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【Special】J-MMA2023─2024、プロ3戦目は計量失敗。南友之輔が語っていたこと「最後は右で倒す」

【写真】450グラムオーバー。計量失敗はルールかつモラル違反だ。とはいえ、これで勝ってノーコンテストだと選手は応援してくれる人のために戦う──あるいは、興行に迷惑を掛けないためのみに戦うのか。試合が成立すれば、イエローカードは残したとしても勝った場合は勝利という風にならないものか……(C)SHOJIRO KAMEIKE

2024年も早くも1カ月が過ぎ、MMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、こらからの1年について話してもらった。
Text by Manabu Takashima

J-MMA2023-2024、第二十弾は伝統派空手からMMAに転向、プロ初年度を2連勝で終えた南友之輔に話を訊いた。

本日4日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGrachan67で徳弘拓馬と対する南だが、なんと本計量で650グラムオーバーに。再計量でもリミットから450グラム上回り──徳弘陣営が試合を受けるも、イエロースタートで南が勝った場合はノーコンテストになる。プロ3戦目で思わぬ失態も、勝ってノーコンテストになる試合を実のあるモノにしなければならない。そんな南が語っていた──2024年の目標と、徳弘戦でやるべき戦いとは。

■2023年南友之輔戦績

9月30日 GLADIATOR023
〇 1R3分19秒 by KO 小松祐貴(日本)

12月9日 GLADIATOR024
〇 3-0 健太エスペランサ(日本)


──MMAデビューイヤー、プロ2試合で2勝を挙げました。この2試合のパフォーマンスをどのように自己判断していますか。

「何も分からない状態で戦ったのですが、1試合目は思っていたような展開になりました。たまたまじゃないかという風にも捉えられていたところもあるので、2試合目が大切でしたけど倒せなかった。そこは悔しかったです。勝つのは大前提なので、倒して評価を確かなモノにしたかったです。

結果もそうですけど、動きも倒そうと思えば思うほど動きが大きくなって雑になっていき、思ったような試合にならなかったです。普段なら取られないところで、腕十字に入られたり……ああいうところは経験不足です。経験不足は当たり前なんですけど……まだ2戦目という風に見られているなかで、2戦目とは思われないような試合がしたかったです」

──組まれて思うように攻めることができなかった。勝てて経験ができたのも良かったかと思います。MMAが戦えたわけで。

「そういう考え方をすると──自分では納得できないですけど、良い経験になったのかもしれないですね。試合になれば組みの展開に持ち込まれてしまうんやなって。練習であまりテイクダウンをされなくなっているので、ああいう展開になることがほぼなくて。それでも実戦で、あの展開を経験できたことは大きいです。より自分のことを見つめ直そうと思えました」

──試合で組まないと勝てないという覚悟を持つ選手の、組みは練習とは違いましたか。

「違いました……ね。ただ、倒そうという意識が大きくなると、相手への意識も減って。練習では取られないように距離設定をしているのに……。それにテイクダウン狙いを切っても、そこでパウンドを落としに行って腕十字の形に入られた。練習なら、立たせて打撃という選択ができていたのに……。

パウンドもあんな風には練習では打てないので、あれで取られそうになったことも踏まえて、『シンプルな寝技の能力をあげないといけないな』と宮田(和幸)先生にも言われました。

右がバレていて、その右では倒れない。ボクシングのように3分✖12Rあれば、どこかで当たることもあるでしょうけど5分✖2Rじゃ、警戒されるとなかなか当てることができない。だからこそ、左を使うのと、上下に散らすこと。それと蹴りとのバランスを考えないといけないです。そうやって最後は右で倒すようにならないと」

──しっかり自己分析ができているかと。

「どうッスかね。自分の試合映像も他の人の試合映像も一緒で、視る時は客観視しています」

──警戒されても決める選手は決める。それは今、南選手が言われたように一発に頼らないで組み立てがあるということですね。

「僕は空手ベースで、飛び込みなんで。普通の人とチョット違うじゃないですか。動く瞬間に下がられると、当たらない。その動きを注意されると、多分当たらないと思います。自分がされると、下がってブロックしますからね。だからこそ飛び込んでからも細かく入れて、また右へという風に動くことができれば良いのですが……」

──空手時代も突きの選手だった?

「ハイ。僕は小さいので大きな選手に蹴っても、なかなか決まらないですし。でもMMAでは技のレパートリーが多い方が良いですし、そこに蹴りを加えるとパンチの精度も上がるかなとは考えています」

──当ててポイントというノンコンの蹴りと、ダメージを与えるためのMMAの蹴りは違ってきませんか。

「空手は当てないように蹴りますけど、見えていると当てないように蹴っている蹴りも避けられます。だから技が交錯した後での蹴りだとか、決まるわけで。そうやって考えると空手の蹴りもMMAの蹴りもそんなに大きな違いはないかと思います」

──デビュー戦後、2024年にはGLADIATORでタイトルを取る宣言していましたが……

「ハイ、その気持ちは変わっていないです」

──ただ2024年になって最初の試合はGRACHANになりました。

「本当は僕、8月のGRACHANでデビュー戦を戦う予定だったのですが、ケガで出られなくて。迷惑をかけたので、大阪大会やし……人としてGRACHANに出ないといけないです」

──そのような精神状況だと、対戦相手にフォーカスできないような状況にも陥りやすいかと。

「正直、試合に向けて今後のこととか全然考えていなくて。この試合に勝って、将来が大きく変化することはないですから。なのでデビュー戦の時と同じような気持ちで戦います」

──では徳弘拓馬戦、どのような試合を皆に見せたいですか。

「絶対にテイクダウンに来て、極めやパウンドを狙ってくると思います。テイクダウンされなかったら、されなかったでスタンドで戦う。まぁテイクダウンされる気はしないんですけど、下にされることもあると思うので前回と同じ轍を踏まないようにしたいです。グラウンドでも自分からアクションを起こしてスクランブルに持ち込み、スタンドで綺麗に倒せたら良いなって思うし。逆に上を取ってパウンドアウトも良いなって。

もっと遊び心のある──ここまでの2戦と違う、一発狙いではない面白い打撃を見せたいと思います」

──では最後に改めて2024年の目標は、どこに置いていますか。

「グラジのベルトを獲ることです。ベルトを獲るために倒さないといけない相手がテムーレン(アルギルマー※前バンタム級王者)なら、テムーレンと戦って。それが竹中(大地)選手だったとしても、ベルトを獲るために倒さないといけない相手なら倒します。そこに日本人とか外国人だっていうのは関係ないです。グラジでしっかりと勝ってベルトを獲らないと、次に進めないので。それにはベルトを獲って実績を積むこと。色々考えるよりも、そこやと思っています。今年中にグラジのベルトを巻きます」


■視聴方法(予定)
2月4日(日)
午後0時30分~ GRACHAN放送局

■ Grahan67計量結果

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]手塚基伸(61.2キロ)
[挑戦者]TSUNE(61.2キロ)

<Grachanフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]松場貴志(56.7キロ)
[挑戦者]御代川敏志(56.7キロ)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
林”RICE”陽太(70.1キロ)
大道翔貴(70.1キロ)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
徳弘拓馬(61.4キロ)
南友之輔(62.3キロ → 再計量 62.1キロ)
※南が計量オーバー。徳弘が試合出場に合意し、試合では南にはイエローカード1枚が提示され、南が勝利した場合は試合結果がノーコンテストとなる

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
八木匠(66.1キロ)
櫻庭泰裕(64.5キロ)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
今村豊(61.2キロ)
堀之内蒼斗(61.2キロ)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
有田一貴(61.6キロ)
秋田良隆(61.6キロ)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
村上晴紀(60.4キロ)
木下竜馬(61.3キロ)

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