【FORCE23】リトルジャイアントジムのプロ第1号、掛水力「ゴリゴリのレスラースタイルで戦いたい」
【写真】2001年生まれ。本人も「よく言われます」と笑うほど、礼儀正しい体育会系だ(C)SHOJIRO KAMEIKE
24日(日)に香川県高松市の高松シンボルタワー展示場で開催されるプロフェッショナル修斗公式戦FORCE23で、掛水力が岡崎サイキと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
大学時代にレスリング西日本選手権を3連覇したキャリアを持つ掛水は、地元愛媛でDEEP王者の越智晴雄が立ち上げたリトルジャイアントジムでMMAを始める。プロデビューを目指して臨んだ全日本アマチュア修斗の決勝で、掛水の前に立ちはだかったのは岡崎だった。
試合は幾度もテイクダウンを奪われて敗退。プロ昇格こそ果たしたものの、悔しさだけが残る掛水はプロデビュー戦で再び岡崎と対戦することに。リトルジャイアントジムのプロ第一号として、掛水がプロデビューに懸ける想いを語った。
――リトルジャイアントジムのプロ第一号、掛水選手です。ベースはレスリングとのことですか、いつ頃始めたのでしょうか。
「レスリングは小学1年生の頃から大学4年までやっていました」
――小学1年生からとは、愛媛県はレスリングが盛んな場所なのでしょうか。
「そうですね。僕は高校が八幡浜工業高校で、同級生の曽我部京太郎はパリ五輪に出ています。だいぶ年齢は離れていますけど、泉武志さんは高校の先輩になります」
――それだけキッズレスリングの練習場所も多いのですか。
「いえ。キッズレスリングは松山、今治、八幡浜と宇和島……、考えたら結構ありますね(笑)。僕がレスリングを始めた当時は、八幡浜にクラブチームのようなものはなくて。中学校のレスリング部で小学生も練習させてもらうという形でした。するとレスリング部の監督さんが、正式にキッズレスリングのチームを立ち上げてくれたんです。
僕が始めたのは、北京オリンピックでレスリングを見たことがキッカケ……だったらしいです。自分はよく覚えていないけど、親がそう言っていました(笑)。正直、北京オリンピックの記憶もなくて」
――大学時代はグレコで西日本選手権3連覇を果たしています。
「2年と3年は77キロ、4年は82キロで優勝しました。でも4年生の時は『これがもう最後の大会だ』と思っていて。すでに地元の愛媛で、卒業後の就職先も決まっていました」
――なぜ4年生の時すでにレスリングを離れようと考えていたのでしょうか。
「もともとは大学で実績を残して、自衛隊体育学校に進みたかったんです。でも途中で『自分には無理だろう』と思いました。それだけ大学レスリングはレベルが高くて。大学でも実績は残せず――全国で勝てなかったので、先に進むことは諦めて就職活動をしました」
――そして地元に戻り就職したあと、リトルジャイアントジムに入会したのはMMAファイターになることが目的で?
「最初はトレーニング目的でした。ずっと続けていたレスリングを急に辞めると、すぐにまた体を動かしたくなって(笑)。ともとMMAは、たまにRIZINを視るぐらい好きではありましたし、そんななか就職した年の8月にリトルジャイアントジムが出来たんです。ただ、最初はプロのMMAファイターになろうとは考えていませんでした」
――ジムが出来たばかりの頃だと、たとえ一般クラスでもずっとレスリングをやってきた人間と同等レベルに動ける会員さんはいなかったでしょう。
「今はどんどん選手も育ってきましたけど、当時はいなかったです(苦笑)。だからパラエストラ愛媛にも出稽古に行かせてもらっていました。自分も最初は体を動かすことが目的でしたけど、やはり『もう一度戦いたい』という衝動に駆られて」
――なるほど。MMAファイターとして好きな選手は誰かいましたか。
「大原樹理選手が好きです」
――DEEPのファイターなら、そこは越智代表を……。
「あっ!! もちろん越智さんのことも大学時代から知っていて、試合はずっと視ていました」
――アハハハ、冗談です。ただ大原選手とはスタイルも違いますよね。
「もちろん好きな選手ということで、大原選手のスタイルを目指しているわけではないです。レスリング出身としては、武田光司選手のようなスタイルは好きですね」
――掛水選手ほどのレスリングキャリアがあれば、アマチュア修斗もレスリング時代の技術で勝てたのではないですか。
「……はい、そうですね」
――しかし昨年の全日本アマチュア修斗ウェルター級決勝で敗退。岡崎選手とは同い年(※ともに2001年生まれ)で、高校までレスリングをやっていた相手です。
「ビックリしました。岡山県でレスリングをやっていたそうで、同い年ですけど当時絡みはなかったです。調べたら高校2年か3年の時、同じ大会に出ていたようですけど……」
――愛媛と岡山という近い場所で同じレスリングをやっていながら、レスリングで交わらず修斗で交わることになるというのも何か運命ではないかと思います。ただ、レスリングについては掛水選手のほうが長く、最近まで続けていた。それが全日本の決勝では、掛水選手のほうが岡崎選手に何度もテイクダウンを奪われていました。
「そうですね………、……テイクダウンされた時は頭が真っ白になりました。ジムに通い始めてから、練習でもテイクダウンを取られたことはなかったです。下になることもなかったですし、あんなに綺麗に取られたのは初めてというぐらいでしたね。やはりMMAとピュアレスリングは違う、ということが試合で理解することができました。打撃が入ると、スプロールにも影響を及ぼしますし」
――頭が真っ白になっていたためか、ボトムからのアクションは乏しかったように思います。それは「上を取ることができれば勝てる」と考えすぎていたためなのか。
「それはありました。僕も自信があったことは間違いです。でも負けて準優勝になった時は絶望しかなかったというか……。その時はとにかく『今すぐにでもやり返したい』という気持ちでいっぱいで」
――岡崎選手に敗れたあと、越智代表からは何と?
「これから強くなってやり返すしかないよ、と優しく言ってくださいました」
――その越智代表は昨年12月のタイトルマッチで敗れ、現役引退を示唆していました(※その後、7月5日にDEEPで引退エキシビションを行うことが決定)。自身がプロデビューを迎える時、代表が現役を退く。そう聞いた時はどのような気持ちでしたか。
「試合前に公言していたわけではないので、試合後に言われてビックリしました。でも次は僕がジムを背負って勝たないといけない、という気持ちが強くなりました」
――そして今回、プロデビュー戦を迎えます。さすがに全日本決勝と同じ相手と対戦するとは思わなかったのではないですか。
「はい。違う相手になるだろうと思っていました。というのもアマチュアはウェルター級で、プロはライト級で戦おうと考えていたんです。ウェルター級の時は少し減量をするぐらいで落とすことができていました。そうしたら相手もライト級に落としてきて(笑)」
――それも運命です。今回の試合だけでなく、今後の2人のストーリーを追いかけたくなりますね。
「アハハハ、ぜひお願いします」
――修斗ではプロになるとパウンドが認められます。その点はいかがですか。
「レスリング出身であれば、パウンドがあるほうが有利だとは思います」
――岡崎選手もレスリング出身です。
「そうですね(苦笑)。でもパウンドを打つ時には隙も生まれるし、うまく対処しながら戦いたいです。特に全日本のあとはスプロールも含めて、テイクダウンを防いで自分が上になることを強化してきましたし、下になった場合の動きも練習しました。もともとのピュアレスリングの力に、MMAの力が加わってきたかなと感じています」
――全日本決勝の内容と結果も踏まえて、プロデビュー戦はどのような試合をしたいと思っていますか。
「やっぱり一番の課題は打撃だと思っています。しっかり打撃に対応しながらケージに押し込んで上下に打ち分けるとか、ゴリゴリのレスラースタイルで戦いたいです。特にMMAでもグレコのような――差し合いやボディロックの形になれば、絶対負けません」
――MMAを戦っていくうえで、将来の目標を教えてください。
「世界で戦いたいです。レスリング時代は国際大会に一度しか出たことがなく、それも西日本優勝の実績で出たものなんです。日本代表ではありましたけど、実質は西日本代表でした。だからMMAでは日本でチャンピオンになり、日本の国旗を身につけて世界で戦いたいと思っています。よろしくお願いします!」
■視聴方法(予定)
5月24日(日)
午後2時50分~ ツイキャスPPV
■FORCE23 対戦カード
<フライ級/5分2R>
安芸柊斗(日本)
ムン・スンス(韓国)
<ライト級/5分2R>
掛水力(日本)
岡崎サイキ(日本)
<フェザー級/5分2R>
垂水稔朗(日本)
上野鷹臣(日本)
<バンタム級/5分2R>
魚山皓平(日本)
哲也(日本)
<フライ級/5分2R>
井口翔太(日本)
金内サイダー雄哉(日本)
<バンタム級/5分2R>
藤川智史(日本)
波平コング(日本)
<ライト級/5分2R>
松浦真実也(日本)
キンコンカンコンケンチャンマン(日本)
<アマチュア フェザー級/3分2R>
笠井颯天(日本)
平木翔真(日本)













