【BGMMA】時代錯誤か温故知新かワンナイト8人T=が復活
【写真】デニス・ホールマン、コディ・マッケンジー、ジュカォン・カルネイロ、そして出場が噂されるブロック・ラーソン。現代MMAに蘇ったO.N.E、ワンナイト勝ち抜きトーナメントは、『ワンマッチだったから』とIFがつく戦いになるのも確か試みだ (C)RFC, GONGKAKUTOGI&MMAPLANET
7日(火・現地時間)、オクラホマ州タルサに本拠地を置くBattleGrounds MMAより、6月27日(金・同)にタルサのBOKセンターで開催される8人制ワンナイト・ウェルター級トーナメントにホアン・ジュカォン・カルネイロが出場するという発表があった。
BGMMA では1日(木・同)に「O.N.E ( One Night Elimination)」と名付けられたイベントの開催を、前日にオクラホマ州アスレチックコミッションから許可を得たことで発表しており、ジュカォン以前に出場がアナウンスされていたファイターは、デニス・ホールマン、コディ・マッケンジー、クリス・ハニーカット、ルイジ・フィオラバンティ、ダヴィッド・ミッチェル、ジョシュ・ブライアントの6名。ジュカォンを加え、現時点で7人の選手が決定したことになる。
日本では耳慣れないBGMMAというプロモーション、O.N.Eが5度目のイベント開催となる。昨年7月の第1回大会、10月の2回大会はタルサを南西に100キロほど下ったノーマンにあるサンダーバード・カジノで、1試合と2試合の試合提供を行う小規模な活動を行ってきた。今年1月には同じノーマンのリバーウィンド・カジノで第3回大会を開き、鉄人2世ライアン・クートゥアーを登用。今月17日(土・同)に予定されている第4回大会はタルサの西100キロにあるイーニドのイーニド・イベントセンターで、再度ライアン・クートゥアーがメインに出場(×フランク・パターソン)し、初のアリーナイベントが行われる。
BGMMAの代表はオクラホマ州立大レスリング部時代に3度オールアメリカンに選出され、NCAAを制した五輪金メダリストのケニー・マンデーが務めている。マンデーは1988年ソウル五輪フリースタイル・レスリング74キロ級金メダリストで、92年バルセロナでは銀メダルを獲得、96年のアトランタ五輪まで3度も米国代表を務めている。アトランタの翌年には、MMA黎明期にあって北米MMA界に初めて競技志向を持ちこんだとされるエクストリーム・チャレンジに、バルセロナ五輪の82キロ級の金メダリスト=ケビン・ジャクソンとともに出場し、ジョン・ルイスをTKOで破っている。
その後もMMAを続けたジャクソンとは対照的に、マンデーは同年10月にエクストリーム・チャンレジ首脳が主宰したケージ・サブミッションレスリング大会「The Contenders」で現OFC副社長マット・ヒュームのアンクルロックの前に46秒で下り、MMAとは距離を取るようになった。最近になりフロリダのブラックジリアンでレスリング・コーチに就任後、MMA熱が再燃したのか、タルサ在住のスポーツライター=ブライアン・オルークとBGMMAの活動をスタートさせた。
EXCやストライクフォースのマッチメイカーだったリッチー・チョウも合流したBGMMA。マンデーは、今や奇をてらったと指摘されても過言でないワンナイト8人制トーナメントを復活させ、「ワンナイト・トーナメントは、あらゆるコンバットスポーツのなかでも、心身ともに最もタフさが要求される」と語っている。
賞金5万ドルが賭けられた今大会、初戦&準決勝は5分×3Rでエルボー無し、決勝はエルボー有りの5分×5Rと文字にするだけでも恐ろしいフォーマットが用意され、コミッションもGOサインを出している。そんなBGMMA提供のO.N.E出場選手、最後の一人はブロック・ラーソンという声も聞かれる。出場選手のなかでワンデー・トーナメントを経験しているのはホールマン、ジュカォン、未確定のラーソンを加えたとしても3名。なかでも1日3試合を経験しているがジュカォンとホールマンで、ジュカォンは2006年3月に英国WCFCのミドル級Tでマーク・ホーウィッチらを破ったものの、決勝でレオナルド・ショコラーチに1RTKO負け、1日で7Rを経験している。
一方、ホールマンはハワイのスーパーブロウルの第1回大会=1996年5月(!!)に4人制トーナメントで優勝した後、98年10月にはエクストリーム・チャレンジでシャノン・リッチ、マット・ヒューズらを下し、デイブ・メネー、トム・シュミッツ、ビクター・ハンセカーら当時の俊英8名が出場したトーナメントを制している。ただし、ホールマンの場合は3試合全て1Rで勝利しており、合計試合タイムは僅か3分53秒、ジュカォンの35分には遠く及ばない。
とはいっても何が起こるか分からないのが、ワンナイト・トーナメント。北米ではYAMMA以来といえる規模の大きなプロモーションで行われるようになったO.N.Eだけに、ここに挙げた過去の戦績よりも、勝敗を左右する確率は不確定要素の方が高いことは確かだ。