【UFC129】リョートも魅せた、セガール譲りの前蹴りKO
<ライトヘビー級/5分3R>
リョート・マチダ(ブラジル)
Def.2R1分05秒 by TKO
ランディー・クートゥアー(米国)
後ろ足重心で、大きく右足を前に出したリョート。脇を締めて、歩を進めるクートゥアーに、左を合わせていく。テイクダウンの機会を窺うクートゥアーは、大きく体を揺さぶりながらパンチを放ち、シングルレッグを狙う。
ステップバックでかわしたリョートだが、直後に左ジャブを顔面に受ける。左へ回りながら、小刻みに右へ移動するリョートは、ノーモーションで左ストレートを伸ばす。近距離になっても、組まずにフックを振り回すクートゥアーに対し、距離を取るリョートは左から右を繰り出す。
クートゥアーの右ストレートを反応してさばいたリョートが、右を伸ばすがクリーンヒットには至らない。さらに、前へ出てきたクートゥアーにヒザを突き上げた。オーソドックスに構えをスイッチし、右ストレートを放ち、サウスポーに戻したリョート。クートゥアーのシングルレッグを潰し、ヒザを顔面に放つ。クートゥアーの前進に、再び、ヒザを合わせようとしたリョート。クリーンヒットは少ないが、攻め手、精度ともにリョートがクートゥアーを上回った。
2R、左右のパンチを振るいながら前に出てきたクートゥアーは、リョートのカウンターからの連打が迎え撃つ。距離を取り直したクートゥアーだが、リョートは奥足を浮かせると、その場飛びのようにスイッチしてから前足でフロントキック一閃。前蹴りがアゴを蹴り上げ、後方に倒れたクートゥアーにパウンドを一発落としたリョートが、盟友アンデウソン・シウバを思い起こさせるTKO勝ちを決めた。
リョートは「凄く気持ちいいよ。このキックは父と、スティーブン・セガールに習い、ずっと練習してきたんだ。ランディーはヒーローだ。男の中の男だ」と英語で受け答え、敗者は清らかな笑顔を見せ、ケージを後にした。