【UFC175】鬼神ホール、足の指骨折も試合続行=判定勝ち
<ミドル級/5分3R>
ユライア・ホール(米国)
Def.3-0:30-27, 29-28, 29-28
チアゴ・サントス(ブラジル)
TUF17ウィナーのホールが、いきなりスピニングバックフィストを見せる。サントスはカポエイラ的な後ろ回し蹴りを放ち、さらに左ローから左ミドルへ。ローの応酬後、サントスが後ろ回し蹴りへ。これをブロックしたホールのスピニングバックフィストは空を切る。サントスはスイッチを繰り返しながら、左右のパンチ、蹴りを放っていく。サントスの左ローに右ストレートを合わせるホールだが、左足を蹴られていることには変わりない。サントスは続く右ローでバランスを崩して背中をマットにつけ、パンチを被弾するもすぐに立ち上がる。
ホールは続いて右ストレートを打ち抜き、サントスがドタバタした動きを見せるようになる。ホールはペースを上げて左ジャブから右ストレート、ワンツーを見せながら前に出ると、左フックがサントスの顔面を捉える。下がるようになったサントス、ノーガードで肩を揺らしながら前に出るホールが後回り蹴りを見せたところで初回が終了した。
インターバル中、ホールの右足の人差し指が折れてか右に曲がっている。ドクターチャックが入るが、本人は試合続行をアピールし2Rへ。左ジャブを伸ばすホールは右のハイキックを見せる!! これは空を切りサントスは引き続け前足にローを入れ続ける。サントスは左ミドルも見せ、右ローへ。ホールは後ろ回し蹴りを放つもクリーンヒットはしない。蹴り足を掴んで倒されたサントス、ホールは一発パンチを入れて起き上がる。
ホールは左ローを見せるも、左ローを切られサウスポーに構える。サントスのハイを被弾しそうになり、オーソに戻したホールの攻撃もなかなか当たらない。残り50秒、サントスのテイクダウンは距離が合わず、ホールが左ローから右ハイ、そして右の後回し蹴りを放つ。サントスも跳び蹴りから、後回し蹴りを繰り出し、回転系の蹴り技がオクタゴンで咲き乱れるような展開に。それでもスピードと切れがあるのがホール、最後もヒットはしなかったが縦回転の回し蹴りを披露した。
足を引きずってコーナーに戻るホール、指は完全に曲がっているが、ドクターの問いかけをセコンドが「彼は大丈夫」と一蹴する。セコンドとファイターの言葉に首を縦に振っているだけでは、ドクターの存在意義を問われるが、ステファン・シュトルーフの出場を認めなかった医療チームは、ホールを3Rに送り出した。
サントスは左の前蹴りから左ミドル、ホールの回転系の動きを見切り、右ストレートにはアウトに回って左フックを放つ。と、スピードをあげたホールが勢いのあるパンチを連続で見せる。クリーンヒットはないが勢いを感じさせるホールのアタックに対し、サントスはここでカポエイラ系の回転蹴りを繰り出すも、空振りに。サントスは直後に右ストレートを顔面に被弾する。引き続き左ローを放つサントスの左ハイをかわしたホールが、右のスピニングバックキックへ。さらに蹴りのコンビネーションを見せたホールは、サントスの蹴りをかわして左ロー、続いてダブルの左ジャブと攻め手を弛めない。
残り1分15秒、サントスのジャンピングハイキックがホールの股間を直撃する。再開後、右足に組みついたサントスがバックに回り込む。腿にヒザを入れるサントスが、後方から左フックを入れる。ホールはキムラロックで後方に投げるも、起き上がったサントスがエルボーからパウンドを入れタイムアップに。足を引きずり、腰をマットに下ろしたホールはようやく痛みを顔に表した。結果はホールの判定勝ち。鬼神のごとき気持ちの強さは称えられるべきだが、スポーツとして負傷が明らかな選手の試合続行を認めたドクターの判断は、首を傾げざるをえない。