【OFC22】初の中国・北京大会に2人の元Legend王者=ジー・シェン&エイドリアン・パン出場
【写真】日本では打撃系のイメージが強かったパンだが、テイクダウンから足関節までこなすウェルラウンダーだ(C)LEGEND FC
22日(月・現地時間)、ONE FCが10月31日(金・同)に中国・北京の国家奥林匹克体育中心(ペキン・オリンピックセンター)、北京国奥中心体育館にてOFCにとって初の中国大会=OFC22「DYNASTY OF CHAMPIONS」を開催することを発表した。
中国全土で1年間に10度のイベント開催を公言していたビクター・クイOFC代表。UFCも開催にこぎつけていない中国本土、しかも首都ペキンで記念すべき第一歩を踏み出すこととなった。この日発表されたのはメインとセミの2試合、メインではLEGEND FCアジア太平洋バンタム級王者だったジー・シェンが、RUFFで4勝1分の戦績を残す同朋ソン・ヤドンと対戦する。
安藤晃司、川那子祐輔、ジャダンバ・ナラントンガラグ、ロブ・リシタなどLFCのトップファイターを悉く獲得しているOFC、もともとLFCは中国本土でTV中継を行っており、非常に理にかなった戦力補充といえる。そして、同大会のセミでは同じくLFCで活躍し、来日経験もあるエイドリアン・パンも同イベントデビューを飾り、フィンセント・ラトゥールと戦うことが今回のリリースで明らかとなっている。
豪州クィーンズランド出身パプアニューギニア育ちのパンはキャリア30戦で20勝8敗2分の戦績を残すベテランだ。06年11月にCage Forceの旗揚げ戦で中原太陽を破り、08年にはフェザー級王座決定トーナメントにエントリーされていた。しかし、同イベントの資金繰りが厳しくなり、トーナメント初戦が外国人対決だったパンは、出場が取り止めとなった悲しい過去を持つ。
その後も豪州MMA界で生き残っていたCFC(CAGE Fighting Championship)や前述のLFCを主戦場として、現UFCファイターのナム・ウィチョルを下しLFCライト級王者に輝いている。そのベルトは11年10月にアジアMMAの歴史に残る名勝負の末、ナラントンガラグに敗れ失ったが、誰もが早期タイトル戦線の復帰を臨んでいた。その後、LFCのイベント開催頻度が極端に落ち、ナラントンガラグから安藤の手に移ったベルトに挑戦する機会は訪れなかった。
LFCとの契約期間中にUFC入りという話もあったが、契約がネックとなりUFC入りを諦めざるを得なかったパンは、37歳を迎えOFCを戦場に選んだ。対戦相手のラトゥールは12日のカンボジア・プノンペン大会でカロス・フォドーに一本負けを喫したばかり。過去OFCではエディ・アングに番狂わせを起こしているが、エドゥアルド・フォラヤンに敗れるなど2勝2敗、1年10カ月振りの実戦復帰のパンの試運転、あるいは現状の実力を確かめるうえでのリトマス試験紙的な試合となる。