【UFC LIVE5】ベン・ヘン、ミラーから予想を覆す完全勝利
<ライト級/5分3R>
ベン・ヘンダーソン(米国)
Def.判定3-0
ジム・ミラー(米国)
サウスポー同士の対戦は、スピーディな右ジャブの交換で始まった。ミラーが右ボディストレートを放ち、徐々に距離を詰めていくと、パンチ、右ローでプレッシャーを与えたが、ベン・ヘンも右を放っていく。
初めての組み合いでは、ベン・ヘンがミラーをケージに追い込むが、これをミラーが押し返し、珍しいオクタゴン中央でのレスリングが続く。すると、ムエタイ流の立ち肩固めからミラーがベン・ヘンの背中に飛び乗っていった。
やや苦しげな表情を浮かべながら、最終的にはテイクダウンを奪うようにトップを取ったベン・ヘン。ミラーはラバーガードを見せるも、グラウンドに居座るつもりはないようで、すぐに立ち上がる。
その際にハイキックを見せたベン・ヘンが背中に回ると、ミラーはキムラアームロックへ。再びその態勢のまま、テイクダウンを奪ったベン・ヘンはパウンドを落とす。ギロチンも逃げられ、上を取ることができないミラーは、足関節狙いもパウンドを受け、劣勢のイメージを残して1Rを終えることになった。
2R、前蹴りを二つ見せたベン・ヘンが、右ストレートを伸ばす。ミラーは右フックを返し、さらに大きな振りの右を見せるが、ベン・ヘンはエルボーから両ワキを差してテイクダウンを奪う。
ガードを取ったミラーは、右目尻をカットし流血している。ミッションコントロールから、再びヒザ十字を狙うミラーだが、ベン・ヘンはエルボーからパウンドを連打。ここでヒザ十字を仕掛けたミラーだが、ベン・ヘンは足が伸びても尚、向きを変える。同時に立ち上がったミラーだが、トップは奪えず、ヒールフックへ。
ベン・ヘンは強烈なパウンドから、立ち上がったミラーをダブルレッグで倒す。立ち上がり、アームロックと徹底して関節を狙うミラーだが、ポジションを奪っていない捨て身の技のように感じられなくもない。
しっかりと腕を引き寄せ、クラッチを解いたミラーは、エルボー、パウンド、肩パンチと動きを止めない。懸命に足を取りに行くミラーに対し、ベン・ヘンはパウンドを落とし続けて、2Rを終えた。
最終回、2R分のビハインドを背負ったことが濃厚なミラー。ベン・ヘンは観客を煽り、さらに気分を高揚させる。そんなベン・ヘンのローに、右フックを合わせるミラーだが、ベン・ヘンが右ジャブ、ローキックで跳ね返す。
ローキックでバランスを崩したミラーだが、右をヒットさせ押し込むようなダウンを奪う。すぐに組みつき、テイクダウンを取り返したベン・ヘンは、振りの大きなパウンドからバックマウントへ。
ミラーは立ち上がると、前方に一回転するが、ベン・ヘンはしっかりとポジションをキープし、リアネイキドチョークからパンチ、エルボー。自らサイドに戻ったベン・ヘンは、潜ってくるミラーに容赦ないエルボー、パンチを落とし続ける。
残り1分、尻もちをつきケージを背にしたミラーは、再び背中をキャンバスにつけパウンドを受けると、組みつきに行く。ここでギロチンを見せたベン・ヘンは、最後の5秒でスタンドに戻り、打撃戦のなかで試合終了を迎えた。
予想を覆し、ミラーを圧倒したベン・ヘン。WEC最後の大会で王座を失い、遠のいたUFC王座挑戦の機会を再び手繰り寄せる3-0完全勝利となった。