【OFC04】ロジャー・フエルタ、アジア初試合もゾロ相手に苦戦は必至
【写真】ロジャー・フエルタ。初となるアジアでの試合はONE FCのマレーシア大会に。新鋭ゾロバベル・モレイラとの戦いは決して楽観視できないが、近距離で戦い続けることができれば勝機は増えてくる。もちろん、首相撲とヒジ打ちには要注意が必要だが……(C) KEITH MILLS
明日23日(土・現地時間)、マレーシアのクアラルンプールにあるスタジアム・ネガラで行われるONE FC04「Destiny of Warriors」。日本から水野竜也&今成正和が出場する同大会は、水野にヘナート・ババルを当てるなど、名実ともにアジア・ナンバーワンのイベントになりつつある。
日本マットに、北米マット界のビッグネームは今年に入ってから一人として来日しておらず、ドメスティックなイベントがメインになりつつあるのとは対照的に、ONE FCではロジャー・フエルタをマレーシアの大会に投入する。
MMAファイターとして、スポーツイラストレーティッド誌のカバーを飾ったフエルタは、人気上昇中のUFCで、ラテン系ファン導入となる大きな役割を果たした。しかし、当時のライト級トップのケニー・フロリアンに敗れた後、映画出演を機にUFCと契約問題で拗れてしまう。絶頂期に1年のブランクを置き、復帰の相手はグレイ・メイナードというお仕置きマッチで完敗を喫し、契約満了となった。
UFCトップ戦線では勝てなかった印象を残し、復活の場にBFCを選択したフエルタ。シーズン2ライト級トーナメントで優勝し、エディ・アルバレスに挑戦というドリームマッチの青写真が描かれていたものの、準決勝でパット・カーランに完敗を喫した。それでもノンタイトル戦でアルバレス戦が実現するも、ローキックを効かされジャブで目を潰され全く抵抗できないまま判定負けという屈辱の結果に。
以降、昨年11月まで実戦を離れていたフエルタは、UWFでウォーマシーンと復帰戦に挑むも、TKO負けと、一時の勢いはない。そんなフエルタの相手はゾロバベル・モレイラ。ゾロの愛称で親しまれているイヴォルブMMA所属のブラジリアンだ。グレイシーバッハの黒帯で、2009年にリオからシンガポールに移り住み、これまでのMMA界にはなかった充実のムエタイ指導者に教えを受け、柔術とムエタイの融合を進めてきた。
キャリアは6勝1敗と、21勝6敗1分のフエルタとは比べるべくもないが、ゾロの経験に等しい過去7戦だけでの戦績を見ると、実にフエルタは2勝5敗になる。当然、それらの対戦相手は世界のトップファイターばかりだが、パンチ主体で相手のテイクダウンを切るスタイルのフエルタは、ゾロを相手にしても決して分のある戦いにはならないだろう。
【写真】ヒザを返すローで、時折り背中も回ってしまうが、フエルタには相当有効だと思われる。パンチに対し真っ直ぐ下がる癖は矯正しておきたいゾロだ(C)MMAPLANET
フエルタの最大の武器であるパンチ力は、前足の踏み込みによって生じるパワーが源になっている。そんな前足をローキックでゾロが削っていけば、その武器も振りの大きな扇風機となってしまう。近づけば首相撲からヒザ、ケージに押し込むとヒジという部分で日に日に成長しているゾロだけに、今の勢いでいえば勝利は射程距離内にあるはず。
ゾロが気をつけたいのは、これまでフエルタのようなパンチのプレッシャーの持ち主と戦った経験がないこと。序盤のフエルタのプレッシャーに負けなければ、ローで削ってスタンドの組みを制し、あるいは足払いで転がしてから、寝技という自分の庭に持ち込み一本も現実的に見えてくる。逆にいえばプレッシャーに負けるようだと、下がったところにパンチを受け、組みから引き込みという尻つぼみのファイトにならないとも限らない。
フエルタの前足にローを入れて、カウンターを受けない――そんなシーンが1Rに複数回見られるようなら、ゾロがフエルタ越えを果たし、世界にその名をとどろかせる格好のステップボードとなるマッチアップだ。
■ONE FC04主な対戦カード
<ライトヘビー級/5分3R>
ヘナート・ババル(ブラジル)
水野竜也(日本)
<ウェルター級/5分3R>
ロジャー・フエルタ(米国)
ゾロバベル・モレイラ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
今成正和(日本)
レオナルド・イッサ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
グレゴー・グレイシー(ブラジル)
アダム・カヨーム(マレーシア)
<ライト級/5分3R>
ブライアン・チョイ(韓国)
アルナウド・ルポン(フランス)
<フライ級/5分3R>
アラムラッド・カラエフ(トルクメニスタン)
ロルダン・サンチャーン(フィリピン)
<フェザー級/5分3R>
ミッチ・チルソン(米国)
AJ・ヴァー(マレーシア)
<ウェルター級/5分3R>
マルコス・エスコバル(ブラジル)
ホドリゴ・プレシャデス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ケク・キムホック(シンガポール)
ピート・デイビス(マレーシア)
<フェザー級/5分3R>
ベ・ヤンクァン(韓国)
エリック・ケリー(フィリピン)