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【OFC17】ランボー宏輔 「相手が誰だろうとやるしかない」

2014.06.12

Kosuke Suzuki

【写真】これまでのキャリアは全てプロ修斗で積んできたランボー。10勝3敗2分、インタビュー中の本人の言葉にあるように思い切りが大切になる (C)GONGKAKUTOGI

14日(土・現地時間)にインドネシア・ジャカルタのマタ・エラン・インターナショナル・スタジム(MEIS)で開催されるOFC 17「Era of Champions」に日本からランボー宏輔が出場する。

キャリア4年目、初めての海外、初めてのケージ、初めての国際戦でアドリアーノ・モライシュという強豪に挑む――鈴木〝ランボー″宏輔の話を訊いた。

――ランボー選手は修斗を始める前、子供の頃から柔道をやっていたそうですね。

「はい。柔道を小学2年から5年までやって、中3の夏からまた柔道を始めて、高校3年間やりました」

――小5から中3の夏まで、途切れていた理由は?

「周りは野球、サッカー、バスケをやっている人が多くて、柔道をやっている人は少なかったんです。それで他のスポーツをやりたくなったんですよね。小5から野球とバスケ、中学3年間はサッカーをやりました」

――それがなぜ中3で柔道を再開したのですか。

「なんだかまた柔道をやりたくなったんですよね。キッカケは特になく、なぜか『あぁ、柔道をもう一度やりたい』と。そこから高校3年間は柔道部に入っていて、千葉県で2位になったことがあります。卒業してからも、もともと通っていた街道場に2年ぐらい通いました」

――MMAに興味を持ったキッカケは?

「ちょうど高校時代が、テレビでPRIDEやDREAMが放送されていた頃で、『オレ、いけるかな? やってみたいな』と考え始めたんですよ。でも、なぜだか始めるまでには至らなくて、高校を卒業してから針灸の専門学校に行きました。専門学校を卒業して2年ぐらい仕事をしている時に『これは何か違う。オレは総合をやりたい』と思うようになって」

――そこでパラエストラ千葉に入るわけですね。

「とりあえずどこか総合をやれる場所がないかと思って、友達とかに聞いていたんですよ。そうしたら千葉、松戸、柏でやっているジムがあると言われて。最初は総合のジムなら、どこでもいいと思っていました。でも友達から『ちゃんと総合をやれるジムに入ったほうがいい』って言われて、近かったしパラエストラ千葉に入りました」

――ということは、ジムに入る時点では修斗のことも、代表の鶴屋浩さんのことも知らなかったのでしょうか。

「全然知らなかったです(苦笑)。今でもそんなに他の選手のことは知らないんですけど……」

――ベースは柔道でも、プロデビュー以降は、いわゆる“バチバチの打ち合い”をするファイターになりました。

「そうですね。打撃はパラエストラ千葉で初めて習ったんですけど、いざやってみると難しかったです。『あれ、意外と殴っても相手は倒れないな』っていう(苦笑)」

――なぜ殴り合うスタイルになったのでしょうか。

「なぜでしょうね? アマチュア修斗では寝技の展開が多かったんですけど、なぜかプロでは殴り合うように……。特に理由はないんですよ。殴ったほうが、お客さんが盛り上がる。それぐらいですかね」

――そんななかで、練習ではランボー選手がチームメイトの扇久保博正選手を組み伏せるという話を聞いたことがあります。実際、011年5月、越智晴雄戦で最後はKO負けを喫したものの、寝技では相手を圧倒していました。

「いやー、そういう時もあるかもしれないけど、扇久保君は強いですよ。ただ、もともと柔道をやっていたので、組まれても自信があるんです。自分から積極的に組んでいくわけじゃないけど、殴り合っていて相手が組んできたら投げる。だから殴り合える、というのは大きいかもしれないですね」

――とはいえ、リスクを伴うスタイルでもあります。

「そういうスタイルで試合をしてKOされたこともあるし、周りからは『もっとテイクダウンとかいろんなものを混ぜていったほうがいい』とも言われます。だけど最終目標はKOなんです。殴り合っていてもKOするのは難しいことだと分かっているけど、とにかくアグレッシブに攻める姿勢を見せていきたいんですよ」

――なるほど。現在は修斗で5連勝していますが、そこから今回OFCに出場すること、海外の大会に出ようと思ったのはなぜなのでしょうか。

「以前から鶴屋さんに『海外で試合をしてみるか?』と言われていたんです。でも今まで海外に行ったこともないし、『まだまだだろう……』と思っていました。色々と考えていくうちに、海外で試合したいという気持ちになってきたところで来たオファーなので、嬉しかったですね。せっかくの大きなチャンスなので受けました」

――しかも、いきなりメインイベントに出場です。

「それは『自分でいいのかな……?』とは思いましたけど、メインなのは相手が強い選手だからだし、それも自分にとってはチャンスなのかなって」

Adriano Moraes【写真】アドリアーノ・モライシュは戦績10勝1敗、3月には修斗でいえばランボーより格上の元世界チャンピオン漆谷康弘からRNCで一本勝ちをしている。打撃にキレがあり、寝技で仕留めることができる小さなジョゼ・アルドだ(C)OFC

――その対戦相手アドリアーノ・モライシュの印象は?

「映像を見ていないです。情報だけしか聞いていなくて。自分はもともと相手の映像とかは見ないんですよ。相手が誰だろうと、もうやるしかないですから。試合は実際にやってみないと分からないし」

――なるほど。では最後に……なぜリングネームを“ランボー”にしたのですか?

「本名は鈴木宏輔なんですけど、鈴木って名字だとインパクトがないので、プロではリングネームを使いたいと思っていました。そこで“ランボー=強い”というイメージだけで選びました。実は熱烈なランボーファンというわけじゃないんですけど(笑)。でもOFCでは“ランボー”になれなさそうなんですよね。間違いなく銃(モデルガン)は飛行機に持ち込めないと思います(笑)」

――では新天地OFCに、“ランボー”ではなく素顔の鈴木宏輔で挑む、ということで……。

「ハハハ。海外での試合も、ケージも、国際戦も全部初めてなんです。もちろん不安もありますけど、すごく楽しみです。今回の試合はすごく重要な試合になると思いますし、ここから一つひとつ勝っていきたいですね」

■ ONE FC 17対戦カード

<フライ級/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ランボー宏輔(日本)

<バンタム級/5分3R>
フランシーノ・チルタ(インドネシア)
サミ・アミン(エジプト)

<フライ級/5分3R>
ゲヘ・エウスタキーオ(フィリピン)
渡辺健太郎(日本)

<ミドル級/5分3R>
マハムド・サラマ(エジプト)
オング・ラ・エヌサン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ヨハン・ムリア・レゴウオ(インドネシア)
イブ・タン(ニュージーランド)

<フライ級/5分3R>
ジョマンズ・オマンズ(フィリピン)
デェダムロン・KBA(タイ)

<フライ級/5分3R>
ジアーニ・スッバ(マレーシア)
ラルウ・カタラン(グアム)

<ウェルター級/5分3R>
ズリ・シラアワント(インドネシア)
モハンマド・ソトーザデー(イラン)

<バンタム級/5分3R>
デシ・ラハユ(インドネシア)
エラ・タン(マレーシア)

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