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【UFC129】アルド、よもやの大逆転TKO負け寸前に

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョゼ・アルド(ブラジル)
Def.判定3-0:48-45、48-46、49-46
[挑戦者]マーク・ホーミニック(カナダ)

いきなり左から右とパンチのコンビネーション、右ローを見せたアルド。さらにホーミニックのボディにアッパーを放ち、続いてローを見せる。このローで姿勢を崩すホーミニックだが、パンチのワンツーで前に出る。

アルドは左を返し、さらに右ロー。ホーミニックは左ボディフックを見せるが、再びローをもらってしまう。左ボディフックから、右ロー、そしてテイクダウンを仕掛けたアルド。ホーミニックの腕十字狙いを防ぎ、エルボーを落とす。右のパウンド、左エルボーを落し、ホーミニックをケージに詰めた王者は、さらに拳を重ねて落とした。

ケージを使い、頭を入れかえようとするホーミニック。その足を捌きにかかるアルドは、じっくりとインサイドでトップをキープする。左エルボーを落し、頭をケージに押し込んで、首を直角近くに押し曲げる。鼻血を滴らせ、左目を腫らしたホーミニック。ここでレフェリーがブレイクを命じる。スタンドに戻って、ボディフックを見せたホーミニックだが、まるでGSPにでもなったかのようなアルドが、再びテイクダウンを決めて初回を闘い終えた。

2R、「リードのアッパーカットがいい」と、ショーン・トンプキンスから受けたホーミニックは、左フックから左アッパーを見せる。再び、左ボディフック、さらに右ストレートを打ち込んだホーミニック。アルドに、やや疲れが見られるのは気のせいか。右ローからテイクダウンを狙った常勝の王者、この試みを遮断したホーミニックの左フックがヒットする。

左ジャブをヘッドスリップでよけるアルドは、ここでダブルレッグを成功させる。クローズドガードを取ったホーミニック、ケージを蹴って頭を中に入れる。心なしか1Rよりも動きが緩慢になったようなアルドに対し、ホーミニックは膠着ブレイクを狙う。アルドは足を捌いて、左のパウンドを落し、さらに左エルボーを重ねる。

初回に続き、ブレイクが命じられた両者。スタンドに戻ると、またもすぐにアルドがテイクダウン、さらにパスし、サイドを奪う。残り25秒、有効な攻めを見せることなく意外な試合展開のまま、2Rが終わった。

インターバル中に師アンドレ・ペデネイラス、盟友マルロン・サンドロから「ローキックを出せ」というアドバイスを受けたアルドは、ロングレンジからアッパーを見せる。ホーミニックは左ローから、左を伸ばすが、アルドは右ローを返す。ホーミニックの左ジャブで体の軸が乱れたアルドが、懸命に右を伸ばす。ホーミニックのインサイドローに左フックから、ダブルレッグを仕掛けた王者。これを防いだホーミニックは、左アッパーを見せる。右ローを再び返したアルドは、左ジャブをかわし、右を伸ばす。

アルドの左フック、ホーミニックの左ボディフックが交錯すると、王者は再びテイクダウン狙いに。スタンドをキープした挑戦者の左が伸びる。だが、アルドの右フックを受けたホーミニックが、テイクダウンを狙いつつも、頭から崩れ落ちる。すかさずパウンドを連打するアルドに対し、なんとかホーミニックはクローズドガードの態勢を取る。左右のパウンド、左のエルボーを落したアルドだが、あまり動きは激しくない。このまま完全にポイントをキープし、アルドは3Rを終了のホーンを聞いた。


4R、かなり消耗した様子の両者。顔の傷が痛々しいホーミニックと、肩で息をするアルドだが、やや距離がつまったなかで打撃を交換する。右ローの標的となった左足でローを蹴るホーミニックだが、そのパンチが空を切るシーンが目立ってくる。

左から右を打ち込んだアルドは、ヒザ蹴りを繰り出すが、これは急所に。王者に注意が与えられ試合が再開すると、ホーミニックの左ジャブにアルドが右ローを合わせる。左ボディアッパーから、振り落とすローを見せたアルド。挑戦者は、ボクシング主体となり、ローがカットできない。

アルドの右ストレートがホーミニックの顔面を打ち抜き、挑戦者が後方に腰から崩れ落ちる。これまで通り、インサイドガードから左エルボーを落す王者アルドは、しっかりとトップをキープする。完全に消耗したホーミニックは、その右の額が大きく腫れ上がる。テニスボール大のたんこぶを作った挑戦者だが、ドクターチェック後に試合は再開。再びテイクダウンを許す。

インターバル中、再びドクターチェックが入った挑戦者。ここでも試合は可能と判断され、世界フェザー級選手権は最終ラウンドへ。右ローを蹴り込み、試合を決めにかかるような勢いを見せるチャンピオンの左フック、右アッパーカットが王者を襲う。ここでホーミニックが、シングルレッグでテイクダウンを奪う。

アルドがガードを取るという、かつてないシーンが到来し、ホーミニックの鋭いパウンドが王者の顔面を襲う。必死で手首を掴み、足をきかせるアルドだが、ホーミニックもパウンドで防御を振り払い、さらにパウンド、鉄槌を連打する。王者の蹴り上げにも、トップを譲らず、立ち上がることを許さないホーミニックの鉄槌、ボディへの攻撃が加えられ、アルドは完全にタイムアップを待つ持久戦に。

残り90秒、強烈な左のパウンドを見舞うホーミニックに、王者の頭が揺れる。左の連打、息を整えてから、無酸素のパウンド連打を見舞うホーミニックに王者が防戦一方に。しかし、王座奪取にはKOしかないホーミニック、非常に限られたのなかでは、このラウンドを取り戻すのが精いっぱい。ホーミニックの反撃を懸命に堪えた王者は、試合終了と同時に両腕を挙げ勝利をアピール。

ホーミニックが、まだまだ元気だとばかりにプッシュアップを見せると、アルドも負けじと腕立て伏せを見せる。さらにアンドレ・ペデネイラスは肩車でアルドを抱え上げた。

結果、ジャッジの裁定は48 -45、48-46、49-46で、王者アルドが初防衛に成功した。

「ホーミニックは素晴らしいファイターだ。立ち技が強かったけど、僕もムエタイを十分に練習して臨んだ。休養中に筋肉をつけすぎて、ちょっと減量がこれまでのようにいかなかった」と王者アルドに対して、ホーミニックは「まず、妻に感謝したい。試合を止めなかったジョン・マッカシーにもお礼をいいたい。もっと強くなって戻ってきたい。もっとテイクダウンから、グラウンドへ行けると思っていたんだけどね。ファンのみんなが、この試合を楽しんでくれたなら嬉しいよ」と、母国のファンの前で堂々のコメントを残した。

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