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【UFC ESPN62】キャノニアーと対戦、カイオ・ボハーリョ「過度な減量はしない。明日は水を11L飲む」

【写真】眼鏡からサングラスに変えて、計量をパス (C)Zuffa/UFC

24日(土・現地時間)、ネバダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN62「Cannonier vs Borrlho」が開催される。
Text by Manabu Takashima

イベント・タイトルにあるようにメインはジャレッド・キャノニアー×カイオ・ボハーリョというライトヘビー級戦が組まれている。通算戦績16勝1敗、2021年にコンテンダーシリーズからUFCに昇格したボハーリョは、オクタゴンでも8連勝中だ。そのボハーリョ、実はLFAブラジル大会でコメンテーターを務めており、英語で同朋のファイターたちの試合の模様を解説している。眼鏡姿がトレードマーク、インテリジェンスさもセールスポイントといえるボハーリョに、コメンテイターとMMAファイターの兼業の利点を尋ねた。


──週末にジャレッド・キャノニアーとメインで対戦します。今の調子はいかがですか。

「過去最強のコンディションだよ。ファイトウィークは、常にそうなんだ。ハードな練習をしても、リカバリーに細心の注意を払っている。減量のことも常に頭にいれていて、極端な体重の落とし方はしない。そのために食事も摂っているし、水を大量に飲んで体重を調整しているんだ」

──ウォーターローディングを気に掛けているということですね。

「そうだね、凄く多くの水を飲んでいるよ。今日も6リットルほどの水運補給を行ってきた」

──6リットル!!

「イエース。明日は5リットル増やして、11リットルだ。そして明後日には、水分をカットする」

──何とも壮絶に感じるのですが……。それがカイオにとっては厳しいことにならないのですね。ところでカイオはLFAブラジル大会のUFC Fight Pass中継で英語を駆使してコメンテーターをしていますね。ネイティブ・イングリッシュ・スピーカーでないのに、凄く度胸があるなと最初に視た時は驚きました。

「確かに簡単じゃなかったよ。最初の時は怖かった。でも、与えられた役割をしっかりとこなすことを考えて頑張った。6度、7度と続けていると、自信もついた。それに引退後のことを考えても、いや現役中でもそうだ。ファイター以外の仕事に就くのは良い経験になるからね。

実際にファイターとしてオクタゴンを眺めるのとコメンテーターとして、あの場にいるのとではまるで違う。他の選手の試合をしっかりと見ることになって、ファイターとして視野が広がった。コメンテーターの仕事は、色々なことを習うことができて、選手としても役立つことばかりだ」

──コメンテーターは、ファイトを楽しんでもらうために試合について語る必要があります。解説者目線で、UFC305のメインで行われたUFC世界ミドル級選手権試合=ドリキュス・デュプレッシー×イスラエル・アデサニャを振り返ってもらえないでしょうか。

「ハハハハ。良い試合だったよ。両者、自分の戦いをしようと凌ぎ合っていた。アデサニャは下がりながら、距離をマネージメントしてカウンターを狙っていた。この距離感は良かった。ただ、デュプレッシーにはそういう計算高いファイトも関係ない。

そして、奇妙な技術を持つ。その奇妙な技術が、有効なんだ。自分の世界を創り、世界のベストと戦ってしまう。それで彼は勝った。それでも、全ての対戦相手を倒してきたアデサニャが偉大なファイターであることは変わりない。誰も彼のような成績をミドル級で挙げることはできないだろう」

──ではトップを倒すことが使命といえるミドル級コンテンダーの目線で、あの試合を印象を話してもらえますか。

「アデサニャは、疲れていた。体を大きくして、体重を重くし過ぎたようだ。とはいってもデュプレッシーのゲームは、穴だらけあんだ。闇雲に前に出て、パンチを当てることしかできない。しかも殴ろうとしたときに、相手の攻撃を受ける隙ができる。それだけ対戦相手はアドバンテージを握ることになる。

それでもテイクダウンからバックを奪うのは、効果的だ。グラップリングで、相手を削って行く。そういう局面になると、力強い攻撃ができる。それでもスタンドに戻ると、攻撃の精度が落ちているので、スタンドで倒すことは可能だ。そう感じた。

デュプレッシーが優れたアスリートであることは間違いない。なんせ、UFCで負け知らずだ。良い試合をしてきた。そうだね……あの世界戦はファンにとってはエキサイティングで、グッドファイトだったに違いない。ただし、技術的にはベストファイトではなかった。あの世界戦を見て、僕の技術力は全局面において世界のベストの1人だと自信を持っている。僕は彼らよりレスリングができ、打撃もグラップリングも併せ持つウェルラウンダーだ。全ての要素を融合させることで、相手にとっては予測困難な戦いが可能になる。ハードトレーニングを続けることで、誰と戦ってもアドバンテージを持って試合に臨むことができるんだ」

──その言葉をキャノニアー戦で立証できるのか。期待して見させてもらいます。

「キャノニアーはタフな相手だよ。経験豊かで、彼のやりたい試合をされると厄介だ。既に5R戦も経験しているし、僕の実力がこのスポーツの頂点にあることを証明するのにベストな相手といえる。

間違ってもイージーファイトになるなんて、口にすることはできない。でも、彼を疲れさせてからパンチを顔面に集中させる。ダウンを奪うと、サブミットだ。キャノニアーは過去に一本負けしたことがないけど、柔術、グラップリングと引き出しが多い僕には、それを可能にするだけのスキルが身についている。

勝負の鍵は、どれだけプッシュして戦えるかだ。キャノニアーはもう40歳、ラウンドの中盤にはペースが落ちる。対して、僕は31歳になったばかりでハイペースで戦い続けることは何も問題にならない。彼には居心地が悪い時間を創り、疲れさせる。そうすると、もう僕のファイトになる」

──ファンが見る上で、注目してほしいところは?

「接近戦で戦うことだ。彼と戦う相手は、そのパワーを警戒して距離を取りたがる。でも僕は、そういう危険なゾーンで戦うことを問題視しない。目の前に立ち、思い切り顔面にパンチをくれてやる。そしてキャノニアーに勝って、その次の試合も勝ってトップ5入りを傍すよ」

■視聴方法(予定)
8月25日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時15分~U-NEXT

■ UFC ESPN62対戦カード

<ライトヘビー級/5分5R>
ジャレッド・キャノニアー(米国)
カイオ・ボハーリョ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
アンジェラ・ヒル(米国)
タバタ・ヒッチ(ブラジル)

<TUF32ミドル級決勝/5分3R>
ライアン・ロダー(米国)
ロバート・ヴァレンティン(スイス)

<TUF32フェザー級決勝/5分3R>
カーン・オフィリ(豪州)
マイロン・サントス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R
マイケル・モラレス(エクアドル)
ニール・マグニー(米国)

<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
ジェラルド・マーシャート(米国)

<ライト級/5分3R>
デニス・ブズーキア(米国)
フランシス・マーシャル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホセ・メディーナ(ボリビア)
ザック・リース(米国)

<ライト級/5分3R>
スラヴァ・ボルシェフ(ロシア)
ハメ・ジョントップ(ペルー)

<女子バンタム級/5分3R>
ジョシアニ・ヌネス(ブラジル)
タジャケリニ・カバウカンチ(ポルトガル)

<フェザー級/5分3R>
ジギマンタス・ラマスカ(リトアニア)
ネイサン・フレッチャー(英国)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
ヴィクトリア・レオナード(米国)

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