【KNOCK OUT68】カーライルとUNLIMITED戦。鈴木悠斗「上から下から横から、どこからでも殴る」
【写真】少しヤンチャな雰囲気もありつつ、受け答えは丁寧な鈴木。カーライルを相手にKO復活なるか(C)SHOJIRO KAMEIKE
9月5日(土)、横浜市中区の横浜武道館でKNOCK OUT68「KNOCKIN’ on the WORLD」が開催。UNLIMITEDルールで鈴木悠斗がスパイク・カーライルと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
現在20歳のMMAファイター鈴木は、2023年7月にパンクラスでプロデビューすると6連勝を収める。初戦こそ判定決着であったものの、2戦目から5連続KO勝ちをマークした強打者だ。しかし昨年7月、ラファエル・バルボーザに初黒星を喫すると、その後は1年間のブランクをつくることに。復帰の舞台にKNOCK OUTのアンリミテッド・ルールを選択したハードパンチャーは、強豪スパイク・カーライルを相手に「上から下から横から、どこからでも殴る」と言い切った。
何が最強なんだと考えたら、立っても寝ても殴れるMMAかな、と高校に入ってから始めました
――鈴木選手はプロデビュー以来パンクラスで戦っており、今回がKNOCK OUT初参戦、まずはアンリミテッド・ルールに臨むこととなった現在の心境を教えてください。
「前回の試合(※昨年7月、ラファエル・バルボーザに一本負け)から1年が経ちます。復帰戦はMMAでも良かったんですけど、自分は前回の試合で拳を怪我してしまって。手術してリハビリにも結構時間が掛かってしまったんですよ。体重も増えていたし、『いろいろと試してみるつもりでアンリミテッド・ルールも良いんじゃない?』と館長(※塩田GOZO歩パラエストラ八王子代表)から言われて、僕も『出てみます』という流れですね」
――SNSには入院してベッドの上にいる写真が投稿されていました。あれは拳の負傷が原因だったのですか。
「そうです。これが手術痕なんですけど……」
――痕を見ると、大きな手術だったようですね。
「試合が終わって病院に行った時に『少し様子を見ようと』と言われて。それでもう一度行ったら、すぐ手術することになりました。そこからリハビリに時間が掛かっちゃったんですよね」
――手術痕とともに、中指のナックルだけ大きくなり、皮がめくれていることにも驚きました。
「これですか、アハハハ。めちゃくちゃミット打ちとかやっています」
――しっかりと中指のナックルを点で当てている証かと思います。
「はい、ここを当てることは意識しています。ジムに入った当初は小指が当たって怪我したりしていましたけど、プロになってから打ち方を意識するようになりました」
――先ほど『体重が増えていた』というお話がありました。これは正直なところ、KNOCKOUTサイドから対戦カードが発表された時、鈴木悠斗選手だと気づきにくかったです。
「アハハハ!! それはそうなりますよね」
――試合時からは想像もつかないほど体が大きくなっていて……、これまでも減量前は体が大きかったのですか。
「普段から試合がない時は90キロいかない程度に抑えていますけど、今回は入院とかリハビリがあったので110キロまで増えちゃったんです。そこから減量をスタートしました」
――えぇっ!!
「自分は普段から、ごはんを食べるのが大好きで。だから気づけば90キロ近くまで増えているような感じなんです。でもプロとして計量をクリアすることは当然なので、いつも減量も頑張っています」
――なるほど。そんな鈴木選手は現在20歳で、格闘技を始めたキッカケは何だったのでしょうか。
「中学の友達に格闘技を好きな人がいて、当時は皆でキックボクシングを見ていました。ただ、キックボクシングはダウンを奪ったあり倒したあとに攻めることができないじゃないですか。もちろんそれはそれで面白いけど、どうせやるなら最強になりたいなと思って。じゃあ何が最強なんだと考えたら、立っても寝ても殴れるMMAかな、と高校に入ってから始めました」
――相手を倒したあとに殴りたい、と。
「当時は最強になりたいという厨二秒だったので(笑)」
ウチは父親が厳しい人間で、アマチュアのデビュー戦は『負けたら格闘技を辞めさせる』と言われていました
――アハハハ。それが厨二秒なのかどうかは分かりませんが、そこからパラエストラ八王子に入門したのですか。
「調べたら通える距離にMMAのジムがあって、パラエストラは名門だし、青木真也さんもコーチをしていて『ここに入ろう』と決めました」
――そしてまた、GOZO代表とは全く異なるスタイルのMMAファイターが育っていくことになるのですね。
「そうですよね(笑)。パラエストラ八王子はストライカーが多くて。若くて気合いの入った子が多いから、寝技より打撃で倒してやろうという選手が増えるんじゃないかなと思います」
――と同時に、しっかりと柔術もやらせるのがパラエストラ八王子の特徴です。鈴木選手も紫帯を取得しているそうで。
「はい、頂きました。ジムに入って1年ぐらい、柔術に関しては本当に触り程度しかやっていなかったんです。打撃ばかりやっていて――アマチュア時代も打撃をブン回して、殴って勝っていました。でもテイクダウンされてキムラを極められたり、RNCを極められて負けたことで、『もっとちゃんと柔術も練習しなきゃいけない』と思うようになって」
――MMAを始める前は、何かスポーツをやっていたのですか。
「中学の時に少し部活で野球をやっていました。そんなに強くない部で、楽にやっていた感じですけど」
――当時から体格的には……。
「中学に入った頃に172~173センチあって、体重も70キロを超えていました」
――おぉっ!! その体格であれば、他の部からも誘いはあったでしょう。
「陸上系……砲丸投げとか誘いはありました。肩も強かったので。野球も特に自分から始めたというわけではなく、友達に誘われて入ったんですよ」
――野球のポジションと打順は?
「キャッチャーで四番でした」
――チームの要を務めていたのですね。
「いやぁ、体が大きかったので(笑)。自分でも『こんな重要なポジションが僕でいいんですか?』って監督に訊きました。監督も『お前がやるんだよ』『分かりました』と答えて。ただ、キャッチャーとして全体への指示はできなかったです。とにかく自分が点を取って、キャッチャーとして守る、と」
――にも関わらず、野球を続けようという気持ちはなかったのでしょうか。
「なかったですね。上には上がいて、いくら自分が上手いとか肩が強いとか言っても、全国にはもっと凄い人たちがいますから。あと自分は団体スポーツより個人スポーツのほうが向いているんじゃないかと思ったんですよ。それで当時から見ていた格闘技をやりたいな、という気持ちになって」
――プロデビューから6連勝。デビュー戦こそ判定勝ちでしたが、その後は5連続KO勝ちを収めている。当時は『俺、イケているなぁ……』と思っていましたか。
「俺って凄いなと思っていました、アハハハ!! デビュー戦は結構緊張していたんですよ。ウチは父親が厳しい人間で、アマチュアのデビュー戦は『負けたら格闘技を辞めさせる』と言われていました。その時はKO勝ちしましたけど、プロデビュー戦も『絶対に勝てよ。負けたら辞めさせるぞ』みたいなことを言われていて。『絶対に勝たなきゃいけない』と慎重に戦いすぎましたね」
――判定勝ちという結果に、お父さんから何と言われたのでしょうか。
「まだまだだな、と言われましたね(笑)」
皆から『カーライル? 大丈夫なの!?』って、よく言われます。でも『見とけよ、俺なら越えられる』と思っています
――アハハハ、素敵なお父さんです。
「自分としては『うるせぇよ』って感じでしたけど、デビュー戦を振り返った時に『もっと行けば、もっと殴れば速く試合は終わっていたんじゃないか』と思って。だから2戦目からはガンガン行って、5連続KO勝ちしたので、当時はブイブイ言わせていました。一回負けるまでは……あそこで壁に阻まれたという感じです」
――バルボーザは、どのような壁だったのですか。
「越えられる壁でした。もう一回やったら絶対に勝てると思っています。負け惜しみになっちゃいますけど(苦笑)」
――その壁を越えることができなかった理由はありますか。
「早く試合を終わらせてやろう、と自分が焦っちゃいましたね。本当なら無理なところは、一回離れてから様子を見て、ジャブとか突いたほうがいいのに。でも自分が行きすぎてしまいました。そのラッシュ中に拳が折れたのかもしれないけど、右手に全く力が入らなくなって。相手がテイクダウンに自分がキムラで切り返そうとしたら、力が入らなくてクラッチが組めませんでした。だからバックエスケープしようと思ったものの、アナコンダを極められてしまったという感じです」
――すると組み技については特に壁を感じていなかったのですね。
「そこは別に、全然——練習でもガッツリやっているので、自信はあります」
――鈴木選手に勝利したあとバルボーザは、3月に雑賀ヤン坊達也選手を下して、ライト級KOPとなりました。
「ベルトを獲ってくれなきゃ困るな、と思っていました。自分が初めて負けた相手だったので『それぐらい突破してくれないと、俺の価値が下がってしまうだろ』という感じで。もちろん悔しい気持ちもありましたよ。もともと『自分ならバルボーザに勝てるから、戦わせてくれ』と言って実現した試合だったし、負けて試合後は落ち込みました。さらに骨折して手術になるし、リハビリで試合できないし――どれだけ不幸が重なるんだよ、って。でも自分がもっと強くなれば、そんなの関係ないので。今はやるだけです」
――その状態から気持ちも練習も盛り返すためのキッカケなどはあったのでしょうか。
「やっぱり周りの選手、ジムの仲間が試合で勝っている姿を見ると『自分も試合しなきゃ』って気持ちになりました。早く試合がしたい、その気持ちだけですね」
――そんななか迎える約1年ぶりの試合が、スパイク・カーライルとのアンリミテッド・ルール戦です。
「皆から『カーライル? 大丈夫なの!?』って、よく言われます。でも『見とけよ、俺なら越えられる』と思っています。最初にカーライルが相手だと聞いた時も『よっしゃ、やってやる』と思いましたし。ちゃんと練習も積み上げて来ているし、練習してきたことを出すだけなので。気合いもバッチリです」
――新たに積み上げてきたものはありますか。
「今回はルールのこともありますし、打撃を重点的にやってきました。初めてのルールなので、やってみないと分からないところもありますけど、試合が始まれば雰囲気も分かってくるかなと思っています」
――展開が速くなるアンリミテッド・ルールの試合の中でも特に、カーライルはテイクダウンするとブレイクが掛からないように即連打を放ってきます。
「速くて強い。まず突進力が凄くて。やっぱりキックボクサーや立ち技の選手だと、テイクダウンディフェンスもそうだし、倒されてからの展開が追いつかないかもしれない、って思います。逆にMMAファイター同士であれば、また違う展開になってきますよね」
――MMAとアンリミテッド・ルールでは、考えることや練習内容は変わってきますか。
「極めがないので、テイクダウンディフェンスを重点的に練習してきました。もし下になっても、自分はそこからブン殴ろうと思っています。上から下から横から、どこからでも殴る。それは楽しみにしてもらいたいですね。メチャクチャ派手な試合をして、KOして盛り上げます!」
■視聴方法(予定)
9月5日(土)
午後12:45~U-NEXT
■KNOCK OUT68 対戦カード
<KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座決定戦/3分3R+ExR>
ゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッー(タイ)
龍聖(日本)
<KNOCK OUT-BLACK女子アトム級選手権試合/3分3R>
山田真子(日本)
平岡琴(日本)
<KNOCK OUT-REDライト級/3分3R>
ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ)
チャド・コリンズ(豪州)
<KNOCK OUT-BLACKライト級/3分3R>
大沢文也(日本)
セーンダオレック・スターライトジム(タイ)
<KNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーフェザー級/3分3R>
カルロス・モタ(ブラジル)
福永輝(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED 75キロ契約/3分3R>
木村“フィリップ”ミノル(ブラジル)
宮原穣(日本)
<KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
久井大夢(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED 75キロ契約/3分3R>
スパイク・カーライル(米国)
鈴木悠斗(日本)
<KNOCK OUT-BLACK 59キロ契約/3分3R>
古木誠也(日本)
勇志(日本)
<KNOCK OUT-BLACK 61キロ契約/3分3R>
レオナ・ペタス(日本)
クラマック・チャンラッチ(カンボジア)
<KNOCK OUT-BLACK 66キロ契約/3分3R>
寺島輝(日本)
エイ・マムリンプートング(カンボジア)
<KNOCK OUT-BLACK 64キロ契約/3分3R>
力斗(日本)
ムン・メイキア(カンボジア)
<KNOCK OUT-REDバンタム級/3分3R>
心直(日本)
山川敏弘(日本)
<KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級/3分3R>
優翔(日本)
新田宗一朗(日本)
<KNOCK OUT-BLACK 51.5キロ契約/3分3R>
酒井柚樹(日本)
久貝飛雄馬(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITEDスーパーフェザー級/3分3R>
藁谷兼介(日本)
高梨玲次郎(日本)




















