【UFC ESPN57】プジャ・トマール、インド人女子選手としてオクタゴン初勝利もファンはブーイング
<女子ストロー級/5分3R>
プジャ・トマール(インド)
Def.2-1:30-27.29-28.27-30
ハイアニ・ドスサントス(ブラジル)
サウスポーのトマールが左インロー、右サイドキックを繰り出す。左ミドルハイからインロー、そして右サイドキックのトマールに対し、ドスサントスが右を伸ばす。右からの左フックを当てたトマールの左回りを追いかけるドスサントスが右インロー、続いてカウンターで右を放つ。トマールは左ミドルを決め、2発、3発と続ける。ドスサントスのシングルを切ったトマールは右ハイをガードして、左ロー&右サイドキックから左フックをヒットさせる。
ボディにも右サイドキックを入れたトマールは下がりながら右を当てるも、ドスサントスが前に出て左右のフックで圧を掛ける。さらに跳びヒザと積極的な動きを繰り出すドスサントスが右オーバーハンド、トマールは組みへ。離れたドスサントスはサイドキックを受けてなお、跳びヒザへ。トマールがキャッチして足を振り払い時間となった。
2R、トマールは右サイドキック。ドスサントスもミドルを返すが、トマールがサイドキックで突き放そうとする。サイドキックとミドルの攻防のなかで、トマールが左インローを入れる。ドスサントスは右からミドル、前に出る分印象が良いか。左回りに右ハイを合わされそうになったトマールは左インローも拳の攻撃は届かない。ドスサントスは右を振って前に出る。そこにワンツーのトマールだが、ドスサントスがカウンターの右を伸ばす。トマールの右にシングルレッグを合わせたドスサントス。足を抜いたトマールはテイクダウンを許さない。サイドキックを有効に使うが、パンチがヒットが足らないトマール。一方ドスサントスもヒット数は少ないが、パンチの数で上回っている。ローに右を合わせ、前に出るドスサントスが左リードフックを届かせた。
最終回もサイドキックから入ったトマールに対し、ドスサントスは左を振って前に出る。ドスサントスが右ミドル、そしてトマールは右サイドキックを続ける。左インローを決めたトマールはサイドキックを捌かれ、ボディロックに捕えられる。ケージに押し込んだドスサントスが小外、左を差し返したトマールが押し返す。このタイミングで離れたドスサントスが右を当て、前に出る姿勢を続けるも──トマールの右サイドキックで後方に尻もちをつく。ここを追いかけなかったトマールは、立ち上がってきたドスサントスに左をヒットさせる。互いに奥の手の大きなパンチを振るう展開でケージに詰まったトマールに、ドスサントスの右が当たる。
揃って叫び声を挙げつつパンチを振るうと、試合は残り1分に。サイドキックに右を振るうドスサントスは、ケージに押し込まれても首相撲からヒザ、離れたところで右を届かせてミドルを決める。さらに右を被弾し、左右の粗いパンチに晒されたトマールは組まれた状態で試合終了を迎えた。
結果、ジャッジがそれぞれに30-27をつけて判断が割れた試合で、最後の一票を29-28でモノにしたトマールがスプリット判定勝ち。「ジーザスに感謝している。インド人はファイターは負け犬じゃない。私たちはチャンピオンになる」というトマールが歴史的なインド人女子ファイターとして初勝利を手にしたが、観客席からはブーイングも聞かれた。