【TUF15】第3週:マルセーロ、ローレンスの拳に散る……
【写真】元シュートボクセの柔術コーチ、そしてホイラー・グレイシーの黒帯クリスチアーノ・マルセーロは、寝技の展開に持ち込むことなくチーム・クルーズのセレクション1番手ジャスティン・ローレンスのパンチに散った(C)UFC
23日(金・現地時間)に、The Ultimate Fighter Season 15第3週がFXで中継され、2試合目となるイリミネーション・ラウンドが行われた。
<ライト級/5分2R>
ジャスティン・ローレンス(米国)
Def.2R3分16秒 by TKO
クリスチアーノ・マルセーロ(ブラジル)
ジェイムス・ヴィックの勝利で次の試合の選択権を握ったドミニク・クルーズが、自らのチームからジャスティン・ローレンスを選び、チームの選択権を譲られたユライア・ファイバーは、瞬時に対応できず立候補を求める。結果、手を挙げる者はなく、ドミニクがクリスチアーノ・マルセーロを選んだ第2週のエンディング。
チーム・フェイバーから誰もファイトに名乗りを挙げるものがいなかったことで、チーム・クルーズに勢いがついた。対照的にチーム・フェイバー勢の間では、「コーチが行けといけば行くのに……」、「なぜ、誰も選ばなかった」、「俺らは相手チームのファイターに勝つ、コーチの仕事は相手コーチに勝つことなのに」という意見が行き交い、ユライアのリーダーシップが早くも疑問視されるように。
ライブファイトに出場することになったホイラー・グレイシーの黒帯マルセーロは、「オールド・スクールとニュー・スクールの戦い」とローレンス戦を評し、ユライアは誰もが寝技狙いを予想するなか、ダーティ・ボクシングを駆使して打撃で対抗するという策を授ける。
一方、クルーズ・サイドのアシスタント・コーチ、エリック・デルフィエロは「動き続けて、左フックでKOできる」と語り、ドミニクは「テイクダウン狙いに合わせたヒザ」を指導。ウィルソン・ヘイスが柔術流テイクダウンの手ほどきをし、迎えたライブ・ファイト――。
距離を取るマルセーロに対し、ローレンスを遠い距離から蹴りやパンチを繰り出すが、クリーンヒットはない。見る時間が長いマルセーロ、ローレンスはパンチからローを出しつつ、テイクダウンを警戒する。
パンチを伸ばしたローレンスを追いかけるマルセーロだが、組みつく距離を作ることはできない。残り2分30秒、マルセーロとしては打撃にテイクダウンを合わせたいところだ。互いの前進をバックステップでかわすなか、ローレンスの前蹴りでマルセーロが尻もちをつく。
続くパンチに組みついたマルセーロが、ヒザを突き上げ距離を取る。試合はスタンドの距離の取り合いが続くなか、手数でローレンスが上回る展開に。マルセーロも前蹴りからローを見せるが、攻撃は単発で組みにはつなげることができず、スタンドの攻防のまま、初回が終わった。
2Rもローレンスがパンチや蹴りで前に出るスタートとなったが、マルセーロが組みつく。テイクダウンはできなかったが、打撃の距離のなかで組みついたことで、リズムを変えることはできるかもしれない。アグレッシブに前に出ようとしたマルセーロから、ウォーレンスが逆にテイクダウンを奪う。
寝技に転じなかったウォーレンスは、スタンドでマルセーロが立ち上がるのを待ち、あくまで距離を取りながら、打撃勝負を心掛ける。残り3分を切って、ウォーレンスの左フックで後方に倒れたマルセーロは、徐々に疲れが目立ち、大振りのパンチが増えてくる。
そして、腰が高くなり、ガードが下がり気味になったマルセーロの顔面をウォーレンスの左が捉え、この一発で勝負が決した。
「アメージング。左フックと、ステップワークを1週間磨き続けてきたんだ。マルセーロは、このなかで最も経験があるレジェンドだ。感謝している」と勝者ローレンスが語ると、敗者は「残念だ。チーム・フェイバーに勝利を捧げたかった。ただ、僕と同じ時期に戦い始めた者の多くが引退したなかで、ここで戦えた。引退はしない。できれば、UFCブラジル大会で戦いたい」とコメントを残した。
次週のマッチアップも選択権を得たドミニクは、自らのチームからセレクション3位のマイルス・ジュリー、ユライア側からはナンバーワンセレクトのアル・イアキンタを選び、ガチガチの潰し合い、直球勝負を仕掛けた。
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