【UFC】日沖発、Zuffaと契約完了。そのプロセスは――
UFC公式ブログで、日沖発がズッファと契約を果たしたという情報がアップされた。正確には日沖サイドの渉外担当から、契約書をズッファに送ったのは25日(土・現地時間)になった直後、LA時間の零時過ぎのことだった。ここでは、その契約に至った経緯を分かる範囲でお届けしたい。
【写真】2007年から日沖獲得を目指していたズッファ。ストライクフォースのマッチメイカーとなったショーン・シェルビーと日沖、UFC131の公開計量後のツーショット。ジョー・シルバは2月に、非公式だが、「ハツと契約できるまで、新しい日本人と契約することはない」という発言もしていた (C) MMAPLANET
UFC131からStrikeforceの間の1週間、カナダ&米国テキサスに滞在していた日沖。この間に彼とズッファの交渉が持たれたという見方がされているが、彼本人ではなくマネージメントサイドとズッファが交渉を続けていたことになる。正式な交渉開始は、実に17日(金・同)のストライクフォース計量直後で、実動日数でいえば5日間で契約に至ったことになる。
日沖がUFC131の観戦を決意したのは、当然、UFC参戦を睨んでのこと。実際の雰囲気を知りたいという希望で、自ら以前より幾度となく日沖獲得へ動いていた元WECマッチメイカーのショーン・シェルビー、そしてUFCマッチメイカーのジョー・シルバに観戦したいという連絡を取った。
ズッファサイドは日沖にケージサイド2列目のVIPシート(前列にはギルバート・メレンデスとジェイク・シールズのシーザー・グレイシーコンビが観戦)と、会見場への出入りが認められたバックステージパスを用意することを約束し、交渉については「ハツがどこかと契約していないなら話し合いたい。契約下にあるなら、純粋にUFCを楽しんでもらいたい」という粋な返答が届いていた。
その後、修斗王座の返上、SRCとの契約解除という手続きを完了させた日沖サイドだが、本人はマネージメントを、中学生の頃から行動を共にしてきたALIVEの鈴木陽一氏を交えた形で行いたい意思を持っており、その態勢づくりを終えてから交渉に当たる予定だった。
6月10日、バンクーバー・ダウンタウンで公開計量を行ったズッファ。同計量後、日沖が米国サイトのインタビューを受け、その動画でも語っているが、彼自身は「UFCで戦いたい」という意思を伝えるつもりで計量会場に足を運んでいた。そして、シェルビー自らが計量後に日沖の下を訪れ、チケットを手渡すと、インタビュー同様にその意思を伝えた。
マネージメント態勢を整えてから交渉に挑みたいという日沖に対し、シェルビーは「試合を決めるマネージャーと、スポンサー関係との交渉に当たるマネージャー、二重の態勢を作るべき」とアドバイスを送っている。
その後、カナダ滞在期間中に鈴木氏と意思疎通を図った結果、米国在住の旧知の人物を渉外役とし、マネージャーは鈴木氏、そしてPR関係はディアズ兄弟のマネージメントを務めるIridium Sports Agencyとマネージメント契約が結ばれる運びとなっている。
「秋ごろには――」という日沖の希望もあるが、契約は果たしたものの対戦相手と日時はまだ未定。10月8日ヒューストン大会、あるいは10月29日のラスベガス大会でのUFC初陣となる公算が高いようだ。