを奪うなど、立ち&極め、そしてテイクダウン防御能力の高さを見せた2014年コンバットサンボ世界王者は、既にMMAでも6連勝中で今後が非常に注目される。
また、強烈なパンチの持ち主のフランス代表セバスチャン・リベビが決勝進出を果たした90キロ級。岡見勇信とも対戦経験があり、修斗やパンクラスのトップミドル級ファイターとして活躍していた竹内出を打撃のプレッシャーで後退させ続け、失格に追い込んだリベビに対し、ロシア代表のスルタン・アリエフはまるで動じない。その突進に右を合わせ、一発でKOし世界の頂点に輝いた。ロシアのコンバットサンボ・アシスタントコーチを務めるイリューヒン・ミーシャによると、「コンバットサンボの選手の70パーセントはMMAで戦っている」ということだが、このアリエフ──実は既にUFCデビューが決まっている。1月24日のUFC FOX14=スウェーデン大会でケニー・ロバートソンを対戦するアリエフ、現役バリバリのコンバットサンボ世界王者としてオクタゴンへ向かう──その初陣に、さらに興味がわいたワンパンチKOだ。