【IT’S SHOWTIME】ケマイヨ×シウバ、アーツ2世も出場
2011年3月のアムステルダム・スポーツハーレン・ズイード大会、そして5月のアムステルダム・アレナ大会にかけて、イッツショータイムはヘビー級トーナメントを開催予定だった。
【写真】巨漢揃いのなかヘビー級戦線のなかで、切れとスピードという運動能力が武器のケマイヨ。イッツショータイム初陣をアンデウソン・シウバと戦う (C) WORLDKICKs
だが、3月に初戦を行った場合、5月のビッグイベントのプロモーション期間が短いという判断で、1年の延期が決定している。K-1に代わり、キック界の盟主たらんとするイッツショータイムの本気度の高さがうかがえる延期の判断。その3月大会には世界ヘビー級王者ヘスディ・カラケス×ダニエル・ギタの王座防衛戦を組むなど、本格的なヘビー級のビルドアップが始まる。
そんな背景も考えると、18日(土・現地時間)に行われるFIGHT CLUB Presents IT’S SHOWTIME XMAS EDITIONで組まれたフレディ・ケマイヨと、アンデウソン・シウバというカードも興味深いものになってくる。
K-1に参戦豊富な“黒アゲハ”ことケマイヨは、今年のK-1WGP東ヨーロッパ予選にエントリー。セルゲイ・ラシェンコを下したものの、準決勝ではアレクセイ・イグナショフに不覚をとった。しかし、イグナショフの負傷により決勝へ上がるとセバスチャン・チオバヌをKOで下して優勝し、WGP出場権を獲得。そのWGP開幕戦では、本来の動きをする前にグーカン・サキに不覚をとり、本人としても消化不良の敗北という気持ちが強いはず。
【写真】バダ・ハリ世代を代表するファイターのアンデウソン・シウバ。もう少し、アグレッシブさが欲しいが、そこはチャクリキで闘魂注入がなされているはずだ(C) BUS UTERWIJK
・2010年9月12日、シウバvsムラッド・ボウジディ
対するUFCの絶対王者と同じ姓名を持つシウバは、名門チャクリキに所属し、今年のK-1を熱くした不惑のピーター・アーツや、熱血漢ジェロム・レバンナなどと、スパーリングをしメキメキと実力を上げているファイターだ。
とはいっても、このところイッツショータイム、グローリーというオランダの二大イベントでムラッド・ボウジディに連敗を喫しており、ここはローを利かせて、踏ん張りが効かなくなったところでヒザ蹴りという必殺パターンをもって、K-1ベスト16のケマイヨを倒したいところ。
もう1試合組まれているヘビー級戦は、クリス・ノウルス×リコ・フェルホーフェンという新鋭対決。オランダの有望株として期待が集まっているのが、リコ・フェルホーフェンで、K-1にも3回参戦しており、2勝1敗という戦績を残している。昨年はK-1の世界最終予選でプリース・ギダンに敗れたものの、その後はジャバット・ポトラックを破った試合を含めて連勝中だ。
【写真】端正な顔立ちで会場人気も高い、リコ・フェルホーフェン。1~2年と計画的にキャリアを重ねていきたいところ (C) WORLDKICKs
2m近い身長から繰り出される蹴りは迫力満点で、ピーター・アーツ二世とも呼ばれる。フェルホーフェンと対戦するクリス・ノウルスは2008年2月16日、WFCA世界スーパーヘビー級タイトルマッチでグーカン・サキと争ったこともある。リコ同様、ギダンに敗れているが、その試合はヒジでTKOを喫している。
つまり、英国の誇るヘビー級キックボクサーは、今では珍しいムエタイを経験しており、打ち合いには課題が残るものの、体幹がしっかりとしており、フェルホーフェンの体格を利した攻撃には、ある程度抵抗力を持っていることが予想される。とはいっても、地の利を含め有利と予想されるのはローキックを武器に戦うノウルスであり、彼が、どこまでフェルホーフェンに肉薄できるかがポイントだろう。
■FIGHT CLUB Presents IT’S SHOWTIME XMAS EDITION主な対戦カード
<IT’S SHOWTIME 世界77 キロMAX選手権試合/3分5R>
ロシネ・オグズニ(オランダ)
オーテム・レヴィン(ロシア)
<70キロ/3分3R>
モハメッド・マカル(オランダ)
モサブ・アムラーニ(オランダ)
<ヘビー級/3分3R>
クリス・ノウルス(英国)
リコ・フェルホーフェン(オランダ)
<77キロ/3分3R>
マルセル・グローエンハート(オランダ)
ハリッド・ボウディフ(オランダ)
<70キロ/3分3R>
ケネス・ファン・エスフェルデ(ベルギー)
ウォーレン・スティーブルマンズ(南アフリカ)
<ヘビー級/3分3R>
フレディ・ケマイヨ(フランス)
アンデウソン・シウバ(ブラジル)