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【UFC179】均衡したラウンドを譲らず、ダウンで決定的なラウンドを作る。顔面腫らしても、アルド快勝

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
ジョゼ・アルド(ブラジル)
Def.3-0:49-46. 49-46. 49-46
チャド・メンデス(米国/1位)

左ジャブから右ローを見せたメンデス、アルドはショートのフック、左ボディフックを見せる。アルドの右に、メンデスも右を返し、左フックでバランスを崩させる。アッパーは空振りになったが、メンデスはまずは打撃勝負を仕掛ける。王者は右ローを蹴り込むが、メンデスも左ローを返す。メンデスは左ストレート、アルドは右ボディストレートを繰り出す。非常に緊張感のある打撃戦のなか、メンデスは左ボディフックを伸ばす。

アルドも左ストレートを伸ばし、ワンツーを打ち込む。距離を取り直したメンデスは、左フックをヒットさせる。さらに左から右を放ったメンデスに対し、アルドは右ローを入れる。アルドの左目に指が入り、試合は中断。再開後、アルドがパンチを振り回しヒザを突きあげる。ここにテイクダウンを合わせたメンデスだが、アルドはすぐに起き上がって左フックでダウンを奪う。パウンドの追い討ちからマウントを取ったアルドはエルボーを入れる。ブリッジからスタンドに逃れたメンデスだが、アルドはそのままパンチで猛攻を仕掛ける。ブザー後に2発パンチを受けたメンデス、特に右ストレートは完全に打ち込まれており、メンデスがケージ際に倒れ込む。この行為に特にペネルティも注意もなく、試合は2Rへ。

スイッチを入れるメンデスは、それほどローを気にせず打撃戦を続ける。左を入れたアルド、組み付いたメンデスがヒザを狙うと、距離が合っておらず爪先がアルドの急所へ。ここでもインターバルが設けられ、再開後にメンデスはスイッチを織り交ぜ、小刻みにステップを踏む。右ミドルを入れたアルド、メンデスは左ハイを空振りしスリップも、すぐに立ち上がる。左を受けたメンデスが、右を返す。アルドは右ボディ、メンデスが右ローを蹴り込む。

右ローに右ストレートを合わせようとしたメンデスだが、アルドはバックステップで間合いを外す。アルドの左ジャブを受けたメンデスのガードが上がる。右フックを入れたメンデス。アルドは左ボディフックを返す。間合いを外したメンデス、腹が効いたか。残り1分を切り、アルドは右ボディストレートを打ち込む。続く右ハイがメンデスの顔面をかすめる。メンデスはオーソからサウスポーにスイッチした直後に左フックをヒットさせた。

3R開始早々飛び込んだメンデスだが、アルドはしっかりと見ている。両者の拳が交錯すると、ここでもアルドは指が入ったとしゃがみこむ。「わざとじゃないと分かっている。でも、2度目だ。気を付けろ」とレフェリーがメンデスに注文する。再開後、パンチの速度が上がったアルドがワンツーフックから、ボディを打ち込む。メンデスも右をヒット、しかし観客の反応は全くない。アルドは左フックからラッシュを掛ける。左ストレートを受けたメンデスが仰け反る。それでも前に出て左ジャブを当てたメンデスの右アッパーを受けて、アルドが下がる。追い打ちをかけるメンデスに右クロスを打ちこんだアルドがダウンを奪う。

立ち上がって組み付こうとしたメンデスにヒザ蹴り、続くシングルを切ったアルドだが、メンデスはダブルからバックに回って大きくリフトアップする。起き上がったアルドの左足の甲をスタンプするメンデスに対し、アルドは胸を合わせてるも、直後にメンデスは左フックを入れた。

4R、サウスポーからオーソと構えを変えるメンデスが前蹴り。右フックをかわしたアルドの左ストレートも空振りに。メンデスは左ボディフック、アルドはややペースを落としたか。メンデスは右アッパーから左フックを打ち込む。回るアルドに左を当てたメンデス、アルドは頭が当たったとアピールも試合は続く。口が開いたアルドにメンデスは左ハイ。アルドは右ストレートを伸ばすと、右アッパーをかわす。左目を気にするメンデスは左アッパーから右フック、アルドは左ジャブから右も、これは空振りに。残り30秒、アルドは左ジャブ、左から右を続け、飛びヒザへ。派手な攻撃は空振りに終わったものの終盤の反撃で、ラウンドを取ろうという巧さがあった。

先のラウンドで体力を温存していたのか、動きが少なかったアルド。ポイントでは不利でも、アルドほど動きは落ちていないメンデス。両手でタッチグローブし、最後の5分へ。メンデスはフックを2つ入れる。アルドの右をかわしたメンデスは左ミドル、直後にダブルレッグでテイクダウンを奪う。アルドが尻を動かすと、腰に手を回したメンデス。ケージを背にした王者が立ち上がる。左から右ストレートを伸ばしたアルドは、ヒザを入れテイクダウンを狙いバランスを崩したメンデスのバックに回る。

残り2分半、起き上がって胸を合わしたメンデスが距離を取り直す。メンデスは左ボディから右アッパー。アルドは右を返す。足が止まり、拳のみを出し合う両者。アルドはワンツーを打ち込み、メンデスも左を返す。ダブルを切ったアルドは、押し返して急所だとアピールも試合は続行される。メンデスの前進をバックステップでかわしたアルドが、メンデスの右フックに自らも右フックを合わせる。続く左を受けたアルドが、飛び蹴りを見せたところで5Rの死闘が終了した。

アルドが失った明確なラウンドは、4Rのみ。2Rと5Rはかなりの接戦だが、アルドが取っていても全くおかしくない。そして、1Rと3Rはアルドはダウンを奪っており、絶対的に取っている。つまり、アルドの王座防衛が妥当かと思われるが──。結果、裁定はジャッジ3人とも49-46でアルドに。左目を大きく腫らした王者は、「パンチを受けたあとにチャンスがあることも分かっていて、逆に打ち込めた。メンデスを尊敬している。ケージではライバルでも、外では友人だ。次? 用意された相手、誰とでも戦う」と語った。

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