この星の格闘技を追いかける

【FOX Sports Presents】日曜午後6時半からUFC Fight Night 40

2014.05.09

Kyoji Horiguchi

【写真】一期倶楽部で培った空手、その軸があることで堀口のMMAは広がりを見せることができる (C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)、オハイオ州シンシナティのUSバンク・アリーナでUFC Fight Night 40「Brown vs Silva」が行われ、日本から堀口恭司が出場する。昨年10月にUFCデビューを果たした23歳の堀口は、2月のフライ級転向初戦を負傷欠場し、7カ月振り2度目のオクタゴンでダレル・モンタギューと対戦する。

5歳の時より空手を始め、高校は名門作新学院へ入学、卒業後は空手で進学も当然考えられたが、MMAファイターを目指し上京。山本KID徳郁を師事しKRAZY BEEに入門した。高校、大学の公式戦で行われる空手は、いわゆるポイント制のセミコンタクト空手で、直接打撃は許されていない。伝統派と呼ばれることも多いスタイルだが、堀口は中学1年のときに生まれ育った群馬県高崎市から、父親のドライブで当時は2時間近く掛かった栃木県足利市にある一期倶楽部という空手道場に入門し、直接打撃を体に染み込ませてきた。

メンホーと呼ばれる防具をつけながらも、顔面への直接打撃を認めた稽古で、鍛え上げられたことで、彼は結果的にMMAでは欠かせることのできない顔面への直接打撃を空手の間合いで修得することができた。今も週に一度、堀口が足を運ぶ原点=一期倶楽部の二瓶弘宇氏の指導は、「身長もリーチもないのだから、いかに遠くから踏み込みを速くするのか」というものだったからだ。

ただ踏み込むだけでない、攻撃したあとで距離を取り直す。この間合いのコントロールをベースに、強烈な蹴りと突きを武器とした堀口は、国内MMA(プロ修斗&VTJ)で11勝1敗という戦績を残しオクタゴンデビューを決めた。当人も認めるように課題は組み技にある。それでも空手で培われた強靭な足腰を武器に、倒されずにパンチを入れる。倒されても立ち上がるというスタイルで、UFC初戦でもダスティン・ペイグをパウンドアウト。晴れ晴れしい初陣を飾った。それでも堀口は、より高みを目指し、弱点克服のために、日本国内を代表する植松直哉の下を訪れる。組技の練度をあげるために、植松に師事し、彼が組技指導を行うチーム・オトコギのプロ練習に参加するようになった。
 
以来、自らのスタイルを崩すことなく、技術的な幅を広げている。組技の防御という部分でノウハウを身につけることで、より思い切った攻撃が仕掛けることができるようになった堀口。モンタギューは打撃中心だが、レスリングも柔術も使いこなすオールラウンダー、かつ慎重やリーチが長いファイターだけに、堀口の総合力が試される一戦となる。一期倶楽部の門を初めてくぐり、直接打撃でボコボコにされた日、「やるしかない」と腹を括った。今も「日本も米国もやることは変わりない。やるしかない」と世界最高峰を目指す。そんな堀口の真価が問われるモンタギュー戦だ。

なお、今大会のメインは2012年2月より、負け知らず6連勝中のマット・ブラウンと、今年2月に佐藤豪則を僅か52秒で下しているエリック・シウバのウェルター級ランカー対決。天性の攻撃能力を誇るシウバが、いかに慎重にブラウンの隙間をついてくるようなファイトに我慢し、対応できるのか。その辺りが勝負の鍵を握ってくる。

この他、エリック・コク×ダロン・クルックシャンクのライト級、ルイス・スモルカ×クリス・カリアソのフライ級など注目カードが並んだ同大会。この模様は5月11日(日)の午後6時半、19日(月)午後10時、22日(木)午後6時より、FOXスポーツ&エンターテイメントで中継されることが決まっている。