【UFC144】UFC2戦目が日本になった日沖発interview
【写真】会見後の写真撮影でも一番端という、らしい位置取りの日沖発。3階級上のミドル級=岡見、一階級下のバンタム級=山本KID徳郁と並ぶと、その背の高さが際立つ (C) MMAPLANET
28日(月)に行われたUFC JAPANの会見で、正式発表された日沖発のUFC第2戦=バート・パラジェンスキー戦。10月29日(土・現地時間)のデビュー戦では、勝利を手にしたとはいえ、多くの課題が見つかった日沖。
2試合目が日本での試合になったこと、そして対戦相手やケージ対策に関し、日本MMA界の至宝がどのように感じているのかを訊いた。
――UFC JAPAN出場が正式発表され、記者会見に列席しました。オファーが届いたのは、いつ頃ですか。
「2週間ぐらい前ですね」
――このオファーは絶対というか……、他の選択肢がある申し出だったのでしょうか。
「絶対ということではなかったと思います。ただ、ズッファの希望としては日本で戦ってほしいというものでした」
――では対戦が決まったバート・パラジェンスキーという相手に関しては、どのような印象を持っていますか。
【写真】バート・パラジェンスキーはUFC137では、ライト級から落してきた者同士の一戦、×タイソン・グリフィン戦で勝利。タイ・グリが体重を落し切れなかったのに対し、しっかりと減量に成功していた(C) MMAPLANET
「決まってから、試合をチェックし始めたのですが、研究しているというほど、しっかりと見ているわけではないです。そんな状態でも、打撃をしっかりと纏めてくる印象がありますし、左フックのカウンターなど、とても巧い選手ですね」
――真っ向から攻めてくるアグレッシブなファイターなので、戦略を駆使してくるジョージ・ループより、勝ち負けは別にして戦いやすそうだという印象があります。
「ループより、向かってきてくれる感じですね。ループは出入りが多い選手だったので。そういう意味では、戦いやすさはあるかと思います。
水垣(偉弥)選手が練習していたチーム・カーラン所属で、どんな選手が尋ねたんですけど、試合後だったからか練習はしていなかったようで、会った時に手足が長かったと教えてくれました」
――ループ戦で苦戦せず、アッサリと勝てていたら、すぐにでもダスティン・ポイエーやエリック・コクとの対戦になっていたことが予想され、そうなるとパラジェンスキーも強いファイターですが、しっかりとUFCで経験を積むことができる相手になったような気がします。
「そうですね。金網での経験を積み、UFCにおける戦い方を覚えて行かないといけないと思っているので。いきなりタイトルを狙っていくのではなく、しっかりと経験を積んでいこうと思っていたところでのオファーだったので、そういう点を踏まえると良い相手だと思います」
――ケージ対策がやはり必要だと思うのですが、ループ戦以降、どこか練習の仕方を変えたという部分はありますか。
「今は大きく変えているということはありません。試合が終わってから、1週間はノンビリして。次の1週間はトレーニング・パートナーの久米鷹介が、パンクラスで試合(※11月27日に、花澤大介にリアネイキドチョークで一本勝ち)があったので、彼の練習に付き合っていたので。
イメージの部分で意識はしていましたが、練習内容は久米のことがあったので、大きく変わってはいないです」
――ケージに関しては、所属するALIVEの本部道場に設備を整えるという案も挙がっているようですね。
「ハイ、社長(鈴木陽一ALIVE代表)がそんな風に思ってくれているみたいで、練習生のみんなも、そのために道場に寄付してくれるって言ってくれたり。
ただ、ケージをジムに導入することが大切なのではなくて、UFC、ケージに必要なトレーニングをすることが重要になってくるので、ジムにいてレスリングでそこまで攻めてくることができる練習パートナーが少ないのであれば、それは単なる出費になってしまいます。
【写真】6月のモントリオール、トライスタージムで練習ではGSPと金網を使った打ち込みも行った(C)MMAPLANET
なら、自分が一人で海外に行って、ケージの熟知した選手たちと向こうで経験を重ねる方が、周囲に負担を与えないという見方もあるので、慎重に考えていきたいです。
海外で作られたケージを買って輸入する、部分的なケージを日本で作ってもらう、あるいは海外に出ていって学ぶ、色々な方向を探っています」
――それだけ真剣に取り組む必要があるということですね。岡見勇信選手のメイン・コーナーマンである磯野元(頂柔術代表)さんとも、メールのやりとりをしたと伺っています。
「ハイ、凄く参考になることが多かったです。ゴング格闘技の記事(※磯野元氏が、ケージ際でのテイクダウンの攻防、グランドでのエルボーを使っての削り方を実演)、もちろん読ませていただきましたし、可能な限りたくさんの人に話を聞いて、チョイスしていきたいと思います」
――ところで、かなりの想いでUFC、北米での挑戦を決め、ようやくスタートを切った直後に日本での試合になったことに関して、改めてどんな思いなのか、教えていただけますか。
「正直、日本で試合をするなら、海外で色々と経験を積んでからという形の方が望ましかったです。でも、せっかくUFCが日本で開催され、定期的に行われるかどうかも、2月の大会に掛かってくると思うので、ポジティブに良い機会だと捉えています」
――今日は名古屋へトンボ返りという慌ただしいスケジュールのなか、ありがとうございました。
「いえ、ありがとうございます。次の試合に向けて、頑張ります」