【Pancrase262】田村彰敏をパウンド葬。アンディ・メイン 「僕は第一にマーシャルアーチストである」
【写真】1989年生まれの25歳。田村戦の勝利で戦績を9勝2敗としている (C)MMAPLANET
2日(日)東京都江東区のディファ有明で行われたPancrase262で、国内ではフェザー級初戦となったアンディ・メインが元修斗世界ライト級(※65キロ)チャンピオン田村彰敏をマウントパンチで下した。
<フェザー級/5分3R>
アンディ・メイン(米国)
Def.2R4分34秒by TKO
田村彰敏(日本)
蹴りも織り交ぜた打撃戦から試合に入った両者、田村が組んでケージにメインを押し込むもテイクダウンには至らない。再びスタンドで打撃を散らしつつあるなか、メインがテイクダウン狙いからバックに回り込む。バックマウントからパンチ、RNCと攻め立てたメインが初回を取った。
2R、互いにミドルを蹴り合い、メインの右フック、田村のスーパーマンパンチがヒットする。ケージ際で左ストレートをヒットしダウンを奪ったメインは、組みついて立ち上がった田村に強烈な左ボディショットを打ち込む。田村の首相撲にも左右のフックをボディに入れたメインはケージ際でバックに回れるも、キムラクラッチから腕をはがす。田村はそのまま強引にキムラクラッチを利して、アームロックを仕掛けたがすかされ、引き込むようにガードを取る。
メインはヒザでガードを割り、パウンドを落としながらマウントへ。このままパンチ&鉄槌を連打すると、田村が背中を向けて頭を抱えたところで、レフェリーが試合をストップした。大会終了後のインタビューで、一躍パンクラス・フェザー級戦線でタイトルコンテンダーとなったメインは、大晦日出場もアピールした。
──見事な勝利おめでとうございます。
「凄く嬉しいよ。本当にこの大会に出ることを望んでいたから。これまでの2試合はライト級と一階級重いクラスで戦ってきたけど、フェザー級が本来の僕のウェイトクラスだから、この体重で戦ってしっかりとフィニッシュしたかったんだ。タムラは元修斗のチャンピオンでWECにも出ていた。この試合で、僕がベストの一人であることを見せたかった。キング・オブ・パンクラシストになりたいからね」
──これまでライト級で戦ってきたわけは?
「ABと戦った時は、パンクラスが対戦相手を探しているって友人のナム・ファンから連絡があったんだ。準備期間も短かったし、階級も重かった。でも、ナムは僕がどれだけ日本で戦いたいのかを知っていたし、本当にMMAを始めてからずっと日本で戦うことが夢だったんだ。
1階級重いオファーだったからって、パンクラスで戦う機会を棒に振る気は全くなかった。ただABに勝てたから、次はフェザー級で戦いたかったけど、またライト級でアキラとの一戦のオファーが来た。勝てると踏んでいたけど、タフファイトの末にドローだった。だからマネージャーからフェザー級でオファーが来たというメッセージが届いたときは、本当に嬉しかったよ」
──米国ではMMA人気が堅調なのに対し、日本は厳しい状況が続いてきました。そんな日本で戦うことは、アンディのキャリアのなかでどのような意味を持つのでしょうか。
「僕は第一にマーシャルアーチストであり、第二にファイターなんだ。多くの選手は第一にファイターだけど、僕は小さな頃からマーシャルアーチストだった。19歳からプロとして戦ってきて、人生の一部になっている。日本はマーシャルアーツの母国、パンクラス、PRIDE、日本の大会が僕をファイターとして突き上げてくれた。TUFで戦ったことは、僕の短いキャリアのなかでも非常に大きなモノをもたらしてくれた。でも、日本で戦っていくことは僕にとって最高なこと。殴り合いをファンが楽しみにしていることは分かる。米国では日本のようにマーシャルアーツの部分を理解して楽しんでもらうという状況には至っていない。自分の国で戦うことだって当然好きだよ、でもここで戦うことは格別なんだ」
──ターゲットであるフェザー級チャンピオン、タクミ選手の印象は?
「まだ一つステップを上がっただけだけど、キング・オブ・パンクラシストはタフなファイターだ。オールラウンドで、誰とでも戦える。でも、僕はこの階級ならもっとも力を発揮できるし、日に日に成長している。コーチやマネージャーも変化を見てきた。ハードトレーニングを課しているし、日本に呼んでもらえるなら誰とでも戦う。キング・オブ・パンクラシストという伝説的なベルトに挑戦できる機会を与えられることを願っているよ」
──アンディが日本のMMAを凄くリスペクトしていることが言葉の端々から伝わってきます。そして日本にはさいたまスーパーアリーナというMMAのメッカがあり、今年のニューイヤーイブにはDEEPがここでイベントを開催。パンクラスとの対抗戦も組まれるようです。
「ホントに出てみたいよ。パンクラスからオファーの連絡が来たら、絶対に戦う。もしスーパーアリーナで戦えたら夢のようだね。100パーセント、戦うよ」
──今日は試合後のお疲れのところありがとうございました。最後の読者にメッセージをお願いします。
「MMAを応援してくれて、そしてマーシャルアーツ精神をMMA、日本のMMAに持ち続けてくれてありがとう。これからも引き続き僕に注目してほしい。みなさんに素晴らしい試合をお届けするので。来日するたびに最高の戦いを心がけるから応援してください」