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【DEEP131】25周年興行を前に訊く、佐伯代表の興行論「久々にBUNTAIでやることで色んなことを考えた」

【写真】前日計量後に珍しくマイクを握った佐伯代表。25周年に関するコメント……ではなく、会場入りの際の連絡事項についてだった。興行をいかにスムーズに行い、成功させるか。それがプロモーターの仕事だ(C)MMAPLANET

明日4日(月・祝)、横浜市中区の横浜BUNTAIで開催されるDEEP131。旗揚げ25周年興行でもある今大会を前に佐伯繁代表にインタビューを行った。
Text by Takumi Nakamura

当初の予定では今大会の主要カードの見どころを佐伯代表に聞くインタビューを予定していたが、話の内容が思わぬ方向に発展。プロモーターという立場から考えるビッグマッチ開催と後楽園大会のバランス、またRIZINを含む他団体を交えたマッチメイクの調整……など、佐伯代表が25年の歳月で培った興行論を語ってくれた。

(C)TAKUMI NAKAMURA

――DEEPとして久々のビッグマッチとなる横浜BUNTAIでの25周年記念興行が迫って来ました。まずは今回のマッチメイクについて聞かせてください。

「今どうしてもうちはRIZINを含めたカード編成になるから、ちょっと出遅れちゃうんですよね。今回で言ったら、3月のRIZINに出ている選手の結果待ちをしていた部分があって。プラスうちにもRIZINのチャンスを待っている選手が多いから、何人かの選手には『うちの5月4日に出るか、RIZINのチャンスを待つか。3月の頭まで考えていいよ』という言い方をしていました。その選手たちの返事が来た時点で大会の2カ月前だから、そうなるとどうしても出遅れちゃいますよね」

――プロモーター目線でいくと大会2カ月前からマッチメイクを調整というのはギリギリのタイミングですね。

「しかもうちが選手を出してるのはRIZINだけじゃないから。3月のRoad FCに大成が出ていたり、青井(人)はRoad to UFC(RTU)に出場できるかどうかを待ったり…がある。そういう状況が多いので暫定王座を組んで、というパターンがどうしても増えますよね」

――3月のRIZIN.52では相本宗輝選手が交通事故で欠場、福田龍彌選手もカルシャガ・ダウトベックの欠場で4月のRIZIN LANDMARK 13 in FUKUOKAにスライドというイレギュラーなことが続きました。

「そうそう。相本は3月のRIZINに出て、次は5月のうちで考えていたら、ああいう状況になっちゃったし、福田くんもダウトベックの欠場を受けて4月RIZINに移行になって。実際に鹿志村(仁之介)くんは福田くんの移行が決まってから、うちに出てもらおうと思って決まったんですよ。うちで言ってもソン・ジンスは怪我があったり、3月の大原樹理と倉本大悟の結果を見て、どうしようかなと思っていたらノーコンテストに終わったり…そういうことも含めたら今回は予定外のことが多かったですね」

――では佐伯代表の中では当初のプランから少し崩れた形の編成になってしまったわけですね。

「それはあります。うちって対戦カードをちょろちょろ出さないじゃないですか。僕がそういう出し方が好きじゃないから、大会の2カ月前には全カードをバン!と出したい。そこから逆算すると3カ月前にはマッチメイクのプランがないといけなくて、そのスピード感からいくと今回は出遅れたなって部分があります。それもあって実は途中で“25周年”という名前をつけるのもやめようかと思ったんですよ。自分が思ったようなマッチメイクにならなかったから」

――そこはマッチメーカーとして、ですね。

「そうそう。もちろん今のMMAの流れがあって、その流れの中で試合を組んでいると、次はこの選手とこの選手がやって…と答えが出てきちゃう。だから新しいチャレンジは難しいですよね。しかもうちは5月の末にも大会があるわけだから、BUNTAI前だけどそっちのマッチメイクも考えないといけないから、気がついたら大会直前になっていて準備も大変ですよ」

――しかもビッグマッチとなると、通常の後楽園やニューピアホールとは勝手が違いますよね。

「25周年だからBUNTAI(横浜文化体育館)を押さえたけど、うちがやった時と建物自体が変わっているから、初めてやる会場と一緒だったという。だから控え室から駐車場の位置も確認しないといけなくて、やることが多すぎますね(苦笑)。それを考えると、自分の中では今BUNTAIで興行をやってよかったのか。答え合わせが出来てないんですよ。よくみんな『最近のDEEPの勢いだったら、もうずっとBUNTAIくらいの会場でやっていいんじゃないですか?』って言うけど、そんな簡単なものじゃないからね。そもそも会場を抑えることが大変だし」

――後楽園でどこの日程をもらえるかで、年間スケジュールの組み方がかなり変わってくると思います。

「実は2026年のスケジュールで言ったら後楽園が思ったより取れなかったんですよ。RIZINとの被りが多くて。それで後楽園の本数が減ったなかで、それをどう埋めるかという部分で、BUNTAIをやるとなったんで。だから改めて思うのは、後楽園を超満員にする方が自分の中ではしっくりくるというか。イベント的にも盛り上がり的にも、そっちなんじゃないかなという気がしています、実際には」

――先ほどちょうど入場式をどうするかのお話をされていましたが、ビッグマッチになるとそういう演出面もどこまでやるのか?という話が出てきますよね。

「これは僕がよく言うことなんだけど、別に大きい会場でやることが嫌ではないんですよ。ただ大会場でやると、どうしても演出含めてRIZINやPRIDEのモノマネをしているようにしか見えない。はっきり言ってうちはRIZINのような音響・照明もないし、特効も出来ない。そんな中でただ大きい会場で試合をやれと言われたら、自分だったらモチベーションが下がる。去年5月にRIZINが東京ドームでやって、翌日にうちが後楽園でやって、両方会場にいましたけど、どっちがよかったかは正直分からなくて。東京ドームもたくさんお客さんがいたけど、どうしても広い分、ガランとするし(熱気が)抜けちゃう。でもパンパンと後楽園は熱気が集まるし、お客さんの沸き方も違うじゃないですか。やっぱり後楽園は格闘技をやるうえで不思議な空間なんですよ」

――会場が変われば同じ人数を集客しても雰囲気が変わりますよね。

「今うちはニューピアでもやっているけど、うちのニューピアは立ち見が300人ぐらいいて、ニューピアは会場の構造的に立ち見が多いと盛り上がるんですよ。逆に同じ300人が席に座っていたら(熱気が)抜けると思う。そういう意味でも後楽園という空間は特別ですよね。今回は全15試合で、ビッグマッチにしては少ないと思うんですよ。もしチケットの手売りを増やしたかったから、もっと試合を組めばいいんだけど、そういう長い興行にはしたくなかったんで。そういう意味でも試合数を絞っても会場がパンパンになって、興行時間が短くても声援が飛び交う会場が後楽園なんです。

やっぱり僕はあの熱気と声援に勝てる会場は他にないと思います。さっきの入場式の話にもつながるけど、JEWELSは会場がニューピアで、あえて入場式もやるんだけど、あれは試合前に選手が顔見せする場面を作って、男子と差別化してるんですよ。だから男子で入場式をやるのは、ちょっと違うじゃんと思うし、久しぶりにBUNTAIでやることで、後楽園と比べて色んなことを考えましたね。やっぱり後楽園を常にいっぱいにするのは大変なんですよ。立ち見を合わせたら1500~1600人行くわけだし、それを一回だけじゃなくて定期的にきっちり埋めるのは簡単じゃない。そんななかで絶賛BUNTAIの準備中という状況です」

――少しマッチメイクの話に戻ると、佐伯代表が事前に想定していた100%の形ではないにせよ、個人的には現時点でBUNTAIに相応しいカードが並んだなと思います。そこはいかがでしょうか。

「事前に想定していた100%ではない中では上手く収まったかなと思います。今の時代、うちも含めて究極のカード、発表した瞬間にみんながおおっ!と唸ってチケットが売れるようなカードってなかなか作れないじゃないですか」

――RIZINで言ったら朝倉未来vs平本蓮のようなカードですよね。

「最近のうちで言ったら、怪我で流れちゃったけど福田くんと元谷(友貴)のカードとかね。本当はああいうカードを組みたかったけど、このタイミングでそれを作り出すのはなかなか難しかったですね。もしかしたら今だったらそれが水野新太×相本宗輝だったかもしれないし。そういう物語が途中で崩れちゃったところはあるけど、今のうちの流れを組んだマッチメイクにはなっているかなと思います。ただBUNTAIが終わったら、7月には後楽園じゃないですか。本当だったら7月のマッチメイクが固まっていて、チケットを売り始める準備をしないといけないタイミングなんですよ。RIZINも興行が続くなかで、7月どうしよう?とは思っているんだけど、こういう時こそ知恵を搾らないと、ですよね。逆に次の次の9月はある程度プランは決めてあるから、それを踏まえて7月のアイディアを考えます」

――例えば佐伯代表は過去にマッチメイクで後手に回った時にアイディアという部分でいい興行に出来たことはありますか。

「それは結局のところ、選手がどんな試合をしてくれるかですよね。マッチメイクではなくて。これもまた難しいところで、基本的にはフィニッシュが多い大会が盛り上がるんだけど、マッチメイクが良すぎて期待感を盛りつけすぎると、いざ試合を見た時に意外と『あれ?』」と思っちゃうんですよね。普通に見たらいい試合なんだけど、期待値が高すぎると平凡に見えちゃう。そうなったら期待せずに見た方が面白かった!となるから、期待値が高すぎるのも良くない。ぶっちゃけ興行をやっていたら、いい興行も悪い興行あるじゃないですか」

――それはありますね。プロモーターは試合を組むことは出来ますが、試合内容は選手に託すしかないです。

「試合を見た人に『DEEPは面白いね!』と言われても、たまたまその興行が良かっただけかもしれないし、全部が全部いい興行。この団体だから面白いとかはないですからね。僕らは試合以外のところで色々と努力はするけど、試合内容は選手に任せるしかないから」

――今は試合前の煽りがクローズアップされがちですが、最終的には試合が面白かったどうかだと思います。そこがファンやお客さんが一番評価するところですよね。

「よく(DEEPは)『宣伝してないですよね?』って言われるけど、宣伝しても売れないものは売れないんだって。興味がないものを宣伝されても見ないじゃん。興味があるものだから目に入ってくるわけで、興味のないものにいくら広告を打っても意味がない。しかも格闘技のチケットは1,000円~2,000円の手軽に買える値段じゃないから、ちょっと興味を持ったくらいじゃ買えないじゃないですか。だから宣伝にお金を使って格闘技に興味がない人にチケットを買ってもらうのってよっぽど大変ですよ」

――そんななかでもDEEPは25年続いていて、たくさんの選手たちを輩出してきましたよね。

「本当にいつも思うのが、いい時があれば悪い時もある。今みんな『DEEPいいですね』と言うけど、じゃあ15年前・20年前と比べていいのかどうかは分からない。当時と比べたら団体も増えているし、競技人口も増えている。20年前に後楽園で長南(亮)と(桜井)隆多がやっていた時もお客さんは入っていたわけだから、そういうことじゃないんだなって気がしますよね」

――佐伯代表が柔軟な思考を持っているからこそ、時代の変化に対応しながら大会が続いてると思います。

「メディアも大分変わってきたけど、やっぱり今はみんなSNSに振り回されてるよね。気にしないといけないけど気にしすぎてもよくないから、そこのバランスが難しい」

――佐伯代表でもSNS上の発言は気になりますか。

「やっぱりカチンと来るときは来ますよ。基本的には我慢して返信しないようにしているけど。ただ間違ったことや嘘を書かれたら訂正しないといけないと思ってます」

――さてBUNTAI以降はどんなテーマでイベントをやっていこうと考えていますか。

「変わらずRIZINのスケジュールと調整しながらイベントをやっていく感じですね。マイペースでやっていくしかないし、25年もやっていると野心がないんですよ。大きい会場でやりたいとか。プロモーターとしてこうなりたいとか、会社を大きくしたいとか……何とも思ってないんで。それより地味な興行準備から早く解放されたいです(笑)」

――色んなプロモーションがあると思いますが、後楽園で常に熱い興行を続ける。そんなDEEPでいてほしいなと思います。

「だからこそ今年やった恵比寿(ガーデンルーム)みたいな会場は新鮮だし、そういうことをやってみたいよね。この間も中国で2対2とか3対3の試合をやってたじゃないですか。昔うちもルチャのマスクマンが試合をしたり、タッグトーナメントをやったりしたから、変なことをやってみたいですよね(笑)。今は競技性が強くてDEEPのブランドでやると怒られるから、それ用のブランドを作って。安全性を考えながら、そういう変則的なことをやってみたくなります。まぁまずは5月のBUNTAIをしっかり終えられるように頑張りますよ」

■DEEP131 視聴方法(予定)
5月4日(月・祝)
午後1時30分~U-NEXT、サムライTV、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ

■DEEP131 計量結果

<DEEPフェザー級暫定王座決定戦/5分3R>
牛久絢太郎:65.6キロ
水野新太:65.8キロ

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[暫定王者] 大原樹理:70.25キロ
[挑戦者] 倉本大悟:70.2キロ

<DEEPフライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 村元友太郎:56.6キロ
[挑戦者] 力也:56.65キロ

<DEEPバンタム級暫定王座決定戦/5分3R>
平松翔:61.15キロ
鹿志村仁之介:61.2キロ

<DEEPストロー級選手権試合/5分3R>
[王者] 杉山空:51.9キロ
[挑戦者] 知名昴海:52.0キロ

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治:77.35キロ
角野晃平:77.3キロ

<59キロ契約/5分3R>
猿寿健太:59.0キロ
関原翔:58.9キロ

<バンタム級/5分3R>
瀧澤謙太:61.7キロ
雅駿介:61.6キロ

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.2キロ
狩野優:66.15キロ

<ライト級/5分3R>
泉武志:70.7キロ
山本颯志:70.6キロ

<水野竜也引退エキシビションマッチ/2分2R>
水野竜也:――キロ
シビサイ頌真:――キロ、上田幹雄:――キロ

<メガトン級/5分3R>
赤沢幸典:113.7キロ
金田一孝介:97.15キロ

<バンタム級/5分3R>
窪田泰斗:61.7キロ
小崎連:61.55キロ

<メガトン級/5分2R>
誠悟:119.5キロ
タンク内藤:101.1キロ

<バンタム級/5分2R>
諏訪部哲平:61.15キロ
石坂空志:61.55キロ

<フェザー級/5分2R>
杉野亜蓮:66.15キロ
ダイヤ:66.3キロ

<アマチュア フライ級/3分2R>
今野連弥:56.9キロ
武井大将:56.5キロ

<アマチュア フライ級/3分2R>
ショウエイ:57.05キロ
矢代光:57.1キロ

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