【Metamoris04】逆風吹き荒れるソネン、ガルバォン戦は実現するのか。そして勝負になるのか??
【写真】果たしてチェール・ソネンとアンドレ・ガルバォンの一戦は実現するのか。そして実現した場合、ソネンは一本勝ちを目指してどのようなパフォーマンスを見せることができるだろうか(C)MMAPLANET
9日(現地時間)、カリフォルニア州ロサンゼルスのピーターセン・オートモービル・ミュージアムで行われれるプロ柔術大会Metamoris04。20分×1R、決着は一本勝ちのみというルールを採用し、前回はエディ・ブラボーとホイラー・グレイシーの歴史的名勝負を生み出した同大会、今回のメインはアンドレ・ガルバォン × チェール・ソネン戦が組まれている。
メインとはいっても、勝負論より知名度の高いソネンを使った客寄せ的な意味合いが大きく感じられてしまうのがこのカードだ。柔術界の一大勢力ATOSの総師ガルバォンは、言わずと知れた世界最高峰の組業師。立ち技、パスガード、ガードと全ての面で安定した力を誇り、去年のADCC大会のスーパーファイトではブラウリオ・エスティマをチョークで倒し、世界のグラップリング界の頂点に立った。ギあり柔術においても今年のパン大会で二階級制覇を達成。ムンジアルこそヘビー級決勝で新鋭のフィリッピ・プレギウソ・ペナに僅差の逆転負けを喫したものの、ここ何年も精力的に戦い続け、常に世界トップの位置をキープし続けている。
対するソネンは、度重なるドラッグテストの失敗から先日MMA引退を表明したばかり。UFC番組のアナリストとしての地位も失い、現在その評判は地に堕ちてしまっている。そんなソネンを出場させるという決定をしたメタモリスは、MMAファン、メディアから今までに無い注目を集めるとともに、自らプロ競技イベントとしての品位を落としたという批判も浴びている。それはともかく、もともと無類のレスリング力を誇りながらも、サブミッション対策に穴があるというイメージの強かったソネン。古くはWECタイトルマッチにてパウロ・フィリョの腕十字で大逆転負けを喫し、UFCにおいてもデミアン・マイアやアンデウソン・シウバに三角絞めで一本を奪われている。ただし、最近は一本勝ちを飾る場面も増えて来ており、ブライアン・スタンを肩固めで、マウリシオ・ショーグンをギロチンチョークで仕留めた2試合では圧巻の強さを見せつけた。
普通に考えればガルバォンの優位は動かないこの試合だが、この種の異種格闘技的グラップリングマッチにおいては、レスリングベースのMMAファイターが上のポジションを譲らず、柔術系グラップラーが極め切れないまま試合が終わってしまうことが多いのも事実だ。古くはランディ・クートゥアがホナウド・ジャカレイ相手に、最近ではジェイク・シールズがレアンドロ・ロに20分間極めさせずに試合を終えている。序盤に凄まじい馬力を発揮するソネンが、持久力を高めるEPOの陽性反応を示したという事実もまた、この試合の鍵の一つとなる可能性も否めない。ガルバォンはソネンを仕留め切れるか、あるいはソネンが世界を驚かせることはあるか。清濁合わせ呑みつつ激闘を期待したい――ところだが、大会直前になって2年間の出場停止処分を下しているネヴァダ州アスレチックコミッションがソネンの出場を阻止しようという動きが見られるという話も伝わってくる。
そもそもメタモリス柔術が、コミッションの認可を受ける必要のあるイベントなのか。そしてカリフォルニア州LAで行われるグラップリング・イベントの開催に対し、ネヴァダ州のコミッションがどれだけの権限を持っているのか。不明点が多いが、ソネンが欠場するようなことがあれば、有料ストリーミングなど影響が出るかもしれない。なお、この件に関してメタモリス側からは、日本時間の6日零時時点で。なんら声明は出されていない。
■Metamoris 04 対戦カード
<ノーギ/20分1R>
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)
チェール・ソネン(米国)
<メタモリスへビー級王座決定戦/ノーギ/20分1R>
ジョシュ・バーネット(米国)
ディーン・リスター(米国)
<道着/20分1R>
サウロ・ヒベイロ(ブラジル)
ホドリゴ・コンプリード・メデイロス(ブラジル)
<ノーギ/20分1R>
キーナン・コーネリアス(米国)
ヴィニシウス・マガリャエス(ブラジル)
<ノーギ/20分1R>
ゲーリー・トノン (米国)
キット・デイル(豪州)
<シークレットマッチ/20分1R>
TBA
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