【BFC28】ホーウィッチ、TD防御に掛かりきりで判定負け
＜ミドル級／5分3R＞
エリック・シャンバリ（米国）
Def.3R終了／判定2-1（30-27、30-27、28-29）
マット・ホーウィッチ（米国）
まずは左ストレートを伸ばしたシャンバリ、対するホーウィッチは独特の構えから前進し、左右のフックを振るうが届かない。ならばと飛びヒザを見せたホーウィッチ、右が相打ちになり、組みつくが自ら距離を取る。再び粗いフックを振るいながら首相撲を狙ったホーウィッチに対し、シャンバリは脇を差して押し返す。
執拗に首相撲を狙うホーウィッチだったが、これが裏目に出てシャンバリにシングルレッグを仕掛けられ、尻餅をつかされてしまう。ホーウィッチはケージに体重を預けて立ち上がると、距離を取ったシャンバリを追い掛け、またも首相撲へ。左腕を首の後ろに、右手でワキを差しながらヒザを突き上げたホーウィッチ、シャンバリはここでも左足に組みつき、シングルレッグを狙う。
エルボーを落としながら距離を作ったホーウィッチは終了間際に左ミドルをヒットさせたものの、シャンバリに組みつかれテイクダウンを奪われそうになって初回を終えた。2R、ヒザ蹴りにテイクダウンを合わされたホーウィッチ。シャンバリはハーフからパウンドを落としていく。首を固めたシャンバリは、さらに脇を差してパスの機会を狙う。
ホーウィッチは二重絡み＆ロックアップを見せ、ここでもエディ・ブラボー流のガードワークを駆使する。立ち上がったシャンバリは執拗にシングルを仕掛けるが、ホーウィッチは腕を固めエルボーを落として対抗。足首を取り、ヒザをつかせたシャンバリにも、すぐに立ち上がるホーウィッチと、地味ながらも熱のこもった展開が続く。
この熱さはスタンドの打撃戦に移行し、パンチが交錯するなか劣勢のホーウィッチが首相撲からヒザを連打で突き上げる。ニーを嫌がったシャンバリは、またもシングルを仕掛けるが、ホーウィッチは尻餅すらつくことなく、アームロックの態勢でディフェンスに成功する。2Rはこのまま終了し、テイクダウンを仕掛けたシャンバリに、耐えきったホーウィッチ、どちらが疲れているのかが、3Rの攻防の鍵となりそうだ。
最終回、2Rのパンチの打ち合いで優位になったシャンバリは、下がりながらもパンチを繰り出す。左、右をヒットさせたシャンバリが、ホーウィッチの首相撲を嫌い、出入りが激しくなる。下がるシャンバリに左ミドルを入れたホーウィッチだが、自分の距離で戦うことはできない。左を被せるシャンバリは、右ボディを放って、また自ら距離を作ると、突然前進しシングルレッグを仕掛ける。
ホーウィッチはここでもアームロック＆頭部へのエルボーで凌ぎ、バックに回れられないよう、常に臀部、もしくは大腿部をケージに預けてディフェンスを続ける。しかし、ついに残り時間2分を切って、背中をキャンバスにつけてしまう。
シャンバリのセコンド、ジョー・スティーブンソンが「オープンになった。エルボーを落とせ」と指示を送る中、必死の形相で立ち上がったホーウィッチだったが、シャンバリはすぐにテイクダウンを奪い返し、トップをキープした。
クローズガードからオープンに、蹴り上げを見せるホーウィッチに対し、パウンドを落としながら、胸を合わせて立たせないシャンバリ。試合はこのままの態勢でタイムアップを迎え、ジャッジの裁定は2-1でシャンバリを支持。倒せないテイクダウンだったが、仕掛け続けたという点が評価されたのか――。ターレス・レイチという格上ファイターを倒した勢いを持ってしても、打撃の脅威がなく、簡単にテイクダウンを仕掛けられるスタイルでは、コンスタントに勝利を重ねるのは難しいことが改めて立証されたホーウィッチの敗戦だった。
