【WEC53】クルーズが初代UFCバンタム級王座を戴冠
■第10試合 WEC世界バンタム級選手権試合/5分5R
[王者]ドミニク・クルーズ(米国)
Def.5R終了/判定
[挑戦者]スコット・ヨルゲンセン(米国)
まずはオーソドックスの構えをとる王者クルーズは、シングルレッグ、右ハイのフェイントを見せると、サウスポーから左を伸ばしていく。
さらに、ヨルゲンセンの左へ回りながら、スイッチを繰り返すクルーズは右ストレートをヒットさせると、パンチを放って、そのままスイッチして裏側へと走り抜けるように左右のフックからハイキックを見せる。追いかけても攻撃を仕掛けられないヨルゲンセンだったが、ボディにヒザを受けながら、ようやく組みつき、バックへ回ることに成功した。
王者は胸を合わせ距離をとると、右アッパーから右ローを蹴り込む。オーソから右ロー、左ストレート。サウスポーから左ストレート、右ミドルと、まさに変幻自在のクルーズは、オーソから左アッパーを見せると、細かいフックを連打する。前蹴りから、右ロー、組まれてなお右ヒザを突き上げる王者に対し、ヨルゲンセンは組みついても押し返されてしまう。右ハイにテイクダウンを合わせると、テイクダウンに成功したヨルゲンセンがバックに回り込むが、前方に振り落され、下になったところで初回が終了した。
2R、ローを掴んで組みついたクルーズは、距離を取られても落ち着いて左ハイ、左ローを見せる。思うように攻めることができないヨルゲンセンにアッパーを打ち込む王者は、さらに左アッパーから右フック、右ローを放つ。飛び込みながら左フック、距離をとってロー、ヨルゲンセンのパンチはダッキングでかわし、直後にダブルレッグでテイクダウン。クルーズはインサイドからパウンドを落し、勢いのある左右のエルボーを見舞う。
ケージまで下がり立ち上がろうとした挑戦者の足&腰をコントロールし、さらに左エルボーを落としたクルーズは、ハーフからパウンド、残り1分を切って足を戻されても、バックに回り、立ち上がって自ら距離を取る。さらに、ジャンピングニーを蹴り上げると、2Rも挑戦者を圧倒した。
3R、右ストレートでフラッシュダウンを奪ったクルーズは、さらにスピードを上げて上下左右から攻撃を仕掛ける。右ハイで動きが止まったヨルゲンセンは、右ローで体が寄れる。呼吸を取り直したクルーズは、下がりながら左を伸ばし、飛び込んでテンカオを見せる。ややペースを落とした王者は、ペースをコントロールしながら、スーパーマンパンチ、ヒザ、さらにローにつなげると、残り90秒を切り、差し上げからテイクダウンに成功する。
インサイドから右エルボー、さらに左エルボーを見舞うが、ここでヨルゲンセンがスイープに成功したが、一瞬下になったクルーズは、すぐに立ち上がり、攻撃は受けないまま3Rを終える。
4R、いきなり右ストレートを打ち込んだクルーズは、ヨルゲンセンが前に出てくるところでテイクダウン。クルーズは時間を掛けて、ケージ際まで移動しパンチを顔面に連続で見舞っていく。立ちあがったヨルゲンセンのバックを取りながら、初めて距離を取られたクルーズ。口をあけ、ややスタミナをロスしているようだ。
左ローを蹴り込んだ王者に、挑戦者はハイを返す。再び差し上げテイクダウンに成功したクルーズはパスにいくが、ヨルゲンセンがシングルへ。立ち上がった両者。クルーズがテンカオからパンチにつなげるが、空振りの数も増えてきた。ならあと、ダブルレッグでグラウンド戦に移行した王者は、エルボーを連打し、試合は最終ラウンドへ。
最終回、あと5分でUF世界バンタム級王者となるドミニク・クルーズは、右ストレートから左ハイを蹴り上げる。序盤の2Rのようなスピードと手数を取り戻した王者は、ヨルゲンセンのパンチをスウェイ&ダッキングでかわし、左ハイから左右のフックをヒットさせる。
ヨルゲンセンが下がると、左ミドルを見せ、前に出てくると右フックで待ち受けた王者は、攻防の最後でローを叩きこむ。ここでヨルゲンセンが組みつき、ついにテイクダウンするが、王者が苦も無く立ち上がる。残り2分、仕上げのテイクダウンを奪ったヨルゲンセンは、ブーイングを受けながらエルボーを落とす。
立ち上がることができないヨルゲンセンだったが、残り20秒で王者は自ら立ち上がり、最後は打撃戦で5Rの戦いを締めた。ジャッジ3人が50-45のポイントをつけると、ブルース・バッファーから「ファースト・エバーUFC世界バンタム級チャンピオン」とコールをされたクルーズ。その腰にUFCのベルトを巻き、そして右肩にはWECのベルトを掛け、次なる挑戦者にはユライア・フェイバーを指名した。
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