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【Road to UFC2024Ep03】透暉鷹、キム・キュソンを完封。唯一、日本人でバンタム級準決勝進出も笑顔なし

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
透暉鷹(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
キム・キュソン(韓国)

跳ねるようなステップを踏むキム・キュソンに対し、透暉鷹はスイッチして左ミドルを蹴る。右ローからスピニングバックフィストを見せた透暉鷹は、距離の詰め方を試しているか。待ちの姿勢でアッパーを繰り出すフェイクから、ジャブを伸ばすキム・キュソンに対してワンツーフックの透暉鷹が、じりじりと前に出る。キム・キュソンも前に出るようになり、透暉鷹の左フックをかわす。カーフを入れる透暉鷹、キム・キュソンも返してカウンターの右を放つ。残り70秒、一気にダブルレッグでテイクダウンを決めた透暉鷹が、クローズドガードの中からパンチを落とす。

オープンガードになったキム・キュソンが透暉鷹に続き、スタンドに戻り距離を詰める。首を固めて背負いで投げた透暉鷹だがトップは取れず、初回が終わった。

2R、すぐに距離を詰めて左ローの透暉鷹だが、キム・キュソンが右を当てる。飛び込んで左を入れた透暉鷹はローをかわして、スイッチのキム・キュソンとの距離を詰める。ワンツーで前に出てダブルレッグを決めた透暉鷹が、ハーフで抑える。バタフライに戻させない透暉鷹は、足を右のパンチを落としてトップをキープする。二重絡みから特に何を仕掛けるわけでもないキム・キュソンは、下のまま過ごす。

残り90秒、鉄槌の透暉鷹はバタフライに戻されるが、パスを仕掛ける。立ち上がった透暉鷹が飛び込むがパンチは当たらず。それでも左足を抜いて、トップのままで2Rも戦い終えてリードを広げた。

最終回、スピニングバックフィストに組まれた透暉鷹が、バックを許す。直後に胸を合わせ、ダブルレッグを決めるとスクランブルでバックへ。透暉鷹はボディトライアングルに捕え、喉を守るキム・キュソンを殴っていく。クロスフェイスで圧を掛けられ、動きを封じされたキム・キュソンは絞めの防御に専念するしかない。

勝利が近づく透暉鷹は、時間を使って──キム・キュソンが宣言していた華のある試合を一切させない。このまま時間が過ぎ、残り30秒を切る。このままバッククラブでタイムアップを迎えた透暉鷹が、なぜかジャッジ1人が29-28をつけたが──判定勝ちを収めバンタム級の日本人で唯一準決勝に残った。

「色々シチュエーションを想定していたのですが、自分が思った通りの試合ができなくて、凄く悔しいです。対峙して打撃でいけるかと思ったけど、上手くいかなかったです。自分の練習してきたところを全然出せなくて、絶対に落とせないトーナメント戦というのが大きかったのですが、プロとして失格です。2回戦、絶対にUFCに行けるという試合を必ずします。中国人がUFCに行けるトーナメントだと思っていますが、バンタム級は自分しか残っていなくて。日本を背負って、パンクラスの名の恥じないようUFCと契約できる試合を。勝ち取るだけでなく、内容もしっかり次の試合まで出直してきます」と透暉鷹は全く笑みがなかった。


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