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【Gladiator025】モンゴルの新鋭オトゴンバートルと対戦、久保健太「大人として、面白く持っていく」

【写真】 昨日の計量での両者(C)MMAPLANET

本日、もう1時間後には大阪府豊中市の176boxで戦いの火蓋が切って落とされるGLADIATOR025。同大会で実施されるフライ級王座決定トーナメント準々決勝で久保健太が、オトゴンバートル・ボルドバートルと対戦する。
Text by Manabu Takashima

現在41歳、プロデビューは36歳の時。それ以前、ヤンチャの道で頂点を極め、地下格との出会いで人生を軌道修正した。優れた距離感覚と当て感、身を守る術が備わっている久保健太のMMA道と今回の試合への意気込みを訊いた。


――41歳ということですが、私が初めて久保選手の名前を認識させていただいたのが鶴屋怜選手と戦った時でした。怜選手のお父さん、鶴屋浩さんが「プロテクトとか言われているけど、久保選手は凄く打撃が強くて。厳しい試合なんですよ」と言われていて。そして久保選手のことを改めて調べると、プロデビューが36歳でした。

「そうなんですよ、意外と遅咲きのプロデビューで」

――意外というか、ありえないと感じました。

「アハハハハハ」

――そもそもMMAを始めるきっかけは何だったのでしょうか。

「幼少期から少林寺拳法を7年間やっていて、そこから道を反れて不良になり。道を戻すきっかになったのが、地下格闘技でした。それが27歳、28歳の頃で。自分には武道の経験もあるので、行けるだろうと。友達と車に武具を積んで見様見真似で公園で練習を始め、柔道の経験のある友達、ボクシングで高校と大学で全国大会に出場している幼馴染がいたので教わったり……。そこから小さな倉庫、そして少し大きな倉庫、それから自分のジムになった形です。

地下格闘技は階級とかもないので、今よりも10キロほど軽くて。相手に打撃を食らわせても、判定で負けるということがデビューした頃にありました。そういう敗北から、負けん気の根性でずっとやってきて、地下格闘技の中盤……後半にGSB多治見さんに出会って所属させてもらうようになりました。そうやって今に至るという感じですが、自分でやっていた期間は何年も遠回りしたと思っています」

――道を外していた時期に、戦いに必要な素養を身に着けたという感覚はありますか。

「そうですね……。地元でヤンチャをしていましたので、駆け引きなどを含めてMMA。それは自分に合っている。自分ならいけるとは思っていました。ヤンチャの方でも天辺の方に行った経験もありましたので」

――ハハハハ。天辺ですか(笑)。

「そういう感覚を掴むことはできましたね。でもヤンチャすぎて、回りが離れて行って。その時に色々と気づいたこともあり、出会ったのが地下格闘技だったんです」

――20代半ばまでヤンチャというのは、正直なところなかなか痛いですね(苦笑)。

「20代前半です(笑)」

――あまり変わらないかと……(苦笑)。

「暴走族は年頃までやって、それからチーマーとか……絡まれることがあると、自分から入っていったり。ただ痛い目にあったことがないので……そういうところは自分は万能なのかと。不良をしながらもスポーツも続けていましたし、タバコを吸ったことも一度ないです。お酒を買ったのも、最近になって配信のイベントだけで。お酒も飲まないです」

――体には健全な道の外し方だったのですね(笑)。

「ハイ(笑)。酔っぱらったことがないです」

――でも腕っぷしには自信があったと?

「そうですね。少林寺拳法の護身という部分が役に立ったのか、防御能力にはもともと優れていまして。まだボコボコにされたことがないんです。だから、ボコボコにされたときが身を引く時とか思ったりしています。

自分……集中すると一つのことにのめり込むタイプなので。プロデビューしてからも月・火・水・木・金・土と毎日練習して、1週間とか休んだこともないです」

――GSBで練習をするようになってから、それ以前と違いはありましたか。

「不良だった時の後輩で、僕の前では直立不動の姿勢を取っていた石田雄大選手とか、梶田髙裕先生とかプロでやっている人たちには全く歯が立たなかったです。全然、話にならなかった。最初の頃は悔しくて半泣き状態でした。ただ地下格闘技の実績から、先生も『いけるかもしれない』と思ってくれたようです。記録に残っていないのですが、名古屋でDEEPで隣のジムに所属している若い子とプロデビューで戦って……判定負けしました。大泣きして、そこからですね――本当に目覚めたのは」

――久保選手といえば、やはり勝負度胸が印象深いです。

「少林寺拳法の防御、不良時代の駆け引きというものがあるのですが、緊張もしますし、試合は怖いです。実際、やりたくないです。でも練習を思い切りすることで自信に変え、応援の声に背中を押されて戦うことができています」

――そんな久保選手のプロキャリアですが、GLADIATORでは地方大会で地方の選手と戦うという次元でない試合を経験するようになりました。

「チェ・ドンフン選手は距離感、感覚とも自分に似ていると感じました。若いけど、本当に強いと試合前から思っていて。実際に戦うと、丁寧で華麗で。そこそこの選手では勝てない。フィニッシュがないとか言われていたそうですが、そういう選手はチェ・ドンフン選手と戦うとカウンターを合わせられてボコボコにされますね。読みが凄くて……正直、あの負けでトーナメント出場はないと思っていました。

どういう流れか分からないですけど、次のチャンスをいただいて気合が凄く入っています」

――韓国の新鋭に続き、モンゴルの新鋭であるオトゴンバートル・ボルドバートルが相手となりました。

「ベースがレスリングで、実績もある。所属ジムの先生が相手がいないと言っていることも聞いています。強い選手だということは、もう承知しています。これまで鶴屋怜選手、中西テツオ選手など組みの強い選手と戦ってきました。そこは僕の経験値で、どれだけレスリングが凄くても簡単に組まれて極めに持っては行かれないぞ、と。

加えて僕も組みの方は成長していますし。ただ。相手のスタイルを考えると自分の戦い方も決まってくるのかと思っています。トーナメント戦でもあり優勝を目指してやっていきたいのですが、まずは初戦。オトゴンバートル選手のことだけを考えて、勝ちにこだわって……ベタな試合になってしまうかもしれないですが、しっかりと自分の戦い方で勝ちたいと思っています」

――勝ちにこだわる姿こそ、格闘家だといえるかと。

「本当にドロ試合になってでも、ジャブで制して……。ワンツー・スリー、フォーなんて突っ込むともう向こうがやってくることは分かっています。そこをしっかりと大人として、面白く持っていくことができるように頑張りたいと思います」

■視聴方法(予定)
3月3日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Gladiator025計量結果

<GLADIATOR暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
田中有:70.15キロ
ジョン・ハングク:71.10キロ→70.9キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
NavE:57.1キロ
藤沢彰博:56.8キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
久保健太:57.05キロ
オトゴンバートル・ボルドバートル:56.95キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
イ・スンチョル:56.4キロ
ツェルマー・オトゴンバヤル:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:66.15キロ
石田拓穂:66.1キロ

<フェザー級/5分3R>
ハンセン玲雄:66.2キロ
桑本征希:66.05キロ

<バンタム級/5分3R>
藤原克也:61.05キロ
上荷大夢:61.4キロ

<フェザー級/5分2R>
水野翔:66.05キロ
福田泰暉:65.65キロ

<バンタム級/5分2R>
吉田開威:61.3キロ
土本暉弘:61.65キロ

<フライ級/5分2R>
宮川日向:57.15キロ
八木祐輔:56.85キロ

<フライ級/5分2R>
澤田政輝:56.6キロ
田中義基:56.35キロ

<ライト級/5分2R>
八木敬志:70.05キロ
磯嶋祥蔵:70.4キロ

<フェザー級/5分2R>
田口翔太:65.95キロ
髙橋惺哉:67.85キロ

<バンタム級/5分1R>
ルキヤ:59.55キロ
岩田虎之助:60.95キロ

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