【UFC149】UFC4勝1敗ブーシュ×非UFC24連勝中ロンバード
【写真】UFC通算戦績は6勝4敗のティム・ブーシュと対戦する現在24連勝中のヘクター・ロンバード。UFCと非UFC、1勝の格差が確認できる一戦となるか(C)BFC
21日(土・現地時間)にカナダ・カルガリーのスコシアバンク・サドルドームで行われるUFC149「Faber vs Barao」に他プロモーションから大物の風格を持ったファイターが出場を果たす。ベラトール世界ミドル級王座を返上して、UFC初陣を果たすヘクター・ロンバードだ。
キューバ柔道シドニー五輪代表から豪州に亡命、MMAのキャリアをスタートさせ、現在は31勝2敗1NCというとてつもないレコードを引っ提げて、ティム・ブーシュと対戦する。もともとはUFC148でマイケル・ビスピン戦が組まれていたブーシュだが、カード編成の都合で同大会に移行され、さらにビスピンの負傷でロンバードと戦うこととなった。
現在ノーコンテストを挟んで24連勝中のロンバードは、UFC初戦の出来如何ですぐにタイトル挑戦もありえるとダナ・ホワイトが発言したことで、周囲のファイターからは不満の声もあがっている。年々レベルが上がり、どの階級も層の厚さで他の追随を許さなくなったUFCで、同じズッファが所有するストライクフォース以外から、オクタゴンに進路を決めたファイターで、ここまでの高評価を得ているファイターは非常に稀なケースとなっている。
BFC時代にはトレバー・プラングレー、ジェシー・テイラー、ファラニコ・ヴィターレ、ジョー・ダークセン、ジェイ・シウバというUFC在籍経験者をことごとくTKOないし、一本で下しているロンバード。一方のブーシュは2勝3敗で一度はリリースされたものの、再契約を結びつけてからは、2月の日本大会で岡見勇信を下した一戦を加え、UFCで4勝1敗という結果を残している。
戦績と連勝に留意しスカウトしていたズッファだが、最近ではその対戦相手のクォリティにも言及するようになっている。ハイクォリティの相手に勝利を重ねること――というわけだが、UFCとストライクフォース以外で、どこをもってしてハイクォリティとできるのか、線引きはあやふやだ。
結果、○○のチャンピオン、○○のトップファイターという肩書を持つ選手も、UFCで戦績を積み重ねてきた中堅ファイターと対峙した場合、それ以前の戦場で見せていたパフォーマンス、あるいは結果を残すことはできなくなっている。ストライクフォース時代のジェイソン・ミラー、ジェイク・シールズ、そして戦極フェザー級GP出場者たち。誰もが(日本では)UFCの名の無いとされるファイターに苦戦を強いられている。
それだけ厳しい戦いになっているUFC内部で揉まれてきたブーシュと、BFCで連勝を重ねてきたロンバード。その連勝の中で、UFC級ファイターと思われるアレクセイ・シュレメンコ戦では5R判定、強烈な打撃を持つロシア人に対し、徹底したテイクダウンからバックコントロールで勝利をモノにしている。
圧倒的なKOシーンが象徴的なロンバードだが、勝負が掛かったところでポイントメイクもできる。そんな一面が、KOパンチを持つ者同士のブーシュ戦では生きてくるかもしれない。
■UFC149「Faber vs Barao」全対戦カード
<UFCバンタム級暫定王者決定戦/5分5R>
ユライア・フェイバー(米国)
ヘナン・ベラォン(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
ヘクター・ロンバード(豪州)
ティム・ブーシュ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ショウン・ジョーダン(米国)
シーク・コンゴ(フランス)
<ウェルター級/5分3R>
ジェイムス・ヘッド(米国)
ブライアン・エバーソール(米国)
<ウェルター級/5分3R>
マチュー・リデル(米国)
クリス・クレメンツ(カナダ)
<ミドル級/5分3R>
コート・マクギー(米国)
ニック・リング(米国)
<バンタム級/5分3R>
ロランド・デローム(カナダ)
フランシスコ・リベラ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・ペロッシュ(豪州)
ライアン・ジーモ(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
ミッチ・ギャノン(カナダ)
ブライアン・キャラウェイ(米国)
<フェザー級/5分3R>
ダニエル・ピネダ(米国)
アントニオ・カルバーリョ(カナダ)
<ライト級/5分3R>
ミッチ・クラーク(カナダ)
アントン・クィバネン(フィンランド)