【VTJ5th】フライ級T準決勝、扇久保博正×カナ・ハヤット見所
【写真】テイクダウン+トップコントールの強さを見せる扇久保博正。国際戦でいつものような試合を見せることができるか。
28日(土)大阪府大阪市浪速区の BODYMAKERコロシアム第2競技場で開催される「VTJ 5th in OSAKA」。VTJの大阪初上陸となる今大会では、VTJフライ級(125lbs/56.7kg)トーナメントの準決勝2試合が行われる。前回の神酒龍一×シーザー・スクラヴォスに続き、今回は扇久保博正×カナ・ハヤットの見所をお届けしたい。
第8代修斗世界フェザー級(60kg以下)王者・扇久保は昨年3月に堀口恭司に敗れて王座陥落。その後にフライ級に転向し、トーナメント出場を果たした。1回戦ではHEATを主戦場にし、当時10連勝中だった春日井健士を相手に、最初の2Rをテイクダウン&バックコントロールし続けて判定勝ちしている。
一方のハヤットはフレディ・アルティーガとの壮絶な打撃戦を制して準決勝進出を決めた。アルティーガ戦までの戦績は12勝12敗のイーブンだったが、本来フライ級のハヤットがバンタム~ライト級で試合を続けてきたことが戦績に影響している部分は大きい。事実、フライ級に階級に落としてからはアルティーガ戦を含めて3連勝と負けなしだ。
【写真】フライ級では負け無し、パンチの回転数&圧力はフライ級とは思えない迫力だ。
扇久保の武器は春日井戦でも存分に発揮されたテイクダウンの強さ。特にフライ級に階級を下げてからは、テイクダウンがより一層強烈になった印象を残している。その一方で、序盤からテイクダウンを軸に攻撃を続けるスタイルで、1・2Rでポイントを取っていても、3Rに反撃を許してしまうところが見受けられる。ハヤットとの一戦でも扇久保が3R通じてテイクダウン主体の戦い方を続けられるかどうか、そのトップキープ力がポイントとなる。
春日井戦を例に出せば、扇久保はテイクダウン→バックキープ→脱出されてテイクダウン→…という攻防を繰り返した。テイクダウンし続けるという部分では優勢に試合を進められたのだが、何度も春日井に脱出を許し、スタミナをロスした感は否めない。だからこそ扇久保としては1回のテイクダウンでトップキープまでつなげ、出来る限りテイクダウンの攻防に時間とスタミナを使いたくない。
特にハヤットはボクシング主体でパンチ力を生かした打ち合い上等のスタイル。テイクダウンディフェンスに秀でたタイプではないが、思い切りの良さとパンチの破壊力は一発で試合をひっくり返すパワーを秘めている。日本人相手には1・2Rでポイントを取って、3Rは凌いで逃げ切ることが出来た扇久保だが、ハヤットのようにそれまでの展開を気にせず、一発で試合をフィニッシュできる外国人ファイターが相手となれば、リードしたポイントを守りきれない事態も想定しなくてはならない。
そのためにもテイクダウンの攻防でスタミナをロスするのではなく、テイクダウン・アテンプトの回数を減らし、トップキープの時間を長くする。そしてフルラウンド通じて同じペースで攻め続けることが大切になってくる。試合全体の流れを引き寄せるためにも扇久保にはトップキープ力が求められる試合になるだろう。
■ VTJ 5th 対戦カード
<VTJフライ級T準決勝/5分3R>
神酒龍一(日本)
シーザー・スクラヴォス(米国)
<VTJフライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
カナ・ハヤット(米国)
<135ポンド契約/5分3R>
石原夜叉坊(日本)
ジョ・ジュンファン(韓国)
<145ポンド契約/5分3R>
タクミ(日本)
美木航(日本)
<155ポンド契約/5分3R>
佐々木信治(日本)
岸本泰昭(日本)
<135ポンド契約/5分3R>
山本賢治(日本)
中村優作(日本)
<145ポンド契約/3分3R>
ジャックナイフツネオ(日本)
摩嶋一整(日本)
<125ポンド契約/3分3R>
KODO(日本)
伊是名秀宣(日本)
<145ポンド契約/3分3R>
高野明(日本)
鷹亜希(日本)