【OFC15】朴光哲 「集大成じゃないけど、やってきたことを出す」
【写真】すっかりアクの抜けた仙人のような笑顔を見せるようになった朴光哲(C)MMAPLANET
3日(金・現地時間)にフィリピンはマニラのSMモール・オブ・エイジアで開催されるOFC15「Rise of Hero」で、朴光哲が地元のエドゥアルド・フォラヤンと対戦する。
昨年は青木真也戦でOFC世界王座を失い、ヴィシール・コロッサ戦と連敗。3月にアルナウド・ルポン戦でTKO勝ちを収め、1カ月半のインターバルでこの試合を迎えることとなった。ヴィーガンで知られる、戦う仙人=朴光哲の格闘禅問答は試合前日も健在だった。
――ルポン戦の勝利から、1カ月半のインターバルでエドゥアルド・フォラヤン戦を明日戦う朴選手です。
「名脇役ですが、試合なので何があるか分からないので、それなりにナーバスになるってことをルポン戦では学べました。2013年は散々な年だったので、良いスタートを切れました。1カ月半のインターバルは、2007年にCAGE FORCEのトーナメント初戦が3月にあって、2月に修斗で富樫(健一郎)と戦った時以来ですね。あの時は1カ月で戦うのシンドイって思いましたけど、今は減量がないので。
ケガがなくても5月もあるかもっていうことでルポンと戦かったのですが、試合直後にマット・ヒュームから、『次、行ける?』って聞かれて。ホント、ケージから1メートルか2メートル離れたところで、思考力がない時に聞かれて。で、『行きます』って(笑)」
――そして迎えたエドゥアルド・フォラヤン戦です。
「俺は体格的にはフェザー級で戦うべきなんですけど、バスタブもないホテルに泊まるような状況で体重を5キロ落すとか考えると、ライト級で戦うべきだと。ただし、ライト級に留まると、フォラヤンのようなヘラクレスと戦うことになる(苦笑)。そこですよね。筋肉のあるヤツって、計量のときは小っちゃくなっているけど、もうパブリック計量の時でさえ完全体に近づいているでしょうね。
でも、そういう感じで戦う王者はゾロ(ソロパベル・モレイラ)だったんで。ゾロとの試合を経験しているから、そこまで……とは言いつつも、スゲェ筋肉しているから、ちょっと嫌ですよね」
――ファイトスタイル的にはどのように捉えていますか。
「ライト級のチャンピオンになった時に、最初の防衛戦の相手がフォラヤンだっていう話もあったので、その時から多少は試合をチェックしていました。やっぱりガチャガチャのストライカーですよね。弱くはないです。思いっきり打ってくるし……、まぁ対峙してみてどれだけプレッシャーがあるのか。でも、自分のプレッシャーも掛かるとは思います」
――オーソドックスですが、左フックが強い印象があります。日本人ならその姿勢から振ってこないだろうっていう体の強さと。
「リーチは長いッスよね。だから、そういうパンチがアクシデント的に変な風に入っちゃうとか。そういう部分に気をつけたいです。技術的な注意点はないですけど、そういう部分ですね。散打出身で、普通にテイクダウンも狙ってきますしね」
――ただし、テイクダウンディフェンスに気を取られ過ぎて、このところ打撃の迫力は落ちていました。朴選手との試合は、テイクダウンは来ないと踏み、思い切り打撃を振り回してくる可能性もあります。
「それはあると思います、やっぱし。だから自分も、打撃に拘らずにテイクダウンに行ければ良いんですけどね。無理に狙うんじゃなくて、行けるときに仕掛けるのは必要かと思います。それはコロッサ戦もそうだったんですけど、布石にはなるかと。いくらフェイントをいれても、ファッションってばれてしまうので、ホントに狙う必要がありますね」
――同時に朴選手が求める、プレッシャーのある相手に自分の距離が取れるのかも焦点になってくるかと。
「そうですね、集大成じゃないけど、自分のやってきたことを出したいですね。これからの契約を考えると、大切な試合になってくるので。ここで勝つのと、負けるのじゃこれからが変わってくるので。プロなんで、良い条件を勝ち取りたいですからね。次のステップのために大切な試合です」
――フィリピンはフォラヤンの地元です。
「気にしていないです。東南アジア全般そうなんですが、フルーツがメッチャ安いので、ミールマネーがたくさん残って(笑)。東南アジアではフルーツだけで最後の調整をしています。ホテルの部屋がドリアン臭くなるくらい」
――それはセコンドの矢地(祐介)選手が大変ですね。
「ハハハ。ドリアン、食いまくっていますよ。近くのスーパーまで歩いても買ってきた。その距離を歩くだけでも、とてつもなく暑いですけどね。夏が来たって感じです。ドリアンの匂いを嗅ぐと、試合なんだって気持ちになります。まぁ、試合を翌日に控えていると、気持ちは落ち気味ですけどね(苦笑)。俺の試合は夜の10時ぐらいで、ちょうど眠い時なんですよ。そんなことよりも、試合前夜にアリーナでのリハーサルが夜の10時半から11時半までって……どういうこと? それもファイトマネーに含まれているんだし、貰っている分働きます」
――過大な期待はプレッシャーになってしまいますが、期待しています。
「過大な期待してください。しっかりと試合後にカジノに行けるよう戦います。隣のカジノを覗くとルーレットとか、めちゃ楽しそうだし。試合後にルーレットしたいです(笑)」
――では無傷の勝利を挙げないといけないですね。
「もう、コロッサ戦のことは払拭してもらえるよう戦います。俺みたいな三流ファイターは負けないと分からないことがあって。あの試合で負けたけど、得たモノを明日の試合で証明したいです。パンチを貰わないで戦います。信ちゃん(鈴木信達)、上ちゃん(上田将勝)と37歳トリオ、しっかりと結果残します。明日は俺もそうだけど、ホントに上ちゃんには勝って欲しいです」
■ ONE FC 15 対戦カード
<OFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者] 上田将勝(日本)
<ライト級/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
朴光哲(日本)
<フライ級/5分3R>
レイ・ドーヨーゲン(フィリピン)
ジョシュア・アルバレス(グアム)
<フェザー級/5分3R>
川那子祐輔(日本)
ロブ・リシタ(豪州)
<ミドル級/5分3R>
水野竜也(日本)
レアンドロ・アタイジ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
ジェイムス・マックスウィーニー(英国)
クリス・ロクテフ(豪州)
<フライ級/5分3R>
ジアーニ・スッバ(マレーシア)
ユージーン・トケーロ(フィリピン)
<女子フライ級/5分3R>
アナ・フラトン(米国)
アヤ・サイード(エジプト)
<ミドル級/5分3R>
オング・ラ・エヌサン(米国)
マハムド・サラマ(エジプト)
<女子アトム級/5分3R>
ジュジー・ナガオワ(フィリピン)
ジート・トッシ(インド)