【ONE169】計量失敗でタイトル剥奪のロッタンは、変則世界戦でヒジ多用。スミスに判定勝ち=王座は空位
【写真】王座剥奪も、試合展開的には一切危なげなかったロッタン(C)ONE
<変則ONEムエタイ世界フライ級選手権試合135.5ポンド/3分5R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
Def.3-0
ジェイコブ・スミス(英国)
計量失敗、タイトル剥奪も大きな声援で迎えられたロッタンは左ローからボディ&右のコンビを繰り出す。勝てば王座奪取となるスミスも右ローを蹴るが、ロッタンは全く動じない。逆に右ローをから右ストレートを入れたロッタンは、後ろ回し蹴りを空振りしタッチグローブから笑顔を浮かべる。スミスの左ヒジに、ロッタンは左フックを合わせた。
2R、左ジャブを届かせたスミスだが、ミドルを食らう。スミスは右を出て前に。クリンチ、首相撲がないまま試合は進み、スミスがテンカオを決める。ロッタンは左右のフックを繰り出し、スイッチしてスミスを下がらせる。腰を振り、右から左と足を上げて挑発するロッタンは、倒すというよりものらりくらりとしたムエタイを披露した。
3R、ロッタンは左インロー、さらに奥足も蹴ると距離と潰してエルボー、さらにクリンチから投げを打つ。ギアを上げたかロッタンの質量も増し、右ローを走らせるとワンツーから跳びヒザを繰り出し、前蹴りでスミスの姿勢を乱させる。
これが急所に入ったと不満のスミスは、再開後にローから右を伸ばし、左ヒジを狙う。どちらも見切ったロッタンは右フックから右エルボー、さらにステップインに縦ヒジを見舞う。
この一撃でカットされて下がったスミスは右ボディを食らい動きが止まると、ドクターチェックが入り。直ぐに再開されると、ロッタンはハイキック、まるでワイクーを踊るように前に出たところで時間となった。
4R、ミドルから左右の縦ヒジを入れたロッタン。スミスは右ローを蹴るが、ロッタンはスピニングバックエルボーを繰り出す。これはかわしたスミスだが、クリンチでヒジを被弾する。ここでロッタンがヘッドバッドを繰り出し、レフェリーが注意を与える。仕切り直し後にも、頭を入れたことでキスをして、手を合わせて謝ったロッタンは右を打ち込む。
左ミドルを連続で蹴ったロッタンに対し、スミスが怒涛の寄りを見せるが効果はない。間ロッタンはボディショット、首相撲でスミスを転がして試合は最終回に。
5R、直ぐに左ハイを入れ、右エルボーを続けたロッタンが、コーナーにスミスを追い込んでエルボーを続ける。ミドルから縦ヒジ、スミスも左ヒジを返す。ワキを差し上げて投げたロッタンは、右ボディを決める。クリンチで右エルボーを受けたロッタンが、おどけた表情を浮かべる。
残り1分、コーナーのロッタンに二段ヒザ蹴りを繰り出したスミスだが決定打にはならない。逆にスピニングバックエルボーを入れられ、大量の流血に見舞われタイムアップに。試合終了と同時に、マウスピースを吐き出して蹴り飛ばしたスミスに対し、ロッタンは謝意を表した。
結果、3-0でロッタンが勝利しベルトは空位のままとなった。
そして「ムエタイを世界に広め、次の世代を助けたい。いつまで戦えるか分からないけど、次の世代をサポートしたい。ベルトを失ったことは、本当に申し訳ない。タイの人々のために、必ずベルトを取り戻す。バンタム級かフライ級か? ファイターとして、全てのベルトを狙う。フライ級のベルトはとても大切だ。バンタム級に関しては、チャトリ次第だ」とロッタンは話した。