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【Pancrase260】伊藤に快勝、児山佳宏 「それが何だと言われるかもしれないですが、王者になりたい」

Yoshihro Koyama【写真】フィッシュを意識、伊藤戦に臨んでいたという児山(C)TAKUMI NAKAMURA

10日(日)東京都江東区のディファ有明で開催されたPancrase260。第6試合では児山佳宏が伊藤崇文にフルマークの判定勝利を収め、パンクラス2連勝を飾った。

<ライト級/3分3R>
児山佳宏(日本)
Def.3-0: 30-27, 30-27, 30-27
伊藤崇文(日本)

5月にパンクラス初参戦を果たした児山がパンクラスismのベテラン伊藤と対戦した。1R、サウスポーの伊藤が細かい出入りとフェイントから左ハイキックを蹴る。これをキャッチした児山がそのままテイクダウンを奪うと、伊藤の動きに合わせてバックへ。アームロック、巻き込み、足関節を狙う伊藤に対して、児山は斜め後ろから伊藤の足を一本またいでプレッシャーをかけ、鉄槌を落としていく。児山がこの態勢をキープしたまま、初回を終えた。

2R、ここもハイキックを飛ばす伊藤が組みつき、やや引き込み気味にグラウンドで下になる。児山は伊藤が立ち上がろうとしたところで後ろに回り込み、両足をフックせずにバックコントロール。初回ほどパンチを落とせなかったが確実にポジションをキープし、伊藤が立ち上がると外から足をフックしてグラウンドに引き込もうとした。

3R、左のスーパーマンパンチで飛び込む伊藤。児山も右フックを見せつつ、シングルレッグからテイクダウン、バックに回り込む。児山はここまでのラウンドと同じようにバックコントロールし、伊藤も臀部や腿にヒザ蹴り。終盤、亀になってガードを固める伊藤に鉄槌・パンチを連打したが、試合終了のゴングを聞いた。

判定はジャッジ3名ともフルマークで児山、持ち前の圧力・テイクダウン・バックキープを存分に発揮する結果となった。そんな完勝劇だったにも関わらず、試合後の児山は「フィニッシュを狙う練習をやってきたのに安全策を取ってしまった。スパーリングみたいな試合になってしまった」と反省しきり。3戦連続で続いているケージでの戦い方、今後の格闘家としての目標についても語ってくれた。

――先ずは試合を振り返ってもらえますか。

「本当は一本を狙いに行きたかったんですけど、淡々と試合が進んでしまったなという感じですね…」

――スタンドの攻防では伊藤選手のハイキックを受ける場面もありました。

「ああいう攻撃を出してくるのは分かっていたので、頭の中にはありました。ちょっとびっくりしましたけど」

――3R通じて児山選手がバックコントロールする展開でした。ああいう試合を想定していたのですか。

「巻き込みと足関節を警戒しつつ、削ってフィニッシュということを考えていました。やっぱりすぐに極めるのは難しいので、まずは確実に削っていこう、と。でもそれは5分の戦い方で、3分の場合はもっと積極的に仕掛けないといけなかったですね」

――両足をフックせずにバックコントロールすることが多かったと思います。児山選手はあの形の方がキープしやすい?

【写真】フィニッシュには至らなかったが、終始バックを制して試合を支配していた(C)MMAPLANET

【写真】フィニッシュには至らなかったが、終始バックを制して試合を支配していた(C)MMAPLANET

「そうですね。伊藤選手が動かないで亀で止まっていたので、それだったら片足だけを潰しておいて、そこから殴ろうと思いました。でもなかなかフィニッシュに行く場面がないまま終わってしまって……個人的には不甲斐ない試合です。この試合は圧倒的に攻めて、圧倒的に勝つことは前提で、どうやって勝つか、どうやってお客さんに魅せるか、をテーマにしてたんです。でも自分の気持ちの弱さが出て、安全策を取ってしまいましたね(苦笑)」

――児山選手としては反省点の多い試合だったようですね。今年は2月のVTJに始まり、パンクラスで2戦とケージでの試合が続いています。児山選手にとってケージはやりやすいですか。

「リングに比べて円に近いのでサークリングが使いやすいですね。僕は足を止めて打ち合うタイプじゃなくて、どんどん動いてサークリングが使うタイプなので、ケージの方がやりやすいです。今のところケージ際の攻防よりも、足を使えることが自分のスタイルに合っている気がします」

――昨年までは修斗を主戦場にしていて、修斗の世界タイトルが目標だったと思います。今年は国内ケージでの試合にも出るようになって、何を目標に試合をしていこうと考えていますか?

「試合に関してはケージでやっていきたいと思っていますし、自分ももう33歳になって、格闘技で一生食っていけるお金はもらえないと思うんです。そこで僕のモチベーションになっているのはチャンピオンになること。チャンピオンになったからどうなの?と言われるかもしれませんが、僕のモチベーションはチャンピオンになりたいという気持ちだけです」

――なるほど。どのプロモーションでチャンピオンになりたいということはないですか。

「そうですね。今はパンクラスで試合を組んでもらっているんで、このままチャンスをもらえるのであれば、パンクラスでベルトを狙っていきたいです」

――今日の試合はほぼノーダメージでした。

「いやぁ……スパーリングみたいな試合になっちゃいましたからね。練習では3分でも出し切るように動いて、何回もフィニッシュにトライしてたんですけど、それを全く出せなかったです(苦笑)。次の試合が決まれば、そういった部分も見せられるようにチャレンジしたいと思います」

■ Pancrase 260 結果

<ミドル級/3分3R>
荒井勇二(日本)
Def.2R1分21秒 by RNC
エディ・ジョシュア(米国)

<フェザー級/3分3R>
飯嶋貴幸(日本)
Def.2R0分12秒 by KO
杉山和史(日本)

<バンタム級/3分3R>
亮AKB(日本)
Def.3-0: 30-27, 30-27, 29-28
統好(日本)

<スーパーフライ級/3分3R>
小川徹(日本)
Def.2-1: 29-28, 29-28, 28-29
鮎田直人(日本)

<KOPウェルター級王座決定戦/5分3R>
レッツ豪太(日本)
Def.3-0: 29-28, 29-28, 29-28
村山暁洋(日本)

<ミドル級/3分3R>
一慶(日本)
Def.2R1分01秒 by KO
大山峻護(日本)

<ミドル級/3分3R>
近藤有己(日本)
Def.1R0分39秒 by KO
石川英司(日本)

<ライト級/5分3R>
アキラ(日本)
Def.3-0: 30-27, 30-27, 30-27
太田駿平(日本)

<フェザー級/5分3R>
ガイ・デルモ(日本)
Def.3-0: 30-27, 30-27, 30-27
鹿又智成(日本)

<ライト級/3分3R>
児山佳宏(日本)
Def.3-0: 30-27, 30-27, 30-27
伊藤崇文(日本)

<スーパーフライ級/3分3R>
北郷祐介(日本)
Def.3-0: 29-28, 29-28, 29-28
曹竜也(日本)

<ライト級/3分3R>
網潤太郎(日本)
Def.3R2分28秒 by TKO
原昭仁(日本)

<フェザー級/3分3R>
松岡嵩志(日本)
Def.2-1: 29-28,29-28,28-29
TAG(日本)

<第20回ネオブラッドTウェルター級決勝/3分3R>
佐藤天(日本)
Def.1R2分51秒 by KO
林源平(日本)

<第20回ネオブラッドTライト級決勝/3分3R>
アンドリュー・ロバート(米国)
Def.3-0: 30-27, 30-27, 30-27
泰斗(日本)

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